19枚目「 愛で圧死 」

以前述べた通り、私は肝心な時に大事な言葉が出ない

頭では分かっていても
どう気持ちを動かせば良いのか
何を口から紡げば良いのかわからなくなる

混乱して何をどう選べばいいのか分からないし
選べたとしても不安や疑念が大きくて何も出来なくなる

自身の中で疑心暗鬼になって、気づいた頃には
好きなそれを好きと言えなくなっていて

好きと言えなくなった日がどんどん遠くなっていく


崩れ落ちたり欠け落ちたような
好きという感情が

他の感情と入り混じってしまって
収拾がつかなくなっていく

私は何が好きだったんだろうか、と
他の感情に混じって消えていく前に
自身の過去から好きだったそれらを拾い集めていく

断片的に集めたそれらは
形にはならず、漠然した雑多なものにしかならない


要は、自信を持って相手に対し
私はこれが好きである
ということが出来ない

何せ、私よりそれを好きな人は大勢いるだろうし
私はそれに対する熱量を維持するのがとても下手だ

だからと言って好きと吹聴するのも
気持ちの押しつけのような気もするし
押し付けられた側だとしても、だからなんだ
と、なりそうでどうしていいのか分からない

まぁ丁寧に個包装されたような気持ちなら
渡すのも貰うのも嬉しいし
むしろ受け取った際圧死するくらいのものが欲しい

今のところ気持ちの個包装も
相手を圧死させることも
どうやら私には出来そうにない気がする

今後できるようにならないとなぁ
とは思うものの
自身の好きを探すところから始まってしまうので
堂々巡りで諦めてしまう


こんなことを考えては
これを読む人も読まない人も

普段からどういうことを考えて
好きを体現しているのかと常日頃考えている


ここまで小難しそうに言ってはみたものの
ただ羨ましくて、嫌になるだけ

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