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面倒なロック式トレモロのスプリング調整を面倒なりにうまくやるコツ

フロイドローズをはじめとするロック式と呼ばれるトレモロ。
ヴァン・ヘイレンやスティーブ・ヴァイのようなトリッキーなギタープレイには欠かせないですし、ガンガン使ってもチューニング狂わないですしめっちゃくちゃ便利です。

ただ便利な半面、セッティングがなかなか難しく扱いづらいことも。
弦のゲージを変えたり変則チューニングを試した途端に弦高がめちゃくちゃになって「壊れた!」と慌てたことがある人も多いはず。
実はロック式トレモロは弦のゲージやチューニングによってトレモロスプリングと呼ばれるバネを調整してあげる必要があるんですが、これがなかなか難しい。。。

もちろんギター屋に持って行けばビシッと調整してはくれるんですが、当然お金もかかるし自分でできるにこしたことはないと思います。

ということで今回はロック式トレモロのトレモロスプリング調整のコツについて書いてみようと思います!

適切なセッティングが施されたトレモロ

まずは完成形といいますか、しっかりトレモロがセッティングされた状態を見ていこうと思います。

こんな感じ。

しっかり調整されているトレモロはブリッジとボディトップが平行になってます。

これは弦がブリッジを引っ張る力とトレモロスプリングがブリッジを引っ張る力のバランスがしっかり取れている状態です。

あ!トレモロスプリングってボディ裏のパネルをはずすと出てくるこいつね。↓

これと弦のバランスがしっかり取れてこそのロック式トレモロです。

バランスの崩れたブリッジ

次に弦の種類やチューニングを変えてセッティングがとれていない状態を見ていきましょう。

いつもより太い弦を張ると弦がブリッジを引っ張る力が強くなりすぎてしまって、、、

こんな風にブリッジが上がって弦高がめちゃくちゃ高くなったり。。。


いつもより細い弦を張ったりダウンチューニングをしたりすると弦がブリッジを引っ張る力が弱くなってしまって、、、

こんな風に沈み込んでしまって弦高が低すぎて音が詰まって出なくなってしまったりします。。


。。。と、こんな風にブリッジとボディが平行でなくなってしまっている状態だと楽器として使えたもんじゃないので、しっかりトレモロスプリングを調整しましょう!


下準備をする

弦を細くしたりダウンチューニングにしてブリッジが沈み込んだ人はとりあえずそのままでOK。
逆にブリッジが上がってしまったという方は下準備のバネ調整をしましょう。

↑このネジを時計回りに締め込んでスプリングがブリッジを引っ張る力を強くしていきます。

グイグイと。

大抵の場合ネジは2本付いてるので両方をバランスよく締めていきます。

どのくらいしめるかというと。。

こんな感じでグッとブリッジが沈み込むまで。
ここは下準備なのでシビアに調整する必要はありません、ザックリで大丈夫。
まぁ明らかにブリッジが沈み込んでるなぁ~。。って具合になれば大丈夫です。(上の写真みたいな感じで)

クロスをはさむ

下準備が出来たら次にクロス等の布をブリッジにはさみ込んでブリッジを擬似的に平行にします。

こんな感じで挟み込んで、クロスの入れ具合でブリッジとボディが平行になるように調整します。

出来たらアームをグッとアップ方向に効かせます。
並行が崩れるようであれば再度クロスのはさみ具合を調整してください。
アームを効かせても平行が維持できる状態になれば準備完了です。

チューニングする

ここで一度チューニングをします。
ダウンチューニングで使うギターの場合はダウンチューニングで。

ギュイーンと

チューニングがあったら。。


ロックナットを締める

しっかりチューニングがあったらここで一度ロックナットをガッチリ締めます。

締めたら再度ちゃんとチューニングが合っているかとブリッジがボディと平行になっているかを確認。
しっかり合っていたら次の工程へ。。


クロスをはずす

ここで先程ブリッジに挟んだクロスを取り外します。

するとまたこんな感じにブリッジが落ち込むはず。
あ、こうなっても全然失敗じゃないですよ!
ちゃんと成功してます。

トレモロスプリングでチューニングする

次にトレモロスプリングを使ってチューニングしていきます。

チューナーとにらめっこしながらネジを緩めていって、任意のチューニングにビシッと合うところに調整します。
若干のズレはでてしまうかもしれませんが、各弦のチューニングバランスがいい具合になるポイントがあるはずなのでそこを目指して調整します。

で、チューニングが合った状態でブリッジを見ると。。。

いい感じにブリッジがボディと平行になっているはずです👍

そうです。これにてロック式トレモロのスプリング調整は終了です。
お疲れ様でした!

多少の複雑さはありますが、むやみやたらにチューニング→スプリング調整→チューニング→スプリング調整→チューニング→スプリング調整......
と繰り返すより格段に素早く調整可能なはずです!
是非試してみてください~



、、とは言っても結構器用な人じゃないとなかなか難しい作業だとも思います。
チャレンジしてみたものの難しくて上手くいかなかったって方もいるかと。。
そんなときは信頼の置ける楽器屋に持っていきましょう!バッチリ調整してくれるはずです!

【おまけ】
感のいい人は気づいたかもしれませんがしっかり調整されたギターは弦交換も楽にこなせます。
ロック式は普通に弦交換するとチューニングが安定するまで大変ですが今回のテクニックを応用すると楽ちんです。

まず弦を外した状態でさきほどのようにクロスをはさんでブリッジを平行にします。
弦を取り付けてチューニング。
チューニングがあったらクロスを抜く。
これである程度はチューニングが合ってるはずなのであとは微調整で済むはずです~

記事を読んでギターの悩みが解消されてもらえればそれだけで最高に嬉しいですが、サポートしてもらえるとそりゃあ当たり前にめちゃくちゃ嬉しいですしモチベーションが爆上がりする現金な人間です笑