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マーケティング4.0

今回は、近代マーケティングの父と称されることも多い、フィリップ・コトラー教授の著書『マーケティング4.0』から、マーケティングの4段階の変化について紹介したいと思います。

まず、マーケティングの定義をざっくり言うと、「商品やサービスの情報を顧客に届け、その価値を感じてもらうようにすること」だといえます。
さらに、ピーター・ドラッカーは、「マーケティングの理想は、販売を不要にするような仕組みをつくるものである。」とも言っています。

コトラー教授いわく、マーケティングは4つの段階を辿っているとされています。
1)生産主導のマーケティング(1.0)
製品をいかに販売するか。顧客の欲しいモノではなく、作り手側が考えて提案することがベース。
2)顧客志向のマーケティング(2.0)
顧客が欲しいモノをキャッチし、必要とされるものをどうつくるか。
3)価値主導・人間中心のマーケティング(3.0)
機能だけでなく、精神的な満足感を追求。製品のイメージや価値、企業文化の向上。
4)顧客の自己実現を目指すマーケティング(4.0)
顧客の「自己実現欲」(人が潜在的に持っているものを開花させて、自分がなり得るものになり切りたいと感じる欲求)を満たすマーケティング。
これはマズローの欲求5段階説で言うところの最上段「自己実現欲求」を満たすことと同意です。

顧客の自己実現を目指す、というのが少しイメージしにくいと思います。
たとえば、ナイキは世界のトップアスリートたちに自社製品を使ってもらうことで、顧客に「ナイキ製品は名だたるアスリートが使う素晴らしいモノだ!」という価値観を抱かせることに成功しています。
ナイキの製品を使うことで「自分もあのアスリートのように!」という自己実現に貢献しているんですね。
また、エナジードリンクのレッドブルは「レッドブル、翼をさずける」というキャッチコピーが有名です。様々なソーシャルメディアを使ってはいますが、レッドブルという商品自体の宣伝があまり出てきません。優れたテクニックやパフォーマンスを魅せるアーティストやアスリートを見せることで、そのイメージとレッドブルが結びつきます。つまり、喉の渇きを潤すためのものではなく、理想の自分になるための飲み物というイメージをPRしています。

「自己実現」というテーマで自社商品、サービスは何を訴えかけることができるか。それを考えてみるのも面白いですね。

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