お仕事記録とボヤキ

自分の仕事の記録-マーチャンダイジング編

去年の春だったかな?ウチのチームのアーカイブを早い段階で商品化しようと言う話しになり、いくつかのモデルカーメーカーに話しを入れてみた。

一社はミニカーの世界的な工場をやっている会社のSPARK社。ここはフランス人がオーナーで当時、住んでいた家からこの会社までは徒歩で100歩足らずだった。

もう一社は悩んだ挙句、ウチが復活するまでの間、ウチの商品を懸命に展開していた会社であるSTUDIO27さんに持ち掛けた。

結果、現在、とても良い関係を築かせて頂いている。

その第一弾は昨年のマカオGPの時に発表されたSPARK社のセオドールコレクション4車種。そして第二弾はSTUDIO27さんに出して頂いたWOLF WR3だ。

SPARKさんはマカオGPの時、毎年エントランス近くにショップを展開している。世界的なメーカーにも関わらず社長が売り子をしている。根っからのエンスーを感じさせるその行動は"好きな事を仕事にして成功した楽しさ"溢れる笑顔と行動で見てる方も楽しくなり、いつも商品を眺め(最低1-2個は買い)、いつも集合に遅れる(笑)。

二年前だったか朝の出勤時の話し。パドックに向けてチームの幹部と一緒にお決まりの社長出勤をしているとSPARK社の社長であるヒューゴがいきなり声を掛けてきた。もとより顔見知りであったが『チームのシリーズ商品を作らせて!』と来た。

もちろん常々好印象を持っているメーカーだから、基本的にOKではあったけど、その当時、残念ながらこちらの体制が整っていなかった。その為に暫しのお時間を頂戴する事にした。

そして正式に契約して昨年のマカオGPの数日前に我がオフィスに新製品のサンプル品が届けられた。

パッケージのデザインまで一新してくれたそれは、自分たちのアーカイブを具現化した代表作の一つとなった。そしてそのクオリティの高いステージからこのプロジェクトがスタート出来る事を誇りに思う。

グランプリの当日。もうひとつの契約先であるSTUDIO27さんからも商品のサンプル品が贈呈された。

同社からは左側のWOLF WR3が先日発売された。キットを供給してくれたタミヤ等、本当に様々な会社や人が協力して立ち上がったプロジェクトだ。右のA・セナが世界に最初にその名を轟かせたマシンのキットは多分、今年のマカオGPの時の発売かな?と勝手(?)に思っている。

さてここからがお仕事の話し。

当然ながら我々はロイヤリティと言う商標権使用料をこれから各メーカーに求める。契約時に承認シールをメーカーに配布しているので、そのシールが1枚当たり"いくら"と契約。3ヵ月に一回、計算をして頂いて出荷(メーカーから売れた個数)×シールの枚数(=ロイヤリティ)=私たちの収益 と、なる。

他にも現在、ヒストリックレーシングカーのアパレルを展開しているイギリスの会社や日本の自動車の安全用品を出そうとしている商社からもありがたい申し出を頂いている。

もちろんリラックマやディズニー、キティちゃんなんかと比べると考えられないほど小さなマーケットだと思う。が、しかし、それでも世界のモータースポーツファンの中では圧倒的に有名なブランドだ。

最近、"自己のブランディング"と称してネットで一生懸命情報発信して自分の"信者"や自分に"お金を出してくれる"人の釣りが流行っている様だ(かな?)。

それはそれで新しい商売なのかもしれないが、どことなく売れないアイドルの"握手商法"みたいなものを感じる。

ネットをどう使おうがそれはその人の自由だが、そこを直接、金に換えようと思うと勢いその生命線の寿命は短くなり、情報発信する側は疲弊してくる。なぜなら発信する情報そのものがお金になるので、相当精度を上げるか、糞みたいなどうでも良い事を『どうでも良くない位、大切な事』と大嘘をコカなければならないからだ。すり減るか、嘘がばれるかのどっちかで、更に儲かったら儲かったで、日本の悪名高き税務署チャンから納めるべき金額の倍の納付を求められる。

中身が無い事をネット上でさも価値があるかの如く発信して一時は上手くいったものの、今ではメッキが剥がれ体制を維持できずに右往左往している人物を知っている。

ヒト・モノ・カネ・情報と時。

組み合わせが自由だが、しかし組み合わせをタイトにし過ぎると信じられない位、寿命が短い事は今までも様々なケースで露見されてきた。

この五つのファクターの中に直ぐに換金するのではなく、大切に育てなければならないモノがあると言う事を、若い人に学んでほしい。


モータースポーツに関わって30年。国際感覚は誰にも負けないと自負しております。国内外のモタスポに関する問題を常に提起していきます。