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てんてこまいのひぐらしで

こんばんは、今週は那須野です。
前々回の記事でコロナからインフルでてんてこまいと書きましたが、
あの時はインフルA、この度はインフルBからのノロからの中耳炎と、てんてこまいシーズン2の我が家です。
シーズン2もご盛況の中無事終わり、シーズン3より春が来てほしいこの頃、皆さまいかがお過ごしでしょう?



さて、そんな我が家は、長男の受験という初めてのイベントを迎えることになりました。
なんと嫌な言葉でしょう、受験。
この言葉が好きな人が居るのでしょうか、受験。
人を蹴落として自分だけの結果を追い求める、受験。
蹴落とされる確率の方が遥かに高い、我が家の受験生。


受験、分かりやすいですよね。
幼稚園受験から大学受験まで様々ですが、子供たちが初めて実力主義社会の試練に出会う機会とも言えます。
我が家の中学生はこれまで受験経験がないので、親子ともども初めての経験です。
私自身は超田舎の地元の高校に進学したので、受験とは名ばかりの中学3生でした。
大学も当時はまだ走りだったAO入学、行信教校に至っては、漏らすことのないお救いに預かって。。
そんな訳で、この度息子の受験を通してそのシステムをちゃんと知りました。


上手にできてますね。
先に蹴落として、と書きましたが、実際には自分の実力に見合った学校を受験して、賢い子はそれなりに、そうでない子もそれなりに選び、また学校から選ばれる訳ですよね。
あなたはこのくらいだから、という感じでカテゴリーに組み込まれます。
がむしゃらに頑張る子も居れば、頑張らなくても通える学校を選ぶ子もいます。
それはそれで分かりやすく、無理なことを強いられる訳でもありません。
自分で選んで進むのみです。



阿弥陀さまのお浄土に、受験などもちろんありません。
自力聖道門などと言ったりしますが、それは受験システムとよく似ていて、非常に分かりやすいです。
ここまでできたから、次はここまで頑張ろう、と、成仏というゴールに向かって頑張ります。
誰も助けてくれない、自分の力で突き進むのです。
それはとても尊いすがただと思います。
私はできないと言う前に、やってみたことすらありません。
今は、阿弥陀さまのはたらきと比較して、どちらがどうだ、と言いたい訳ではありません。

ただ、私の仏道と考えた時に、私は「やってみたことすらない」のです。
そもそも仏道を歩もうとすら思ってもいなかったのです。
それが何があってかご縁が絡まり重なり、今はお袈裟を着けてお取り継ぎさせていただく身となりました。



昔、蓮如様のお弟子の法敬坊という方が、蓮如様が書かれたお名号が燃えてしまった折、六体の仏となって現れたことを「不思議であります」と述べたところ、上人は「仏が仏となるのは不思議ではない。悪凡夫が念仏一つで仏となることを本当の不思議だと言うのだ」とおっしゃった、と言うお話があります。



六字のお名号の仏が、六体の仏と相を変えることは、何も不思議なことではないのです。(まやかしめいたことを不思議と言うな、とも伝わります)
仏道を志した方が、仏道に励むことも不思議ではありません。
ところがどうでしょう、まるで仏を意識するこもなかったこの私が、今お浄土への日暮らしを送っています。


ただお念仏に出遇って不思議だなあ、と言うことでは終わらないのが阿弥陀さんの仏道です。
阿弥陀さんはアレしなさい、コレしなさいとはおっしゃいません。
ここまでやったらこのお浄土よ、ともおっしゃいません。
ただ念仏してくれよ、とおっしゃるのみです。
それがどれだけ厳しいお育てか。
安心していいのです、安心してお浄土参りさせていただくことに変わりないのです。
しかし、阿弥陀様と共々のこの道は、温かくもあり、
「本当にそれでええんか?その言葉は大丈夫か?その行いは誰かを傷つけてはいないか?」そう問われている歩みでもあります。



阿弥陀様のお慈悲に問いながらの人生です。
何かと引き換えの仏道ではない、往く先は決まった仏道です。
阿弥陀様は時に過保護で、過干渉で、放任で、かと思ったら少し離れたところからしっかり私を見てくださっていて、それでもって見捨てることはありません。
それもこれもこの私から見た勝手な親のおすがたで、阿弥陀様は常にご心配くださっているのですよね、こうしてブログを書いていているこの時も。



ナモアミダブツのお念仏で、私をここまで育ててくだいました。
この「お育て」というのは、「私を立派な人間にさせる」ということではなく、「阿弥陀様のはたらきに気づかせていただいた」という一点ではないかと思います。
「ここに見守る阿弥陀がおるぞ」と、六字の御名を聞いている、そのことが本当の不思議であります。


そんなことを考える、受験生の親ビギナーでありました。
てんてこまい、面白い言葉ですね…てんてこてんてこ



称名

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