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短編推理ホラー小説 『山小屋の一夜』 −あとがき−

 8月9日の深夜0時過ぎ——「スクエア」という都市伝説をモチーフにした短編推理ホラー小説『山小屋の一夜』を投稿し終えた私は、活動の反動で急に言うことを聞かなくなった体を休めるべく、ベッドに沈んだ。

 で、横になりながら、

「ミステリーとかホラー作品の著者は、書いてる最中、絶対メンタル病んでるよなぁ。あるいは筋金入りのサイコパスか……」

としみじみ考えることになったのだった。

 一般的にどうなのかはさておき、この小説を書いている最中、主人公たちが進むであろう様々なエンディングのパターン(残酷なバッドエンド含む)を常に考えていた私は、自分自身に対して相当なストレスを課すこととなった。

 というのも、創作物の中の話とはいえ、人を殺したり、心霊的な現象について言及するのは、自分的にかなり抵抗があり、タブーにしていたものだったからだ。小説を書き始めたのは今から1年半くらい前だが、実はそれ以前にも何度かミステリー小説を書きたいと思っていた時期があり、そのとき一番の障害になっていたのが、「物語の中とはいえ、人を殺すのは良くない。人殺しをエンターテインメントにしてはいけない」という自分なりの倫理観だった(そのくせ読むのは大好きだったのだが)。要するに今回、長年持ち続けてきた個人的タブーを破ってしまったことで生じた葛藤によって、私は自分のメンタルを傷つけてしまったのだ。

 で、因果関係は不明だが、書き上げるや否や、私は重い夏風邪を患った。どうりで体が言うことを聞かなかったわけだ。ちなみに私を襲ったのは、三大夏風邪の一つとして有名な「手足口病」という極めて厄介な病魔だった。普通は子供が罹る病気なのだが、免疫力が低下していると大人でも罹ることがあるらしい。この病気、大人が罹ると重症化することがあると定評があるのだが、案の定、この私も相当苦しむことになった。数日間の発熱の後は、まるで呪詛でもかけられたかのように、顔や首、それから手足に、米粒ほどの大きさの発疹が無数に発生したのだった。それこそホラー小説を書いてしまったことで何者かの怨念か祟りを受けたかのように、特殊メイクアーティストもびっくりするほどの酷い姿になってしまった。それこそ、犬神家の一族に出てくるスケキヨ氏のマスクをかぶって外出したいくらいに。

 熱が下がらずしんどい日々だったが、一昨日くらいからようやく熱が下がり始め、AbemaTVで今期のアニメを総チェックできるくらいの余裕は出てきていた。そして、昨日くらいからこうして文章が書ける程度まで回復し、今もまだ色々と不自由はあるが、何とか普通の生活に戻れたといった感じである。

 これからしばらくは長編小説の方に舵を戻すことになるが、何かきっかけがあれば、またこのようなジャンルに挑戦したいと考えている。美しきnoteの世界では邪道な少数派なのだろうが、私は、自分の読みたいものを自分で書くという、自分が楽しむことを最優先とする信念のもと、これからも我が道を突き進んでいきたい。

 こんな私ではあるが、趣向の合う方々とこのnoteの場で楽しみを共にすることができればと、今も考えてやまないのである。

※体が本調子じゃないので、雑で上から目線な断定口調になってしまいました。すみませぬ。

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