通信制大学生へ贈るレポートの書き方(9)

段落=パラグラフ

前回はレポートの文体の注意点について解説しました。本日は段落=パラグラフについて解説します。

1.課題要件の把握

2.課題要件を満たすために必要な資料を探し、資料を調べ、内容をまとめる

3.レポートのおおまかな内容を決める

4.レポートを実際に作成する

5.完成したレポートを提出する


段落=パラグラフについて

※初めに日本では「段落」わけの厳密なルールが決まっていないため、この後は「パラグラフ」と呼んで、わかりやすい文章作成方法について説明します。


(1)パラグラフとはなにか?

あるトピック=主旨について説明する文のひとまとまりをパラグラフ(段落)と言います。パラグラフは1文字分スペースを空けて、最初の文を書き始めます。

レポートは文章で課題要件を説明する。つまり大工の例で言えば、あなたが建てた家をお客様=担当教員へ紹介・説明することです。つまりレポートの内容は「家」になります。

レポート=家としてパラグラフについて説明します。例えば玄関の説明にパラグラフをひとつ使い、リンビングの説明に1つのパラグラフを使います。パラグラフ=各部屋というイメージです。

パラグラフについてなんとなくイメージがついてきたでしょうか?


(2)パラグラフの構成


パラグラフは何ついて説明するかを先に紹介し、その後にその説明文が続く構成となります。先に示した「玄関」の例を使って、パラブグラフの基本構成を詳しく見ていきましょう。

何つついて説明するのかを紹介してから、内容を伝える。これはレポートの構成と同じです。レポートは序論、本論、結論があります。パラグラフにも〔トピックセンテンス〕といって、パラグラフの主旨を表明する文があります。この玄関に関するパラグラフの主旨は「玄関」について紹介することです。そのため一文目は次の文から始まっています。

この「トピックセンテンス」によってこのパラグラフが「何」について書かれているのかがわかりますね。そして「トピックセンテンス」のあとには玄関に何があるのか説明しています。これがパラグラフの基本構成です。

では次にパラグラフの構成について、レポートの語尾に合わせた文例を使って見ていきましょう。



(3)トピックセンテンスとパラグラフ

Aという内容の話をしている中に、CやFなどの別のトピックを混ると何を伝えたいのかわかりづらくなります。1つのトピックを1つのパラグラフで説明すると、わかりやすくなります。例えば好きな果物のどんなところが好きか説明している文章の中に、サッカーの話題を入れるとなんの話かわからなくならないでしょうか? 次の文章を読んでください。


いかがでしょうか? この文章には2つのトピックが1つのパラグラフに混ざってしまっています。よく読めばわかるかもしれませんが、これではわかりづらいと思いませんか? りんごと関連は少しはありそうですが、いきなりサッカーの話が入ってきています。そして最後は「やはりりんごはサン富士に限る。」で結ばれています。この文章の欠点は最後の「やはりりんごはサン富士に限る。」とその根拠となる文章「赤々としたりんごはその内側に蜜を含んでいて、瑞々しさとともに深い甘みがある。」をサッカーの話題で分断していることです。

この例をわかりやすくするには、りんごの話題とサッカーの話題を分けて書くとわかりやすくなります。つまりトピックごとに段落=パラグラフにわけるのです。

いかがでしょうか? トピックセンテンスとパラグラフの内容が統一されると、何を伝えたいかがわかりやすくなりますね。

最初のパラグラフでは「りんご」がトピックとなっています。「果物の中で、秋から冬にかけてはりんごが一番美味いと考えている。」この1文でこれからりんごについて話をすることがわかります。

次のパラグラフでは、「晩秋はヨーロッパではサッカーのシーズンになる。」この1文でこのパラグラフではサッカーに関した話なのだとわかります。

2つの段落にわけることによって、わかりやすさと共にりんごとサッカー(ヨーロッパのリーグのことですけど)が、「晩秋」というキーワードでつながっていることがよりわかりやすくなりました。

話題が脇道にそれて、さらに別の脇道にそれていって結局何が言いたいのかわからない。そんな文章になってしまった時は、それぞれの話題を段落=パラグラフにわけてしまいましょう。

本日、学んで欲しい点はパラグラフの中に2つのトピック=主旨は入れないということです。

また、パラグラフは長ければ良いものでもなく、短いと悪いものでもないです。ひとつのトピック=主旨の説明がされていれば1文だけでパラグラフを構成することもあります。

最後にパラグラフ作成時の注意点をあげます。

1.トピックセンテンスが1文目、または2文目にあるか?

 1文目でなくても構いませんが、パラグラフの初めはには「トピックセンテンス」が必要です。

2.トピック=主旨が混在していないか?

 2つ以上のトピック=主旨が1つのパラグラフに混在するなら、トピックの数だけパラグラフを増やします。つまりトピック数=パラグラフの数となります。


本日はここまで、次回は5W1Hについて解説します。

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