DLLAB2周年イベントに参加しました。#Granvalley

1.はじめに

みなさん、初めまして。
volante@GVです。

現在私はグランバレイで人工知能・機械学習領域のマネージャをしています。当社では日々、機械学習案件に取り組んでおりますが、お客様に価値を提供し続けるためにはたゆまぬ努力が必要と、私は考えています。
 
最新の技術やビジネス導入事例に触れることもその一環であり、今回、AIコンサルティンググループ3名(GDTY、さとぽよと私)で「DLLAB2周年記念イベント」に参加しました。今回の記事では、その時の模様と私が感じたことをお伝えいたします。

2.DLLABとは

日本マイクロソフト社とPreferred Networks社が中心となって立ち上げた
ディープラーニングの社会実装を推進するための共創コミュニティです。
https://dllab.connpass.com/

3.DLLAB2周年記念イベントとは

2019年6月にコミュニティ創設2周年を迎えるのを記念したイベントが東京・大手町で開かれました。土曜開催ということもあり、メディアや関係者含め600名あまりの人が集まりました。11時よりゲストを招いた基調講演、午後からはディープラーニング、機械学習に取り組む企業のビジネス事例を中心としたセッションが複数開催されました。
 また、セッションと並行してディープラーニング用ライブラリ「Chainer」を使ったハンズオンやその他ワークショップも開かれていました。

私は1年前まで大阪にある西日本支社に所属しておりました。大阪は大都市ではありますが、東京に比べるとまだまだ機械学習系のイベント回数が少なく、「参加したくても参加しづらい」歯がゆい思いをしておりました。本社所属となって迎えた今回、晴れて記念イベントに現地参加できることとなりました。

セッション全体について
今回のイベントのメインテーマが「ディープラーニングの社会実装を阻むものは何か」ということもあり、ディープラーニング・機械学習技術のビジネス適用事例における難しさ(一般的なITシステム構築プロジェクトとの比較)や課題、プロジェクトの進め方、人材育成に関する話題が中心でした。

4.印象に残ったセッション

 基調講演 (東京大学 松尾豊先生)

・ディープラーニングはインターネット、ラジオやテレビ、エンジンと同じような技術。
 ⇒ビジネスとして成立するまでに時間が必要
・ディープラーニングが技術発展した時代にはマーケティングによる差別化、共感を想起させるストーリー性が重要になる
・DL以外の技術が発展することによって適用範囲が広がる
  ・エレベータができた当時
   ⇒1階から2階にあがれるだけ
   ⇒なくてもよいのでは?
  ・高層ビルの建設ラッシュ
   ⇒エレベータが不可欠のものになる
・優位性がなくなる
・最終顧客の付加価値

ディープラーニング技術の社会実装にはまだ時間がかかるとの見方をされていました。また、「顧客に価値を提供しつつ利益を生みだすことが重要」という、きわめて道理にかなうお話を聞き、PoC(Proof Of Concept:概念実証)に行き着くことも容易くはない現実を前に考えを新たにする必要性を感じました。

『Deep Learningは実用段階に。PoCを乗り越えてビジネスで使われるためのノウハウ』(株式会社Ridge-i 代表取締役 柳原さん)

発表スライドはこちら

・機械学習について知っているだけではダメ、システム開発の知識も必要
・ライブラリを利用するのみならず、論文実装や改良、必要であれば論文発表できるぐらいの力量が求められる。
・アノテーションの大変さ、アノテーションにかける意気込み、突き抜けられるか
・ITシステム開発を進める中でやっていることはAIプロジェクトでも当たり前にやる

今回のカンファレス全体を通してスピーカーが伝えたようとしていることをコンパクトに全てまとめた、非常にためになる内容でした。

PoCを始めるにあたって重要な顧客側、特に経営層のAIに対する理解度の向上に始まり、評価指標の早期の設定、顧客側といかにチームの一員として取り組めるかどうか等は私たちが日々、業務で痛感していることです。特に印象に残ったのは、アノテーション(教師データ作成)に対する情熱・こだわりでした。ディープラーニングの社会実装、人間と同等もしくは人間を上回る精度は地道なアノテーションに支えられていることを改めて実感するお話でした。

イベントに参加して感じたこと、気持ちを新たにしたこと

ビジネス適用を進める上ではディープラーニング、機械学習そのものに関する知識のみならず、「インフラ構築の知識」「システム開発の知識」「IoTの知識」など、様々な知識・技術を持ち合わせる必要があることを再認識しました。

5.余談

(参加メンバーのうち、1名は夕方から別の勉強会に向かいました。恐るべしダブルヘッダー・・・。)


6.まとめ

参加メンバーの一人ひとりが日々の業務で感じていた課題について認識を合わせることができたこと、今後の方向性について意見交換できたことは休日を使ってイベントに参加したことに対する一番の収穫でした。

次回はディープラーニングと、最近「ふっ」と思いついたことを絡めてお話できればと考えています。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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