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「遊学」という生き方に出会って。

あてもないのに今の仕事を始めて4年目、疫病が世界を席巻し始めて3年目。振り返れば無謀としか思えない生き方にもかかわらず、この期間で大切な友人が何人もでき、以前にも増してよく笑うようになった。暗い井戸の底にいた4年前の自分に会えるなら、「お前の人生はこれからだ」と伝えたい。

大きなきっかけは2020年夏。当時まだ一度しか会ったことのなかった友人の亮祐(@lush_forest630)から「一緒にキャンプしようよ」と連絡が来た。外出を控えることにも限界が迫っていたため向かってみると、そこは岐阜県恵那市 笠置山の山頂にある、「望郷の森」というキャンプ場だった。

標高約1,000mで過ごす、自分たちだけしかいない4泊5日。その名は「遊学キャンプ」「あそぶ、まなぶ、いきる」というコンセプトとほぼ白紙のスケジュールだけ伝えられて、開催の挨拶や司会進行などほったらかしのまま、着いて早々遊びが始まる。

笠置山はボルダリングの聖地。見たこともないような大きさの岩がゴロゴロ転がっていて、やっとの思いで登りきった巨石が初級者向けだと知って驚く。思うように身体は動かないし、思うように岩はつくられてはいない。初めてのボルダリングは文字通り高い壁だった。

山の麓を流れる木曽川では、カヤックやSUPで思い思いに流れた。のんびりぷかぷか浮かぶ人、スピード勝負をする人、川の中へ落とし合う人。気付けば参加者同士打ち解けあっていて、気付けば一日も終わりに近づいていく。

木曽川沿いには、今では大好きな場所の一つとなった「庭文庫」さんがある。時が止まったような穏やかな空間に、木曽川から吹く心地良い風が流れ込んで、言葉が全身に染み渡る。伺うたびに、その時の自分が知らず識らず求めていた本に自然と出会えてしまうから不思議だ。

日が暮れるまで遊ぶ。日が暮れても遊ぶ。夕飯当番を賭けたドッヂビー対決は、長引き過ぎて暗闇の中行われた。子どもの頃は毎日こんなだったろうかと思い返してみたが、子どもの頃よりも真剣に遊び呆けているような気もした。"今日"が、"今日"のためだけにあること、それが久しぶりだった。

こうして初開催の「遊学キャンプ」は幕を閉じたが、参加者のみんなとは今でも遊んだり連絡を取ったりする仲だ。あの5日間と、その時間を共にしたみんなとの出会いはとても大切な宝物。

その後、自分の仕事の内容や割合を見直し、生き方が少しずつ大きく変わり始めた。何よりも「楽しい」方へ。

どこでも誰とでも、遊学はつづく

2020年秋に同じく望郷の森で開催された「第2回遊学キャンプ」からは、カメラマンとしてスタッフチームに加わり、いろんな出会いや体験を一番近くで見届けさせていただいている。

遊学スタッフチーム

2020年度 冬の遊学は、長野県長野市の戸隠神社敷地内をテレマークスキーでクロスカントリー体験。

2021年度 春の遊学は、静岡県下田市の伊豆白浜でサーフィン体験と、コテージ「ヴィラ白浜」 での海暮らし。

2021年度 秋の遊学は、山形県鮭川村で鮭の溯上見学と保存食(ようのじんぎり)づくり体験。

2022年度 夏休みの高校生対象の"鵜飼の遊学"は、岐阜県岐阜市で鵜飼鑑賞と川遊び・川暮らし。

多様な企画も、全ては「遊学」という言葉に行き着く。遊学の本来の意味は、「故郷を離れ、よその土地や国へ行って、そこから学ぶこと」。同時に、読んで字の如く「遊びの中に学びがあり、学びの中に遊びがある」と僕は思っている。

遊びは、楽しさであり、余白であり、自由になれる時間・空間。そして学びは新たな遊びと自由をもたらす。けれど、難しいことを考えなくとも、人はひとたび遊び始めれば気付けば夢中になっていることを、この2年間で学んだ。遊ぶことはただただ楽しくて、幸せなことだ。

そして振り返れば、見える景色が変わっている。

"鵜飼の遊学"スタッフチーム

2022年9月・10月、「望郷の森」にて遊学開催

今年の夏、そして秋も、岐阜県恵那市「望郷の森」を舞台に遊学キャンプを開催します。

ゆったり「夏の遊学キャンプ」
日時:2022年9月5日(月)〜9月9日(金)【4泊5日】
・参加費:60,000円(別途食費)

ふらっと「秋の遊学キャンプ」
・日時:2022年10月8日(土)〜10月10日(月・祝)【2泊3日】
・参加費:50,000円(別途食費)

人との出会いだけでなく、自分の新たな一面や、自分の日常にはないものとの出会いにも溢れた日々になると思います。一緒に遊んでくださる方のご参加をお待ちしてます!

夏の遊学で収穫のお手伝いをさせていただく「おかさげ農園」さん

▽遊学キャンプ YouTubeチャンネル


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