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運のいい人とは

運転しているときに、青信号が続いたり、スーパーのレジに並んだときに自分の列だけがスルスルと進んだり、ふとしたことで私たちは「運がいい!」と思ったりします。
運=幸福といってもいいかもしれませんね。
どうしたら運が良くなるのか、運を味方につけることができるのか?というとスピリチュアルな話のような気がしますが、今回はこの「運」について、科学的にアプローチした話を紹介したいと思います。

まず今回の話における「運がいい」の定義は、
「誰にでも公平に降り注ぐ運を、より多くキャッチできる人」です。
それを踏まえたうえで、運がいい人の3つポイントは次のとおりです。

1)自分は運がいいと信じ込むこと
私たちの身の回りには、運・不運が無数にあります。
例えば、あなたがいつも通勤に使っている道に100万円入った封筒が落ちていたとします。でもその日に限って早起きをしたから一駅分歩こうと思い、違う道を通り、それを見逃したとします。
このことで運を逃したといえるのですが、あなたは運を逃したという認識はありません。
つまり、私たちは実際に遭遇した目に見える運、不運だけに着目して運がいい、運が悪いと言ってしまいますが、その向こう側には何倍、何十倍もの自覚しない運、不運があります。
それを含めれば、誰にでも公平に運は降り注いでいるんですね。

次に、日本に生まれたこと、を考えてみましょう。
日本は世界的にみても非常に安全な国だと言われています。また、水道水が普通に飲める国は世界的で15か国しかありません。(世界の約7.7%)
そう考えると、日本に生まれたことは運がいい、と思いませんか?
運がいい=幸福だとすると、「自分は運がいいと決めつけてしまうこと」で、脳は幸福を感じることができます。そこに根拠はいりません。

この認識は行動を左右します。
たとえば、自分は運がいいと思っている人が仕事で契約が取れなかったとします。
すると「自分は運がいいのに契約が取れなかった。なにか準備の段階で自分にミスがあったのかもしれない。」などと考え、運以外の行動を変えようとします。
しかし、運が悪いと思っている人は、「自分は運が悪いから。」で終わってしまいます。
運がいいと思っている人には努力の余地が生まれますが、運が悪いと思っている人にはその余地が生まれないんですね。

2)運がいい人はゲームを降りない
運がいい人の最大の特徴は、ゲームを降りないことです。
私たちは生きていく上で受験、就職、家庭などあらゆるゲームに参戦しているともいえます。
ハリーポッターの著者 JKローリングさんは今では世界中の人が知る有名な作家ですが、第一弾を書いたときには無名でした。12社の出版社から断られたそうです。
もちろん彼女に才能があったことも要因ですが、もし途中でゲームを降りてしまったら今の成功はありませんでした。
人々に降り注ぐ運の数が公平なのだとすれば、続けることで運をつかむ確率が上がります。だから途中でゲームを降りないことが大切なんですね。
ある物事について、99%の人が継続できないとしたら、あなたは続けるだけで1%の人になれます。

3)運がいい人がとる行動
具体的にどのような努力をする人が運をつかむ人になれるのでしょうか。
それは、自分の利益はひとまず脇に置いておいて、他人の利益になるような行動を取れる人だといいます。
京都大学の藤井聡教授は「他人に配慮できる人は運がよい」と言っています。
人が心の奥底で何に焦点を当てているか?という心理学上の研究を行った結果、「配慮範囲が広い人ほど運がいい」という結論を導き出したそうです。
ここでいう配慮範囲とは、自分を原点にして社会的・心理的距離の範囲と時間のことです。
たとえば家族や恋人は近く、会社の同僚、知り合いなど、だんだん遠くなっていきます。
時間というのは、それらの人たちの将来まで考えられるかどうか?です。
自分のことばかり考え目先の損得にしか関心がない人は配慮範囲の狭い人です。
逆に配慮範囲の広い人は、良い人間関係を持続的に築くことができ、それが運の良さにつながってくるのだそうです。
自分のことばかりだけではなく家族や友人を思いやること、さらには会社の同僚や部下上司、近所の人、自分の国だけでなく世界中に住む人のことを想うこと、同時に彼らの遠い将来まで心を配ることが運をよくする秘訣なのだそうです。
ビジネスの世界でも、自己利益とともに他者利益にも関心を払える人が成功するともいわれますね。
利他行動をとることによって、人の脳の報酬系が刺激され、良いことがたくさん起きることも知られています。報酬系が刺激されるとナチュラルキラー細胞が活発になり、病気も予防されます。
また、人は相手に喜んでもらえたとき、脳内のミラーニューロンの働きによって相手の喜びを自分の喜びのように感じているといわれています。

最初は運がいい人になるためであってもいいので、周りの人のためになる行動をとり、利己的な行動を控えていくことで、いつの間にか心が変わって、見える景色も変わってくるのではないでしょうか。

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