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[gururi note] ふわふわと揺れる糸に

思った以上に長くなってしまった前回のnoteの続きを。書こうと思っていたことの半分しか書けなかったので。2022年の振り返りです。(もう3月だけど)

この時期になると、毎朝、お店に向かう道中にある小学校の桜の木をついぽやーっと見上げてしまいます。まだまだ寒い日が続いていても、着実に少しずつ膨らんでいく蕾がたくさん枝先に。冬になり葉が落ちて、寒そうな枝になってしまっても、毎年必ずこうやってぽつぽつ小さな蕾をつける木を見ていると、わたしもしゃんとしないとな、という気持ちになってきます。


改めて気付かされる1年

2022年は「改めて気付かされる1年」でした。

時間を作ることの大切さ。大事な人との大事な時間を守っていくこと。(前回の「変わらぬこと、変えられること」)

おそらく、オープンしてから無我夢中で歩いてきた(走って、というよりも、歩く、が自分たちに合ってるし、そうだなと思う)ことで道中気づかなかったことに、気持ちの上でも歩く速度や方法にも少し余裕を持てるようになった2022年、改めて気付かされたのだと思います。

そしてそれは、”健やかさ“についてもしかり、です。

体調を崩して

2020年3月にgururiを始めてから2年半程ずっと、わたわたと忙しい時も全くの健康体で、自分たちの体調でお店をお休みするということは一切なかったのですが、2022年は、わたしもカズさんも、ふたりとも体調を崩してそれぞれ2週間程度お休みすることになってしまいました。

高い熱や怠さももちろんしんどかったのはしんどかったのですが、何より一番堪えたのは、予約をいただいていた方にお断りの連絡を入れなくてはならなくなったこと、長期にわたってお店をお休みしなければならなくなったこと。

当たり前だけど、自営業は自分たちが体調を崩して止まれば、お店も止まってしまう。それを現実として目の当たりにした、そんな出来事でした。

こういうときって、熱でぼーっとしているはずなのに、フル回転で色々なことを考えてしまうんですよね。復帰後のことや、将来のこと、過去のことまで。


健やかであること

わたしは以前、gururiを始めるずっと前、当時就いていた仕事中に突然ぐらぐらとした目眩に襲われ、そのまま数ヶ月ほぼ起きれず過ごしたことがあります。

それまで何の予兆もなくて突然のことだったので、自分でも原因がわからず「何だ何だ?」となったのですが、行った先の病院で診察を受けていた時、涙が止まらなくなってしまって、お医者さんをおろおろさせてしまいました。

診断名はなんだか長い名前だったような(記憶が曖昧)…ただ、はっきり覚えているのは、先生が診察後に言った「頑張りすぎやね。限界だったんじゃないかな」で、それまで自分でも気づかず張り詰めていた糸がぷつりと切れた感覚がしたこと。そこからしばらく涙が止まらず、見かねた先生が休職を勧めてくれました。

そこから数ヶ月。ぐるぐるゆっくりと回る天井を眺めながら、何もする気が起きず、ただただ横になって過ごす、という毎日。結局仕事復帰は難しく、そのまま退職することになり、当時、カズさんにも家族にも本当に心配をかけてしまいました。(本当に申し訳なかった…)

そんなことがあったこともあって、「健やかである」ということの大切さを嫌と言うほどわかっていたはずなのに、2022年、無我夢中さにかまけて、自分たちの健やかさを蔑ろにしていたのかも、と、ふたりの立て続けの体調不良で改めて気付かされました。


ふわふわ揺れる糸

立て続けの体調不良。ただ、あの天井ぐるぐるの時期と違っていたのは、心はとてもとても健やかでいられたということ。

予約をいただいていた方にお断りの連絡をした時、「大丈夫ですか?お気になさらずゆっくり休んでくださいね」「再開を楽しみに待っていますね」と泣きたくなるほどの言葉をいただいたり。

「食べれてる?大丈夫?」とわざわざ差し入れをくださったり。

体調が戻り、お店を再開した時「しんどかったでしょー?元気になって良かった」と沢山声をかけていただいたり。

どれもこれも、gururiに来てくださっている方々からの、あったかい、本当にあったかい思いばかりで。

そのお陰で、わたしたちの糸は、ぴんと張り詰めるどころか、ふわふわと気持ちよさそうに風に揺れているくらい、心が本当に穏やかで健やかでいられました。

gururiとして

日々過ごしていると、どうしたって、悩むことも考えることも、くさくさしてしまうことも、沢山あります。人間だから。いつでもどこでも常に穏やかで健やかでいることは難しい。

だけど、最終的に、自分たちの糸を張り詰めてしまうことなくふわふわとたゆたせていられているのは、gururiに来てくださる方々のあったかい思いを常々感じているからです。これははっきりとわかる。

 むしろ、言葉を交わしていなくても、gururiでゆったり過ごしてくださっている後ろ姿を眺めるだけで、どんなにくさくさしていても、自分たちの中の糸が、ふわっと緩むんです。

もちろん、最低限の体の健やかさを保つ努力は必要。(これは絶対)

でも、心の健やかさを失うことで体の健やかさを脅かして天井がぐるぐる回ってしまうようなことは、もうこの先ないだろうなと確信しています。

これって本当にすごいこと。有難すぎる場所に、自分たちがいる。

だからこそ、gururiとしてわたしたちは、来てくださる方々の糸がふわっと緩まるような空間を、時間を、作って守っていきたい。

これまでも思ってきたけれど、2022年改めて気付かされて尚、その思いは大きくなった気がします。

慌ただしい毎日に、ほっとするひとときを。

穏やかで緩やかな場所を、ほっとするひとときを、守っていく。

これが、改めて、2023年の(むしろ今後ずっとの)のもうひとつの目標です。

いつ来ても変わらない場所でありたい。そう思います。

あとがき

やっと書き終えた2022年の振り返り、と、2023年の抱負。

3年目が終わり、4年目に入るこのタイミングでどうしても書き残しておきたかったので、書き終えられてよかった…。

2023年3月18日で、gururiは3周年。今日から4年目突入です。

これからも、どうぞどうぞよろしくお願いします。

しーでした。


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