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プロが選ぶ 唸った食品パッケージとは。

こんにちは。グンゼの前原です。
プラスチックフィルムを製造しているグンゼで培った経験を活用して、
noteでは 食品パッケージに関する雑学や豆知識を提供しています。

6月に突入し、梅雨シーズン到来。そして私のうねうね髪も襲来。
くせっ毛には辛い時期がやって参りました。

さて今回のテーマは「プロが選ぶ唸ったパッケージ」です。
長いことパッケージ業界に身を置いてますが、こりゃうまいこと考えたな、というのを厳選(5点)してみました。

①日本コカ·コーラ株式会社「名前入りラベル」

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2014年頃に発売されたコーラの「名前入りラベル」。これは驚きました。
通常このようなパッケージラベルは全て同じデザインのものが大量に印刷され、ボトルに装着して流通します。
商品によっては数種類のデザインがあったりもしますが、この時は何百通りの名前がデザインされました。
通常 グラビア印刷という固定のハンコにインキをくっつけてフィルムに転写するような手法を使いますが、この時はデジタル印刷という入力したデータに沿ってインキを転写するという手法が取られました。(ハンコは固定ですが、データであれば変幻自在に変更可能)
パッケージ業界というのは大量生産が前提となっていますが、その裏を突いた戦略で当時話題になったのを覚えてます。
何を隠そう私も「SHIHO」というボトルを探しに探しましたよ(笑)
コカコーラさんはリボンラベル等、遊び心がありますね!

②日本ネスレ株式会社「キットカット紙パッケージ」

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2019年、ロングセラーのキットカットが紙パッケージになりました。
環境配慮が目的ですが、折り紙にできるというのも紙効果としてPRされています。『きっと勝つ』とかイメージ戦略がうまいですよね。
当初、「いやいや、紙って言ったって どうせプラスチックとの組み合わせだろ~」と商品を買いましたが、正真正銘の紙でびっくり。

例えば皆さんがいう紙パックというのも、決して紙だけではできておらず
内側にはポリエチレンというプラスチックが貼られています。
これは組み立てる時にシールすることと、耐水性や強度UPが目的です。

実際キットカットを破ってみると 本当に紙しかなかったので脱帽でした。

③キッコーマン㈱「しぼりたて生醤油ボトル」

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2012年、「いつでも新鮮。」をキャッチコピーに 醤油の新ボトルが登場。
ヤマサ醤油の『鮮度の一滴』を皮切りに、各社 醤油の鮮度保持競争が激化。
それ以降、調味料売り場はこのような鮮度保持ボトルが大半を占めるようになりましたね。
何が凄いってこれ外側のラベルを剥がして中身を覗き見て貰ったら分かりますが、二重構造になっていて、醤油の入った内側の袋?のようなものが中身が減ることでどんどん萎んでいくので、中に酸素が入らない仕組みになっています。
当時キッコーマン技術の方の講演をお聞きしましたが、よく考えられた設計に脱帽でした。もう普通のボトルには戻れません…。

④セブンイレブンPB 「とみ田冷凍つけめん」

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2019年に話題になりましたが、今でも売ってるんでしょうか?
ここ数年で冷凍麺のクオリティが驚くほど上がってましたが、
これはパッケージに一工夫。
麺とつゆが別々のパッケージに入ってますが、なんと麺の方のパッケージには穴が空いてまして、レンチン後に水を入れるとまあ不思議。
水切りができるという…これで麺のもちもちさがUP!美味しかった!
このパッケージを考え人は恐らく「洗い物がしたくない」私のような思考の人間でしょう。ふふふ。

最後は、

⑤マルハニチロ㈱「そのまんま皿になるWildish」

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2019年に発売したWildishシリーズ。
その名の通り、食べたい時にそのまま食べれる、ワイルドだろ~と言わんばかりの商品。開封したらお皿になるので移し替える必要がありません。
④と同じで ずぼら(ゲフンゲフン な私にぴったり。
ただぶっちゃけ食べる前は、「このまま食べるのはなぁ」とちょっと抵抗ありました。正直。ただ食べると一瞬で吹き飛びます。全然問題なし。
そして美味い←これ重要。
特に若年層の方は パッケージのまま食べることに抵抗が少ないみたいで、当社でもヒアリングした所、結構年齢によって印象が異なりました。


如何でしたか。
なるほどと思う商品もあれば、プロ目線でみるとそう思うんだ、と
思われた方もいらっしゃるかもしれません。
今回厳選しましたが、驚くようなパッケージの工夫はまだ沢山あります!
外側のパッケージは残念ながら食べ物を食べたら捨てるしかありませんが、
商品を買ってもらうための遊び心や 利便性追求のために趣向を凝らしたものが多いんですよ。

ではまた!


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