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身近なアレを数学で説明してみるを友人の視点で書評してみた

この本は数学の視点で書いたトリビアの泉だ。

あの「へぇ」と鳴るボタンがもしあれば、僕はかなりの数を積み重ねているだろう。普通の人は疑問にすら思わない事、疑問に思いつつも答えまでは求めようとはしないだろう事を、数学的にとても丁寧に分かりやすく説明してくれている。

例えば第2章の「141.4%」などと中途半端なコピー機の拡大倍率には理由があるや、第6章のチロルチョコが大きくなって20円になったのにはワケがあるはなどは本当にトリビア的だが、住宅ローンの支払い総額、ちゃんと把握してますか?や頻繁に車線変更して追い越しする「ジグザグ運転」はコスパ最悪などは知っていれば役立つ事も書いている。

また、平方根(ルート)、三平方の定理、2次関数、微分積分など聞いただけで拒否反応が起きそうなワードも、身近な例と結び付けて解説してくれているため、前のめりで向き合うことができる。中学、高校の時の先生もこうやって教えてくれたら僕も数学嫌いにはなってなかっただろうと思う。

そしてこの本を通して著者が言いたい事は、苦手だと思っていたことも自分が得意な事や身近な事に置き換え、視点を変えて学べば楽しみに変えることが出来るという事を願うものである。

ここからは著者である佐々木淳氏について少し語ろうと思う。

彼とは僕が小学校3年生の時に転校生として入った時からの友人だ。同じそろばん塾に通っていたこともあり、すぐに仲良くなった。お互いゲームが好き過ぎてどちらかの家(8割は彼の家)で日が暮れるまでゲームに明け暮れていた。特にはまったのは、くにお君のドッチボール、サッカー、アイスホッケー、大運動会だ。二人ともやり込み過ぎて大会でもあろうものならそこそこ上位まで食い込んでたに違いない。

ドラクエやファイナルファンタジーも彼はかなりやり込み過ぎて、自分の頭の中で独自のロールプレイングゲームを作っていたほどだ。どういう事かというと彼がシナリオを作り主人公、仲間、敵キャラを作り、そして自身がファミコンとなりマップ作り敵を出現させ、闘し与えたダメージの計算もした。僕が主人公としてプレイヤーだった。ほぼ毎日一緒に帰っていたがそのゲームを少しずつ進めていくのがとても楽しかった。今思うとすごい想像力だし、暗算力がないと出来ない事だ。

そろばん教室の話にもどると、実際に先生が読み上げたりプリントに書いてある数をそろばんを使って計算するのは最終的に同じくらいのレベルだったが、彼はそろばんを使わないで計算する暗算の能力がけた外れに飛びぬけていた。僕は一度も勝てたことがないし、通っていた塾でも間違いなく1番だった。

彼が数学にのめり込んでいったのは、おそらくこういった背景があるからだと思う。この本のあとがきで中学、高校、大学と受験に失敗してきたと書いているが、彼と遊ぶのが楽しすぎて勉強しないといけないのに誘い過ぎてしまったことはたまに思い出してそのたび後悔する。本当に申し訳ない。中学に入ってからは僕のしつこい誘いも断り、本当に勉強していた。中3になってからは数学以外の教科でもまったく敵わなくなってしまった。

本当に地道な努力が出来る人で事務官での3級賞詞の受賞をされたとの事ですがそういった数々の努力を評価してもらえたという事でとても嬉しく思います。

そんな彼が誠意に作り上げたこの本を是非手に取っていただけたら幸いです。



身近なアレを数学で説明してみる
サイエンス・アイ新書
海上自衛隊数学教官 佐々木 淳





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