通信制大学生へ贈るレポートの書き方(8)

文の書き方の注意点(4)

前回は「、」と「。」、特に「、」の打ち方について説明しました。本日はレポートを書く上での文体のルールについて説明します。その後、文を書く上での意識しておきたい点を紹介します。

1.課題要件の把握

2.課題要件を満たすために必要な資料を探し、資料を調べ、内容をまとめる

3.レポートのおおまかな内容を決める

4.レポートを実際に作成する

5.完成したレポートを提出する



レポートの文体

(1)レポートで利用する語尾


文章を書く際の注意点して欲しいことは語尾を統一するということです。「〜です。」「〜ます。」で文を終わるのか? 「〜だ。」「〜である」で文を終わるのかを統一します。

さて、レポートでの文の語尾は全て「〜だ。」「〜である。」で統一しましょう。「〜です。「〜ます。」はレポートの文では使いません。


語尾「〜だ。」「〜である。」の例

「〜だ。」

「〜だった」

「〜である。」

「〜と考えられる。」

「〜と考えている」

「〜と推測される。」

「〜のようだ。」

「〜だろう」


(2)語尾の効果 事実と推測を分ける

語尾に置く言葉で、その文が「事実」を書いているのか、「意見」または「推測」を書いているのかが変わります。


事実:実際に発生した事件。過去・現在の法律。実在の人物のこと。統計や実験データ。事実であるため断定した表現で文を書く。


【断定表現の例】

「〜だ。」

「だった。」

「〜である。」


推測や意見:事実から考えられるあなたの予測や意見、仮説のこと。事実ではないため推定や意見、仮説でるあることを伝える。

【推定・意見表現の例】

「〜と考えられる。」

「〜と考えている。」

「〜と推測される。」

「〜のようだ。」

「〜だろう。」

「〜なのではないか。」

「〜と結論づけられる」


レポートの構成にも関わってくるのですが、推測や意見は事実を基にしていないければ説得力がありません。そのため事実を先に書いて、その後にあなたの推測や意見を書きます。

では次の例文から事実と推測を分けてみましょう。


この例文の中の事実は次の文です。

印象や意見でもなく、実際に起こった事実について書いています。

推測や意見の文例は次のとおりです。

事実として確認していないもの事、自分が感じたこと(=意見)は上記のような語尾になります。

文を書く時は、自分の意見なのか、それとも事実なのかを切り分けて書きましょう。レポートの内容が成績につながるのは当然ですが、いくらレポートで説明したい内容が良くても、その良さが伝わらなければ成績につながりません。わかりやすく正確に担当教員へレポート内容を伝えることも、レポートを落とさないためには必要です。語尾はその助けをしてくれます。注意して使い分けましょう。



(3)レポートで使わない表現

次にレポートで利用しない表現についてお伝えします。レポートでは「〜と思う」という表現は使いません。個人ブログやエッセイなら「〜思う」という表現の方が親しみやすいですが、レポートには親しみやすさが求められていません。レポートに求められているのは、あなたがどんな「意見」や「見解」を持っているのか? 課題をどれくらい「理解」しているかなのです。そのため、自分が「思う」ことは「〜と考えられる」「〜と考えている」と表現しましょう。

本日はここまで、次回は段落=パラグラフについてお伝えします。

次回の更新は9月8日です。

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