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ポケカと時間

 2022年ももうあと残すところわずかとなりました。コロナ禍で中断していたポケモンカードイベントも中止を挟みながらも再開するようになった1年でした。まだまだアクリル板やセルフカットなどが残っていて、以前通りとはいきませんが対面で対戦できる楽しさを思い出しましたね。

 今回は先日開催されたチーム戦イベント「TAG !TAG !3on3」で問題になったのをきっかけに、ポケモンカードと時間について考えてみました。(個人的な考えです、他人に強要するものではありません)

制限時間とは

 カードゲームは自分の手札と盤面を見て最良のプレイイングを探すものだと思うので、ありとあらゆる可能性、確率の計算など考えなければいけないことが山のようにあり、いくら時間を使っても足りません(主観)。

 一方で対戦相手は人でありこちらばかりが時間を使ってしまっては、相手をひたすら待たせてしまうことになります。それでもお互い気にしなければそれはそれで縁側将棋のようなもので、合間のおしゃべりを含めて楽しむこともできます。

 ところがたくさんの人が集まって大会をするとなると、スケジュールという問題があり、制限時間を設けざるを得なくなってしまうのです。そういう意味ではゲームの本質ではないのに、時間が非常に重要なファクターになってしまっているのは、大会運営側の勝手な都合であるとも言えます。

公平さとは

 決まった時間内で勝負を決めなければならないとなると二つの問題があります。
・公平な時間配分
・時間切れの際の勝負の決め方

公平な時間配分

 決まった時間しかないなら、二人の使用できる時間は同じにしたいところです。チェスや将棋ではチェスクロックというそれぞれの手番に費やした時間を測る仕組みがあります。デジタルでは導火線で持ち時間を表現し、時間が過ぎると自動的に相手に手番が移ります。
 ところがポケカでは自分の番に相手の判断を要求する場面が多々あり、どちらの時間なのかを測ることが難しく、実質制限はかけられていません。プレイヤー任せになってしまっています。

時間切れの際の処理

 現在は公式大会では制限時間になっても勝負が決まらなかった場合は、双方とも負けという扱いで処理することになっています。ほとんどの大会がスイスドロー形式で行われていることもあり、OMW%(オポ)を用いて両負けのデメリットを設定しています。
 しかしこの方法でも、悪意あるプレイヤーが明らかに勝利目前のプレイヤーを両負けやあわよくば投了させることに持ち込むことができる可能性があり、常に問題となっています。
 つまり時間の使い方がプレイヤーに委ねられているポケカでは、公平な時間切れルールを決めることができないのです、残念ながら。

では

 もし本当にフェアな大会をするとしたら・・・PTCGOのようなデジタルでやるしかないのかなという気がします。でもそれはほとんどのプレイヤーが望むことではなさそうです。

遅延

時間切れを起こしてしまう原因にも意図的なものとそうでないものがありますよね。

プレイヤーの練度

 プレイ中に考えるべきことについては、ある程度プレイヤーの練度が上がることで自動処理できるようになり、プレイ時間は改善することができそうです。しかしそれも個人差がありますし、参加者に決まった基準を押し付けることもできません。

意図的遅延

 僕自身は競技プレイヤーではないのですが、勝利が至上命題である場合その考えが頭に浮かぶことは想像できます。それがスポーツマンシップに反することは間違い無いですが、ルールで止めることができていないので一方的な非難は難しい。

TAG!TAG!での件

 先日福島で「TAG!TAG!3on3」というチーム戦のイベントを開催したのですが、引き分け問題についてはやはり釈然としない思いを抱えた方が多かったようでした。

 アンケートなどでいくつかの解決策をご提案いただきました。

・両負け導入(ポイント0):結局どちらにもポイントが入らないので、敗勢濃厚の場合の遅延に対するモチベは変わらない。オポネントポイントの計算もないので、投了するメリットもない。
・サイド差で勝負を決める:サイド優勢となった側の遅延がありうることと、後半まくるデッキやLOデッキなどのコントロールが使いにくくなってしまう。
・サイド差+時間内決着に高い勝ち点:勝ちそうな側の遅延が減る可能性はあるかなと思うのですが、時間内決着ができそうならそもそも遅延しないと言うことと、捲られることが見えている場合は結局遅延のし得であることは変わらない。デッキ選択が狭まることも変わらない。

なかなか根本的な解決は難しいんですよね。

フェアプレー精神

 結局はフェアプレー精神に頼るしかないというのが僕個人の結論です。

 そして賞品や多大な名誉がかかってくる対戦では、フェアプレー精神を全員に強制することが難しいことも想像できます。ドーピングが根絶できていないことがそれを示しています。そこはやはり制度やルールが不完全なので仕方がない。

僕らからの提言

 ここからは僕らの主催する大会に参加される方への個人的な提案です。

勝利にそれほど価値がない

 僕らの大会ではあまり豪華な賞品をご用意できていないこともあり、プレイヤーとしての評判を下げてでも勝利するメリットがあまりないです。優勝の名誉も地方の自主イベントですので、公式大会とはだいぶ違います(残念ですが)。

プレイスキル

 できるだけ時間内に対戦を終わらすためには、それなりのプレイスキルが大事となります。最低限の時間でターンを返すように努力することは強くなることにつながっていくことです。さらに残り時間が少なくなってきた時に勝ち筋があるのか、相手の勝ち筋の太さを認識できることもうまくなくてはできません。対戦中に自分が投了するべき条件を常に意識して対戦することが、強さに変わるはず。

プレイヤーとしての評価

 僕らの大会は継続的に開催することがポイントだと思っているので、今後も続いていきます。つまりプレイヤーとしての評判は今後もずっと参加者の間で共有されていくのです。一過的な勝利がその評判に優先することはあまりないような気がします。
 遅延というオプションは考慮せずプレイしたり、勝ち筋がない時に投了することでお互い気持ちよく対戦できますし、次回以降に対戦することになった時もお互い信頼関係を保って気持ちよくできるのではないでしょうか?

マナーは人のためにあらず

 相手のためにと思うと良いマナーがどうしても恩着せがましいものになってしまいますが、実際は自分のためのものなのです。いい奴だと思われたいというのは、確かにちょっと偽善的なところもありますが、幸せにプレイするためには悪くないことですよね。
 嫌なことされたことあるから、こちらもマナーには気を遣わないという負のサイクルをわざわざ趣味の分野で回す必要はないと思いますがどうでしょう。

相手は他人

 良いマナーというのは相手を気持ちよくさせるものですが、相手に要求するものではないことも理解しておきたいところです。プレイヤースキルも様々ですので、自分ができることが必ずしも相手にできるとは限りません。
 経験のあるプレイヤーはぜひ模範的な振る舞いを意識していただければと思います。良いマナーは伝染していくものだと信じています。

終わりに

 時間の問題はTCGに永遠について回るものかなと思います。現状では時間の問題はプレイヤーに任されてしまっているので、僕らがなんとかしていくしかありません。多くの方は競技的に取り組むかどうかに関わらず、人生に潤いをもたらすためにカードを選んでいると思ってます。悪いマナーを非難しあうのはストレスでしかありません。それよりはお互い良い影響を与え合うことで可能になると信じています、お花畑かもしれませんがw 

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