オキナワンロックドリフターvol.5

二次会に誘われたものの、沖縄料理店の常連客、北九州の財界人ばかりの中、完全なアウェイ状態の私。
円形のテーブルに盛られた料理を見ながらぼけーっとするしかなかった。
すると、主宰とチビさん、チビさんのマネージャーさん、そしてマネージャーさんと共にチビさんの傍らにいたテンガロンハットの女性が現れると拍手と指笛が二次会会場を包んだ。
チビさんとマネージャーさんが私の顔を一瞥し、「あ!さっきの」と微笑みかけてくださった。
主宰の乾杯の音頭と同時に歓談が始まった。チビさんはテーブルに並べられた、焼きそばやサンドイッチ、チキンバスケットやフルーツを吸い込むように腹に収めていく。その食欲にひきつっているとマネージャーさんから「すごいでしょー、チビ、アトラクションまでほとんど食べていなかったから」と補足された。
チビさんの食べ進める手と口が止まると財界人の方々がチビさんに話し掛けられたので、私は手持ちぶさたでちょびちょびとオリオンビールを啜り、フライドポテトを口に放りこんだ。
所在なさと退屈が顔にはっきり出ていたのだろうか、見かねたマネージャーさんとテンガロンさんが私に話しかけてくださった。

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