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体外受精 ~4歩芽~

不妊治療は、まず検査から始まる。
それからタイミング療法→人工授精→体外受精と進んでいく。
治療費は高く、人気のある病院だったので予約していても待ち時間が長かった。
待合室にノートがおいてあって、
みんなの心の叫びが書かれていた。
何年も授からない報告に、安堵した。
授かった報告も書かれていて、うらやましく思ったりした。
たまに受付に子宝草が自由に持ち帰るれるように置いてあった。

不妊の原因は、検査してもわからなかった。

痛いとか、死ぬとか、そんなんじゃないのに、病院に通う。
通い続ける。
私は、病院に通うことで、病人になっていった気がする。
病気の定義がよくわからないが、病気だったんだと思う。

病気だから病院に通った。
なぜ病院に通うのか。
そこには「希望」があるからだ。
妊娠して、自分の子どもを授かることができるかもしれないという
希望のために、私は病院に通い続け、とうとう体外受精に挑むことにした。

35歳になっていた。
世の中、40代で出産するニュースが流れ
35歳なんて、大丈夫。
なんて、勘違いをしている人が多いが、
大間違いだ。

高齢出産とは、35歳の初産婦のことを指すが
リスクが高いのだ。
世間のニュースには、マイナスなことはあまり取り上げられない。

体外受精は、医学の力で卵をまず増やす。
排卵日の直前に病院に行き採卵し、採精し、受精してもらう。
結ばれた胚を、子宮に戻す。
数週間後、妊娠判定をする。

残念ながら・・・と言われた。

費用は、40万円以上かかった。
助成金が8割くらい出た気がする。

助成金がなかったら受けられなかった治療だと思う。
日本は、すごいな。ってなんとなく心の片隅で思ったけど、
私はひたすら泣いた。

だけど、やるとこまでやって良かった。
と心のどこかできちんと思っていた。
時間とお金を費やしてくれた夫には感謝しかない。
次は、彼の夢をしっかり叶えられる妻でありたい。
と心から思った。

そんな私たちに、アメリカの弁護士さんから連絡がきた。

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