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2020年、備忘録

100年に一度のことを、100年後に伝える

いま小さな子どもたちは教科書で今年の出来事を知るんだろうと思いつつ、振り返ればパズルを設立して15年、教科書的トピックは他にもありました。

設立2年後の2008年にはリーマンショック。でも忙しすぎて何がショックだったかも覚えていない。。幸いなことに会社の業績へもさほど影響がありませんでした。つまり残念なことに、パズルにとっての教訓が何も残っていないのです。

2011年には東日本大震災。1000年に一度と言われてました。となると自分の子どもや孫世代でもあの出来事を目の当たりにすることは無いのかもしれない。東北地方には津波被害を警告する石碑があったのに過去の教訓が風化していたことも伝えられていました。

ただ、この時代に生きる人たちはそれぞれに多くの教訓を得たでしょう。それはパズルでも。ある日の午後に突然、社会の機能が止まって、仕事が止まる。帰宅困難で都市も脆さを目の当たりに。SNSでは情報が錯綜。1000年に一度ながら関東や東海地方に起こるかもしれない地震におびえる身としては、多くの教訓とその後の生活の変化がたくさんありました。

そして今年2020年のコロナ禍では、目に見えない恐怖との戦いを経験しました。パズルでは設立15周年とオリンピックイヤーが重なって祝福感の強い一年の始まりだった2020年1月、新型ウイルスのニュースがあったかと思うと取引先に感染者が出て次々とリモートワークが広がり。。

100年に一度と言われています。自分の子ども世代が長生きすればもう一度、もしパズルがうまくいっていれば100年後の後輩たちがまた、今年のように目に見えない恐怖と対峙するかもしれません。100年前のスペイン風邪は記録が少ないと聞きました。今年の記録は心配ないでしょうが、むしろ多すぎるかもしれません。そこで、一つの中小企業で起きたこと、経営者として悩んだことや決断したことをここにメモしておこうと思いました。後進にために、と言いながらも数年後の自分のためになるような気もしています。

リモートワークの始まり

パズルではっきりとリモートワークを推奨し始めたのは3月30日(月)からでした。それ以前からも多くの取引先がテレワークとなっていたことから、なんとなく社内でも混雑を避けた出社やチームごとの在宅勤務を良しとしていました。そして東京オリンピックの延期が決まり(3/24)、東京都知事の会見で「NO!!3密」と掲げられ(3/25)、いよいよ危機感が強くなりました。ここから週ごとにリモート推奨を続けるかどうか判断することにしました。

はっきりと「リモート推奨」としたことで、「出社しなくても可能なら自宅で作業を。チームでよく話し合って。」と注意事項を付けたにも関わらず、世の中のムードも相まって「原則リモート」として受け取られました。そもそもリモートワークのリテラシーを持たない若いメンバーが多いパズルではリモートで業務が回るとは考えていませんでした。この点もしっかり注意喚起し、いつも以上に時間の使い方を考え、チーム内のコミュニケーションにストレスの無いよう、自らを律する行動を促していましたが、これはその後に注意深い運営が必要と気づかされました。

この週には4月1日(水)に8人の新入社員が入社して研修が始まりました。

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翌週の6日から新入社員研修もリモートになるのですが、結果的に4月1日からの3日間の研修をオフィスでリアルにできたことがとても良かったです。その後まさか2ヶ月間も会えなくなるとは思いませんでしたが、3日間でも同じ空間で同じ経験を積めたことが新入社員ながらチームとしての結束を強め、おかげで辛くなってもおかしくなかった期間を乗り越えられたと思っています。

ところで新入社員の入社日はメンバー全員で迎えるのが毎年ですが、リモート推奨の中、先輩たちは半分くらいしかおらず少し寂しい迎え方になったこと、また例年は入社から10日以内には歓迎会を開くのですがそれも叶わなかったことが心残りとなりました。

4月7日(火)には国の緊急事態宣言(5月6日まで)が発出され、それを見越して前日からもリモート推奨を継続していました。翌8日の朝には全社員へこんなメールを送りました。

緊急事態宣言を受けて、できない我慢はしないこと。

誰もが経験のない事態になって、不安や心配が尽きないと思います。
安倍首相が恐れるべきは「恐怖」そのもの、と言ってましたが
その通り、不安にかられ過ぎて余計なこと考えたりおかしな行動を
起こさないことが、今この局面では大切です。
(中略)

緊急事態宣言の報道に触れると、とにかく自粛、制限で、
いろいろ我慢しろ!と怖い顔で言われてしんどくなります。

この我慢にもいろいろあって、できる我慢とできない我慢を
冷静に判断したいところです。できない我慢を無理して続けた
結果、メンタル不調で体調を壊したら意味ないです。我々は
我慢の結果、万全の体調で回復へ向かわねばなりません。

できない我慢のせいか、家庭内のトラブルも増えているとか。
鬱屈した気分によって人は思いもよらぬ行動をとってしまう
こともあります。それで壊れた人間関係は修復が難しいです。

こんな時こそ、気持ちを安らかにする行動をしてください。
パズルの人として、できる我慢をしながら正しい判断をし、
自分で自分を精神的に追い込むことのないように心がけを。

パズルは今、この事態の収束後に来る大忙しな状況に備えているところです。
各自、自分を最新状態に保ち続けてください。来たるべき時に備えて、
身も心も鍛えておいてください。

頼みます!

今思えば、自分が一番不安だったのかもしれません。多くの報道に触れていたせいか、振り返れば今年もっとも気分が落ち込んで迷っていた時期だったと思います。ほとんどのメンバーは仕事が忙しいながら環境を変えて、適応しながら目の前のことに一生懸命でした。自分もできるだけ人と会話して、100年に一度ということは生まれて初めてだから分からないとか知らないことは仕方ないなと割り切れるようになりました。

未曾有の危機ということは

2011年の震災を振り返って何かやることは無いか考えた中で、おそらく企業の資金繰り面で国の支援があるだろうと期待していました。いろんな不安に駆られながらもこの点だけは冷静に構えていて、融資や助成金の制度を目一杯活用できるよう情報収集に努めました。震災後にはごく低利の融資が行われ、さほど必要性は無かったものの保険として運転資金を調達した経験を活かしたいと考えていました。

パズルはキャッシュフローで苦労しないよう愚直なまでに努力と工夫をしてきた自負があるものの、危機が長引けばすぐに倒れる中小企業であることに変わりありません。また、7月以降の15周年を記念した施策をいくつか考えており、実施すればそれなりに費用がかかる予定もありました。あえて不謹慎な表現をすれば、資金調達においては千載一遇のチャンスかもしれない、そう思って取引銀行へ連絡をとったり労務関係のシミュレーションを始めました。

結果的に国からは、収入が激減した企業向けの持続化給付金家賃支援給付金(いずれもコロナ禍で新しくできた)、雇用を維持しながら仕事のない社員を休業させるための雇用調整助成金(コロナ禍で特例が付いた)、東京都からはテレワーク機器導入を支援するテレワーク助成金(通称)が給付され、また、緊急融資では支援によって実質的に無担保・無利子(お金を借りるコストが実質ゼロ!)になる日本政策金融公庫商工中金東京信用保証協会による特別貸付や制度融資を受けることができました。中でも最後の融資は不要になったらすぐ返せば良いと考え、資金というより安心を調達したと思っています。ノウハウが蓄積できたことも大きいです。

ただ一つ、お金はもらったものの、するべきでは無かったかと反省しているのが社員の休業です。特に若手にとってはたとえ数日であっても、目的をもって自発的に休む休暇と、会社から休んでおいてと言われる休業では少し感覚が違うだろうと思いました。ただでさえ大型連休や年末年始で長めに休むと休み明けに仕事の感覚が戻るのに時間がかかることは誰でも経験あるでしょう。会社を維持するための効率か、キャリアに空白ができるリスクか。比べればこのリスクは回避すべきと後になって反省しました。結果的には休み中に勉強ができたり良い充電期間にもなった社員たちもいて全くダメではなかったことが幸いでした。

みんな元気か?

実は緊急事態宣言中、リモートを推奨していながら自分はほとんど出社していました。自家用車を使って電車に乗らないなど人との接触には気をつけながら、日中は閑散とした新橋のオフィス街を散歩してみたりと、街の変化を眺めていました。5月の連休明けは緊急事態宣言が延長されたもののずい分と人が戻ってきたりお店が開いていたのも見かけました。

そんな中、やはり気になったのはリモート推奨を原則リモートと捉え、自宅でストレスを溜めているメンバーたちがどうしているか、です。メンタル不調の兆しを察したメンバーからも報告をうけ、5月中は何度となく全社員あてにメールもしていました。

(5月2日 抜粋)
リモートはあくまで「推奨」です。仕事が回るなら会社へ来なくて良い、という考えです。仕事が成立しそうにない、成立していないケースでは必要最低限のメンバーと時間で会社に集まって作業するなど、チームでよく話し合って、臨機応変に考えて行動してください。

全国的な自粛要請は続き、「不要不急」な外出は控えよと呪文のように唱えられてますが、我々の仕事は「必要至急」だからこそ、今もみんな忙しくしていることと思います。

必要至急な外出や打合せは、健康の面からも、我慢し過ぎないよう、頼みます。
(5月15日 抜粋)
全員引き続き、我慢し過ぎることのないよう、必要至急の作業や
打合せがあれば、時間帯や感染防止のケアをしながら出社するなど、
チームでよく話し合って臨んでください。リーダーは配慮を頼みます。

この頃は経営者同士で情報交換も頻繁にするようにして、悩みを打ち明けあったりしていたことがだいぶ励みにもなっていました。やはり各社とも慣れない体制で疲れがだいぶ溜まっていた時期でもあったと思います。

新しい生活習慣

5月6日(水)までの予定だった緊急事態宣言は大方の予想通り、一旦は5月31日まで延長され、その後の判断により5月25日(月)に解除されました。多くの企業ではニューノーマル(新常態)のかけ声のもと、6月1日(月)から全面的または部分的にオフィスが再開されはじめました。

パズルでは新卒採用で執務空間を使ったweb面接をする都合があって、6月4日(木)からオフィスでの通常業務再開を決めました。

(5月21日 抜粋)
”ニューノーマル”な世界で我々の仕事がどうなっていくのか、なかなか予測の難しいところですが、新しい方法、ルールを作って決めていくチャンスでもあるはずです。これまでのやり方へ縛られずに、慣習へこだわり過ぎることの無いように、いっそ全てのことに疑いの目を向けて、7月からの15期では新しいパズルを作っていきましょう。

それでは、6月4日に会いましょう!

先立って、一人ひとりが習慣化していきたい生活指針をまとめました。

6月4日朝はメンバー全員が集まって、毎日画面越しに会っていたのに久しぶりみたいな、ちょっと不思議な再会になりました。リモート研修で新入社員も先輩たちも顔は合わせていたけれど初めましてと挨拶しあって、ようやく会えた嬉しさがありました。さっそく新入社員研修もオフィスで再開して6月11日(木)に研修終了、ほぼ1ヶ月半遅れで現場に入り始めました。

特殊な状況が続いて感慨深い新入社員研修でした。最後こんな話をしました。

そうこうしているうちにパズルは15年目の節目を迎えました。

14期決算と15期スタート

パズルの会計年度は7月から翌年6月です。コロナ禍はちょうど14期の第4四半期に重なりました。幸い、3月までの業績は好調でそのままいけば14期はかなり良い決算になる見込みでした。残念ながら第4四半期は前年比60%を割り込みましたが3月までの蓄えでボーナスも支給して、どうにか14期を黒字で終えました

15期の計画は四半期ごとに修正していくこととして、まず早めにコロナ禍が収束した場合で考え、14期から大きく成長することを目指して予算を組みました。とりわけ人材補強に予算をあてて採用活動を活発にしたい狙いです。そのくらい、14期は忙しくて本当に人が足りませんでした。仕事が以前のように回り始めることへ備えて、まずは人材補強が必要と考えました。が、それはどこも同じようで、、なかなか思うように補強できずに2020年は終わってしまいます。

7月から始まる15期は、15周年としてお祝いする1年にしたいとメンバーたちが考えてくれていて、1年近く準備をしてきました。まず一つはCIの刷新とサイトリニューアルです。伴ってステートメントもできました。まるでコロナ禍のいま考えて作ったかのような内容ですが2019年にはほぼ出来ていました。今とは違ったプロダクションとしての課題感を感じながらそれを打破したい想いがありました。

ところでコーポレートロゴが2つ出来てしまったのは面白いと思っています。

この他、お世話になった方々を招いてのパーティや記念グッズの制作、さらにはオフィス移転まで予定していましたが、あえなく延期・中止となりました。きっと機会を作って一つずつ実現したいと考えています。

7月はオフィス再開から1ヶ月、15期スタートで祝福感もあり、辛さを感じた5月までを忘れるように慌ただしさが戻ってきた雰囲気でした。一方、収束へ向かったかに見えたコロナ禍はすでに第二波へ向かい、独特の緊張感が続きました。そんな中、実家暮らしで家族から心配される人、状況になれて緊張の緩む人、まだまだ神経質な人、温度差がどんどん広がっていきました。

命をまもる行動と、心をまもる行動

オフィスでの業務を再開してから2ヶ月後、6月にまとめた新しい生活指針に関するアンケートをとりました。もともと習慣になかったことを集団生活に取り入れれば様々な反応があるのは当たり前です。その時に立場の強弱によって心理的な負担を強いられる人もいるはずですが、全てが新しい取り組みなのでなかなか表面化せず、予想も難しいです。いまだ充分とは思っていませんが、こんな時こそ丁寧なコミュニケーションが大切だと感じました。

DX最前線の2021年新卒採用活動

時系列を少し遡って3月、新卒採用の活動にもコロナ禍は直撃しました。まさに真っ最中でした。すでに2月20日の合同会社説明会と、3月14日と19日に自社開催の会社説明会を終え、3月28日自社開催の説明会を準備している時でした。直前にオリンピック延期と東京都から感染拡大防止の協力への呼びかけがあったことをうけて28日説明会の中止を決めました。

3月14日には一度、学生へ向けて採用活動は全て予定通り実施すると伝えていたのですが、28日の中止と同時に追加募集とその日程も告知して、とにかく今年の採用はやり切ることを伝えました。この先、多くの企業で採用控えが起きることは予想しましたが、新卒採用を始めて以来、世代の空白を作ってはいけないと考えて続けるいるので何があってもやめない、今年も必ず採ると決めていました。

2月20日の合同会社説明会へ出展できたのはラッキーでした。その直後から大会場での開催は次々と中止が決まり、オンライン開催へ切り替わっていきました。ただ実際に会えるのとオンラインとではお互いに感じるものが違うし、まだオンラインが小慣れていない頃でもあったので知名度の無い中小企業としては助かりました。

また、3月14日と19日はやや強行だったかもしれませんが、他社が活動を控え始めた中、活動を続ける数少ない会社だったことも結果的に幸いしています。活動を控える学生もいましたが、感染防止に関する考えや対策を丁寧に伝えながら遂行できたことで信頼関係も築けたのではないかと勝手ながら考えています。

今年の特色として地方からの応募者と内定者が多いことが挙げられます。パズルでは一次面接をweb面接へ変更して4月に、5月の二次面接は日程を変更して緊急事態宣言解除後の6月1日と2日に、そして最終面接は6月16日と17日に実施しました。また、並行して追加募集の会社説明会を6月12日と13日、23日に、面接を7月20日と29日に実施しました。

他社が採用活動を停止しているところ日本全国からwebで応募があり、最初のweb面接で上京の負担なく全国の学生と面接できたこと、コロナ禍の第一波と第二波の間にリアルで面接と追加募集の一連を実施できたこと、これら結果論ではありますが、全て良い方へ向かったと思っています。3月に躊躇わず(少しは迷いましたが、、)進めたことが功を奏しました。また、聞くところでは地方からの内定者が増えたのはパズルだけではないそうです。世界を変えつつあるコロナ禍が起こした良い方の影響かもしれません。

おかげで優秀な学生たちと会うことができ、実りある採用活動になりました。今年入社したメンバーもなかなか経験できないことからスタートしてずい分タフに育っていますが、来年入社する子たちも逆境に負けない強い世代になると期待しています。または今年と来年の世代は、変わり果てた世界を新たに切り開く開拓者世代になるのかもしれません。とても楽しみです。

仕事の流れ

パズルがコンテンツ制作する領域はデジタル、映像、グラフィック、イベント、他なんでもと幅広くやっていますが、コロナ禍でもむしろ忙しかったのがデジタルでした。正確には撮影を伴わない種類の仕事や、壊滅的だった領域と連動していてデジタルへ予算が集中されたような仕事でした。その壊滅的だった領域が映像とイベントでした。

映像は映画やドラマでも公開や放映が延期になったように、人が集まるのが仕事でもある撮影がしづらくなったことにつきます。イベントは人を集めるのが仕事なので言わずもがなです。このどちらでもリモートへの対応や配信などオンライン化していく流れは当然のように早かったと思います。

パズルは映像(CM)制作会社とデジタルコンテンツ制作会社それぞれが集まる業界団体へ加盟しています。コロナ禍に際してその両方で頻繁に情報共有をするようにしていたのですが、かなり温度差がありました。パズルの実情とも重なりました。特に中小規模の映像制作会社の多くは当初、次々と仕事が延期・中止されて途方に暮れながらも、徐々に大手のノウハウに倣いながら撮影も再開していました。それでも全体的には停滞感と閉塞感がいっぱいで、社内施策もやりきって手詰まりな雰囲気でした。

7月の中頃、気になる話を聞きました。どちらかといえば感染防止対策が万全であろう(イメージの)大手へ仕事が流れていると。確かに、大手の各社は5月には医療専門家との提携など感染防止対策の方針を打ち出して、いち早く撮影再開の体制をアピールしていました。こうした動きは業界全体を引っ張る役目があり、中小も追随して同じように体制を整えていました。パズルでも上述の取り組みなど積極的な情報開示や発信は心がけていました。

ところが目に見えない恐怖と闘っている中、下手をすれば人が死ぬかもしれない状況ではより安全を求めるのは当然で、人的リソースも豊富で経験値が貯まりやすい大手の方が頼りやすいのは少し考えれば分かることでした。情報を集めているだけで経験が積めていないことを痛烈に実感し、あらためて情報収集先を広げました。会社の振る舞い方を考える上では良い教訓になりました。

仕事が動き始めたと肌で感じたのは9月から10月頃です。相変わらず取引先とはリモート中心で仕事の仕方はすっかり変わりましたが、もうすぐ終わる年内と年明けへ向けて、何か溜まっていたものが吹き出すように動き始めているような気がします。

新入社員歓迎会と納会

年末年始は長めに休もうというムードに後押しされて、年内最終日のありかたを見直しました。以前は大掃除してお昼はお蕎麦を出前でとってみんなで食べて、定刻に会社を締めて納会へ、という流れでした。近年はお昼の出前は省略したり、納会はオフィスで簡単に、と変えてきたこともありますが、大まかな流れは変わらず最終日はみんなで乾杯、お疲れさまでした!と声かけあって終わってました。

今年はまず年末年始休暇を就業規則で決めてある12月30日から1月3日までとし、12月29日まで営業、でも最終日に大掃除と納会はやらないから休みたい人は有休や振休をあてて来なくて良いとしました。曜日の関係で28日(月)と29日(火)を休みにしやすかったことと、多くの取引先が25(金)を最終営業日としていたことでも休みやすくなりました。

大掃除は、そもそもなんで年末にやらなきゃいけないの?というわけで、大掃除の必要ない会社を目指すことにしました。中堅メンバーの発案です。素晴らしい、嬉しい。とにかく日頃から物を溜め込まない、散らかさない、汚さない、ということを徹底しようと決めて実行しています。たぶん、人によって差が出るしょうけれど、そんな時にみんなでどうするか、今後が楽しみです。

さて、年末にみんなで労いあうのはどうするか、ところで延びのびになっている新入社員の歓迎会はどうするのか、というわけで納会でなく歓迎会を兼ねた忘年会をすることにしました。ただし、まだ自粛要請もあって40人規模での宴会は難しいです。そこで12月23日(水)の終業後、オフィスで19時から20時までの1時間限定、簡単な軽食とドリンクでほぼマスクしながら、というスタイルで実施しました。

やってみて、すでに納会はオフィスでやっていたので場所の問題は感じず、時間がコンパクトなので進行もテキパキして、もうこれで良いというより、これが良いとつくづく思いました。平常時ならもっと飲みたい人はこの後に行けば良いし、会社の飲み会が苦手な人は帰りやすいし、普通の平日なので仕事が残っている人も再開しやすいし、年末の営業日も休みやすいし、悪いことが無い。もう来年からもこれでいきます。

歓迎会の方は新入社員も9ヶ月目で果たしてまだ新入りなのかと思ったら、一人ひとり全く初々しさのない改めての入社挨拶をしてくれました。入社しての抱負は来年の抱負となって、すでに職業人として先を見据えた話をしてくれて、これがあのリモート研修で必死だった子たちかと思うとその成長ぶりには目を見張るものがありました。その年の新入社員がこうして全社員の前で話すことも無かったような気がして、これもまた来年も続けたくなりました。

毎年、新卒の新入社員を入れ続けて組織がどんどん変化していながら、一人ひとりが全員に向かって自分が何を考えているかを話す機会は、もしかしたら入社直後と退職する時だけになっていたかもしれません。日頃からコミュニケーションの大切さを語りながら、考えを発する機会が足りて無かったかと反省です。これもまたコロナ禍による制約から気づくことができた良い方の影響かと思います。

教訓の多い一年でした

ここnoteに考えてきたことや考えていることをまとめ始めたのは5月下旬。そろそろコロナ禍も収束かなー、オリンピックは延期されたけど2020年はパズルにとってメモリアルな年だし、15周年にまつわることをどんどん発信していこうー。と、やや楽観的な気持ちの時でした。本当に一寸先は闇の連続だった2020年だっただけに、直面して驚いたこと、悩んだこと、困ったこと、判断したこと、間違えたこと、悔やんだこと、良かったこと、楽しかったこと、面白かったことを、できるだけ覚えておきたいし、今後の教訓として活かしたいと思っています。

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