夢の中で見たオルフェウス

最近、一緒に暮らしていた鳥が死んでしまったのですが、その日の夜にみた夢で「びせいねん」という人を紹介されました。


その夜は寂しく、眠る前に夢でどうにか鳥に会えないだろうか、と考えながらムーサを心の支えにして寝ました。


肉体は本質ではないですし、全ての生き物にいずれ死が訪れることは分かっていても、こういう時はやはり残された方は辛い、と思ってしまいます。どうしても自分だけ置いていかれた、というような気持ちと対面しなければなりません。


その夜、もし夢で鳥に会えなかったらどうしよう、と思いました。
感情が乱れると、私の場合は目覚めた時、記憶が残らないのではと不安になります。

その日は、白、水色、オレンジの3羽の小鳥を見ているシーンからの内容を覚えていました。

ある鳥の近くにあった童話を開くと、小さめのライブハウスに入り、何かの初期のメンバーだという人たちを紹介されました。

ライブハウスをブラシで掃除したり、椅子を並べたり、準備を始めていたので、「これから演奏会があるのだろうか」と思いながら椅子を運んでいると、真ん中の扉からきた女性が少年を連れてやってきました。

女性は私に「ほら、覚えてるでしょ?」と言ったのですが、私は知らないので何も答えずにいると、「びせいねん」だよ。と女性に言われました。

私はその時すっかり「美青年」だと思い込んでいて、少年をみながら「一体どこが?」と思っていました。

その後、彼らが去った後、会場にいたメンバーの一人が敵が迫ってきたのを感じ取り、椅子を運ぶのをやめてどんどん空中を飛び始めました。
気がつくと、ピアノが鳴っていて、闘いが始まり窓から別のチームが入り込んできました。

仲間の一人が「あっちは1000でこっちは500だけどいくか」と皆んなに言って分裂して逃げることにしました。
分裂すると、何かの曲になりました。

はじめは小さくて暗いライブハウスだったのですが、その頃には光の入る大きな音楽室になっていて、とにかく窓の外から逃げようと思っていました。

私は窓の近くのグランドピアノで3つの音、同じフレーズを連続で弾いて、隣で有名なアーティストがピアノを弾こうとしているのを邪魔をしていました。
そうやって時間をかせぎ、タイミングをみて窓の外から飛びました。


追っ手が来ていましたが、鳥のようにぐるぐると螺旋状に上に飛び逃げているところで目が覚めました。


目覚めた後もずっと「びせいねん」という言葉が気になっていました。
眠る前に鳥に会いたいと思っていたことは、夢の中では忘れていたのですが、起きた後すぐに思い出しました。


夢では「美青年」だと思っていましたが、目覚めた後、もしかすると「美声念」だったかもしれないと思いました。

その後、「びせいねん」を美精念やら、日生燃やら、毘星縁やら沢山の言葉にしました。

起きる直前、私が闘いとして捉えていたものは対立する意識なのですが、それによって夢の情報が消えないように窓から逃げました。
それらは分裂して、音楽、バラバラなフレーズとして残ろうとしました。


ギリシャ神話のオルフェウスは日本神話のイザナギに例えられることもありますが、この神話は悲劇とされることが多いです。

神話では冥界に妻を迎えに行った後、不安に駆られ振り返ったことが原因で別れてしまいます。
オルフェウスはマイナスたちに襲われ、八つ裂きにされ、頭は歌を歌いながら竪琴と共に河を流れ海に出て、レスボス島に流れ着きます。(Wikipediaを要約しました)

この物語は言葉通りに読むと悲劇ですが、意識体として読むとまた違った解釈が出来るような気がします。

私ははじめ振り返った、というのを視覚で捉えてしまったせいなのだろうか、と考えていたのですが、「振り返る」とは過去を見た、ということに関わるのかもしれません。

過去とは、様々ありますが、ここでは、これまでの意識の中に残った残像とします。

オルフェウスは不安になり、過去を見ようとした為に妻と離れてしまったのかもしれません。


彼はマイナスたちに襲われバラバラになり最終的には頭と竪琴(本質)だけが河をながれます。
Wikipediaで調べるとオルフェウスの妻は毒蛇に噛まれた、ともあるので象徴的には河も蛇も筒の意識体として考えられます。

物語は悲劇ですが、象徴的に読めばオルフェウスの本質は妻の所に戻ります。


私の夢でも、「びせいねん」と聞いた時、直ぐに浮かんだのは「美青年」でした。
要するに固定された意識体、視覚としての美青年が浮かんだのだと思います。

私はまだ同じ姿の鳥のことを想っていましたが、別の形で出会っていたのだろうと思います。
なので、この記憶を持ち帰る為に私は夢の中で闘う必要があったのかもしれません。

起きた後、「美声念」だったかも、と思った時、何となく嬉しく、癒されていくような感情になりました。

鳥は美しく歌います。そこに似た匂いを感じました。

他にもあるかもしれないと、言葉をバラバラに組み替えると様々な言葉になりましたが、どれもどこか象徴的に似たような言葉ばかりでした。そして、私がよく知っているような、意識体にたどり着きました。


私が体験したのは、神話の物語としての内容とは全然違うのですが、自分が見た夢にオルフェウスの神話との共通性を感じました。


また、以前にも夢にオルフェウスが出てきたことがあるのですが、その時私はイザナミ寄りの意識だったと思います。


夢では、これからお見合いをさせられるのか、というような状況で車に乗っているシーンから始まりました。
いまから行くという時、その男性の悪い噂を聞き、途中で会いに行くのをやめることになりました。

夜中にその人がストーカーのようにずっと家の前で待っている、と家族が言いました。
何日も待たれていて困っていたのですが、何かの試験の日が近くなると、その人は一切家の前で待たなくなりました。

それで、何故か私はどんな試験をしているのか気になってしまい、跡を追いました。
教授室のような高貴な部屋に法律バッジのようなものが沢山あり、別の部屋では数学のような試験が行われていました。

私は彼がどんな研究をしているのか興味が湧いてしまい、一緒にカレーを食べながら話でもしようと思ってカレーを見るとすでにハープのような楽器と共に川を流れていました。

川に流されていた時とても気持ちがよかったのを覚えています。

この時はまだ、追われていた影に解放された夢だったのだろう、としか考えていたなかったのですが、今ではどちらも自分と関わる意識体であり、私自身がバッジを集めていたのだろうと思います。
バッジは新たな意識であり、それが生まれる間は残像に追われることはないということだったのかもしれません。

オルフェウスの神話を参考にすると、バッジは身体かもしれません。
それは、美声念を乗せる為の竪琴のような軽い身体であり、私は地上で暮らす間、何度も試験を受けるのかもしれません。

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