20代男性、明大卒、大手印刷会社勤務。絵に描いたエリートコース、順風満帆な人生に見える。社会の荒波に飛び込んでみて感じた理想と現実のギャップに、多くの20代男性が自分の姿と重ねる。そんなリアルな人物が主人公だった。 理想と現実にとまどい 「社会人編に突入した僕の人生は、半ば妥協して手に入れた自分相応の夢から、さらに転落するように下降の一部を辿っていた。」(p.70) 配属されたのは、企画部ではなく、総務部。クリエイティブな仕事を望んでいたが、実際は、”その他すべて”を
「オェッ」。7月のある平日の朝、いつものように朝ご飯を食べていた。口に入れたのはいいものの、素直に飲み込めない。「ちゃんと食べなきゃ」。えずきながら食べていた。無理をしているとすらも気付かずに。明らかにその時、仕事やその他様々な影響からか、食欲不振の兆候が出ていた。 周囲の薦めもあり、8月半ば、病院で診察とカウンセリングを受けた。その日の受診だけでなく、いまも継続してカウンセリングを受けている心理士の方から、これまでにいくつものアドバイスをもらった。その中でハッと思わ
先日、sentence主催のイベント「編集者・ライターキャリアの未来をともに考える」に参加した。僕は現在、ライターや編集の仕事をしていないが、登壇された2人のお話から、自身のキャリアや仕事への向き合い方のヒントを得られたと感じている。 いまの仕事ってもしかしたらライターにつながる? 1つ目は、モリジュンヤさんから「ライターの職能を因数分解していって、自分がどこに強みを持てるか考えてみると、キャリアは拡張する」とあった。分解してみると、企画力、リサーチ力、取材力、文章力
空気を読むって?「空気を読む」。空気に何か書かれている?そんなわけはないが、ほとんどの人は空気を読むことはできるだろう。周りの目を気にして空気を読むために、自分を抑える。どこか息苦しい、自分らしさを出せない、そのような経験を誰しも一度や二度はしたことがあるだろう。 世間は日本だけにある考え 『「空気」を読んでも従わない -生き苦しさからラクになる-』(鴻上尚史著、岩波ジュニア新書)では、世間と社会の違いを歴史的、文化的な視点から分析して記されている。世間とは自分たちと関
何度も読みたくなる文章、文章の基礎を学ぶという目標を立てて、もくもくライティングに参加した。これまで自分の感覚で書いていた文章を、第三者の目でチェックをしてもらい、アドバイスをもらうという経験は、新鮮だった。文章の基礎を学ぶという点で、2冊の本と出会った。1冊目は、『新しい文章力の教室』。文章は完読されるもの、構成を考える大切さを学べた。2冊目は、『3行しか書けない人のための文章教室』。自分の中で課題だった、文章の膨らませ方のイロハを知ることができた。 第2週、第3
手にはスマホ、耳にはイヤホン。電車に乗りながら、スマホをいじる。LINEにインスタ、ヤフーニュース。よくある日常のワンシーンだ。 服を脱ぎ、すべての荷物をロッカーにしまう。身に着けたのはロッカーのカギだけ。開放感のある浴室に入ると、時間の流れはどこかゆったり。聞こえてくるのは、お湯がザーッと流れる音。目に入ってくるのは、思い思いにくつろいでいる表情。スマホからちょっと離れられるひと時が始まった。 炭酸風呂に水風呂、薬湯に水風呂…。温かい風呂のあとに入る水風呂、