fragile body

4月18日火曜日 夕方

悪寒がする……

気配がする……

奴が……奴が来る……!

第一章 『終わりの始まり』

と、いうわけで、風邪をひきました

10年ぶりくらいに、いわゆる病名のない感冒症

主症状は、のどと熱。それに関する副症状です

急に寒くなったからなのか、はたまた疲れが出たのかはわかりません

ともかく、えらい風邪をひいてしまいました

始まりは、18日の夕方でした

16時ごろ、「なんかやばい」という気配がしました

やや寒い、内からくる冷え

のどの違和感

「あ、なんか熱出そう……」

私は賢いので、夕飯を早めに食べると、すぐにお風呂に入り、体を冷やさないように、7時ごろには風邪薬を服用し、大げさに布団をかぶり、就寝しました

体験上、これで大抵の風邪はどうにかなるのですが、今回はもう後の祭りでした

翌朝、寒気とのどの激痛とともに目覚めました

体が……だるい……

そして、何より朝食の箸が進まない

のどが痛いのもありますが、それ以上に食欲がない

私は、簡単な人間なので、どんなに疲れていてもご飯を食べればすぐ元気になります

ですが、その日は二つ目のプチトマトを持った箸を見つめたまま、動けなくなってしまいました

「これはまずい」と思い、体温計をわきに差し込みます

ピピピという音は、私の体温が38.2℃だということを教えてくれました

わお……

お風呂ならやや低温で気持ちがよいかもしれませんが、人体ではそうはいきません

ここで頭をよぎるのは、コロナウイルスですよね

3回目のワクチンから半年以上たってますし、何より、現状では外でもマスクをしていない人もちらほら

自分もそこまで厳格に感染対策に取り組んでいたわけではありません

「ついにか……」と思いました

医者へ行くと

『発熱、せき、のどの痛みがある場合は受付前に電話をしてください』

との、実質「立ち入り禁止」の張り紙

電話をし、のどの痛みで出ない声を振り絞り症状を伝えると、電話越しの問診が始まりました

「熱は何度ですか?」
「のどの痛み以外の症状は?」
「筋肉痛や関節痛は?」
「息苦しさは?」
「せきは?」

ひとつづつ答えていくと、改めて熱を測るので、車で待っていてくれとのこと

少し待つと、完全防備の看護師さんが、バーコードを読むやつみたいな体温計を片手にこちらへやってきました

測ってもらうも、そこまで熱はないとのこと

冷や汗をかいていたのと、外の気温とで少し冷えたのかもしれません

指示を受け、さらに車で待っていると、入り口の横にパイプ椅子が置かれました

そこで待っていてくれとのこと

日差しが強い……

アツい……

熱か?気温か?

一瞬で熱中症になりそうだなとか思いながら待っていると、3分もしないうちに、先生が来てくださいました

先生も完全防備

そして、左手に「あれ」を携えて……

そう

これ!!!!

私は、この世で嫌いなものの一つに、鼻をぐりぐりされるこれが、大の苦手!

というか、得意な人はいないかもしれませんが……

注射も苦い薬も、たいていの苦しい所業に耐性がある私ですが、これだけは……

悶えながら検査を終え、更に数分待つことに

その間、鼻のぐりぐりによって涙をだらだら流しながら、やや元気が戻ってきたところで、「お入りください」との声

つまり、この時点ではコロナウイルスは陰性だったということです

先生のお話では、おそらくただの風邪であるということで、痛み止めをもらい、帰宅しました

解熱剤を服用し、12時になるころには、少し症状は落ち着いていましたが、とにかくのどが痛い

なんだかのどの壁が剥がれているのではないか。というくらい痛い

つばも飲み込めませんし、声も出せません

のどが詰まっている感じが強く、声を出そうとすると

ちっちゃ~~~い声しか出ません

壊れる直前のスピーカーみたいな音がのどから出るばかりで、意思疎通もままなりません

ポカリを飲もうにも痛くて痛くていちいち冷や汗をかきながら大きな動作で

『ゴックン!!!』

と音を立て、一気に飲み込まなければ気が狂いそうでした

質が悪いことに、この痛みは3日間は続きます

その上、のどが渇いてももちろん痛いので、苦しみながら飲下するしかありませんでした

熱いものを飲んでも痛いため、冷たい水を飲んでいたせいで、それが原因と思われる腹痛も引き起こし、19日は呻きながら一日中寝ていました

20日

19日は夜中に目覚めた際、少し熱が楽になりました

ですが、起床して私は度肝を抜かれます

39.2℃

え……?

39.2……?

気温にしても猛暑です

人が死ぬ暑さですよ

これは……今度こそアレでしょ……

立つのもやっとで、目の前もかすみます

再び昨日の病院に駆け込むことに

すると、外で待っていてくださいとのこと

外の気温は20℃

季節外れの暑さだそうですが、私も負けていません

しばらく待つと先生がやってきます

も……持ってる!

検体のやつ持ってる……!

2個!!!!

左鼻にインフルエンザの検査棒を

右鼻にコロナウイルスの検査棒をぐりぐりされます

インフルエンザのやつは、コロナ用のものに比べて少し細いという豆知識を喋るお医者さんをよそに、人生最も抵抗したんじゃないかという決死の抵抗を見せます

麻酔なしで歯を抜いた時も、極太注射を打たれた0歳2か月の時も泣かなかったという私が

アラサーを手前にして涙をたたえながらジタバタと大暴れ

「ン”ン”―!!!!痛い痛い痛い!!!!アァアァアァァァア!!」

と、本当に病気か?と疑いたくなるくらいにのたうち回ります

そして、10分後

「お入りください」

は?

あんなに熱が出たのに?

あんなにぐりぐりやられたのに?

先生「うん。どっちも陰性だったよ。ただの風邪だね。リンパも腫れてない。物凄~く赤いけど。鎮痛剤飲めば大丈夫だから。お大事に~」

家に帰り、鎮痛剤を服用しました

完全にただの風邪(激重)だったようで、鎮痛剤が効いてくると嘘のように体が楽になりました

そして、疲れ果てて寝ていると

「○○!!!〇〇をよろしくお願いいたします!」

家の前を通過するのは選挙カー

統一地方選のシーズン。家の周りではひっきりなしに大音量で名前が連呼されます

こちとら熱があって頭も痛いのに、この仕打ち

私が赤ちゃんだったら、1時間は泣き通しになっていたことでしょう

お前には絶対票を入れてやらん

と決意を新たに、無理やり布団にもぐりました

21日

三日目には微熱ながらも体調はやや良くなりました

ただ、私としては3日も熱が続くことなどほとんどなかったので、精神的にかなり狼狽し、疲れ果ててしまいました

そして、風邪あるある

やや治りかけになってくると、今度は寝られないんです

大フィーバー中は解熱剤の力でぐっすり眠れるのですが、やや回復してくると、普通に寝られない

これが結構精神的につらいものがあります

22日

熱が下がり、のどの痛みも軽くなってきました

ようやく終わった……と思ったのもつかの間

「コホ……」

せきが出ます

「ゲホ、ゲホゲェッホ!エッホ!!ゲッホゲホゲホ!!!イーーーー!!!!」

止まらない

せきが止まらん!

のどが痛いときは何ともなかったのに!

と、これが2日続きます

26日

ようやくせきも引きました

やっと……やっとだ……

風邪との長い戦いが終わり、ようやく完治……

「---ザーーー」

え?

「ーーーザーーー」

み……耳鳴り!!!!

もう勘弁してくれぇ~~~~~

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と、いうわけで、約2週間近く、床に伏していました

ただの風邪で

ただの風邪で!!!


本当にきつかった……

これが、インフルエンザならまだ少し楽なんです。特効薬がありますからね

また、コロナウイルスならあきらめもつきます

ですが、今回はただの風邪

信じられないくらい熱が出てしんどかったのに、ただの風邪です

しかも、今回は質が悪いことに、症状が一個づつ順番に、三日交代くらいで襲ってきました

熱、のど、せき、耳鳴り(頭痛)と、ずーーーっとすっきり治らないまま、それもまあまあの重みでやってきました

今はもうすっかり元気なのですが、久しぶりに本当にしんどかった……

と、いうわけで今回はこの辺にしておきます

徐々に更新ペースも戻していこうと思います

その際はまたよろしくお願いします

では、皆様も体に気を付けて下さい


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