説教

マナーは人のためならず

 先日の第三回福ちゃんにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。そして狭い部屋の中、気温も調節しきれず多くの方に不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。今後の大会では余裕を持って部屋の準備等をして、対戦に集中できる環境を整備していきたいと思います、よろしくお願いします。

 さて福ちゃんのような大人数の大会を開催すると、どうしてもあちらやこちらで対戦マナーの問題が噴き出してきてしまいます。これから大型公式大会も次々と開催されていくので、自衛の意味でもマナーについて自分でしっかり整理しておくことは対戦時のメンタル的にも大事かなと思うので、僕個人の考えをここでまとめておこうと思います。

ガチ大会ではなぜ対戦マナーが問題になりがちなのか?

 実はうんざり会などの交流会ではそれほど対戦マナーが問題になることはありません。何が違うのでしょう?

異文化衝突
 ちょっと大げさですが、福ちゃんでは普段一緒に遊んでいる人たちとは全く異なる人たちと対戦することになります。すると、仲間内では割とスルーされていたことも別のコミュニティーでは嫌な思いを引き起こすことがあるのかもしれません。

対抗意識
 上記のことと絡みますが、ガチの大会になればなるほど地域対抗的な要素が自然発生的に生まれてきますね。自分が勝てないとしても、身内が勝てば嬉しいみたいな。そこで他地域のプレイヤーを「敵」として意識することになり、普段なら相手に気を遣って対戦しているのに、どうしてもその辺がおざなりになってしまうのかもしれません。

緊張と性格
 たとえ相手を敵視していないとしても、知らない相手との対戦は緊張してしまいます。知り合いとならはっきりと宣言する人も、つい発声できなくなってしまったり、不愛想になってしまったり、これは性格によるので緊張しない人にとっては「なんだこいつ?」みたいな受け取られ方をされてしまうことが多いにありそうです。

ガチ戦
 大会形式の対戦の場合は、やはり勝つことが第一目標であり負けることはかなりモチベ・楽しみなどを削がれてしまいがちであるように思います。負けそうな対戦では相手の振る舞いが煽りに見えることもあるでしょうし、ちょっとした長考が遅延行為に感じることもあるでしょう。

マナーとは

 そこでマナーとはそもそもどういうものなのかということを考えてみたいと思います。

 僕個人的にはマナーとは他人とうまく付き合うためのコツ、と理解しています。ルールとは違い明文化されておらず、なんとなくそうしたほうがいいだろうなぁというようなことが多いかなと思います。

 ポケモンカードの対戦マナーというのもお互いが気持ちよく対戦するために気をつけたほうがいいことがあるわけで、そのようなコツ全般を対戦マナーと呼んでいますよね。ところが

「相手の対戦マナーがひどかった」

というのは、僕としては非常に違和感があり何か誤解があるような気がしてしまうのです。

相対的
 マナーに絶対的な尺度はなく、その状況やその人、地域によって変わってくると思うんですよね。その人はその人なりのやり方でその対戦をスムーズに進めようとし、気を使ってくれていたのかもしれません。  

自分が気をつける
 そしてここがとても大切だと思うんですが、マナーとは「自分が」どのように工夫して相手とうまくやっていくかということであり、相手のマナーをどうこう言うというのは筋が違うと思うんですよね。

相手に押し付けない
 もちろん相手から学んだりすることはあると思いますが、相手に自分のマナーを押し付けるというのは何か違うし、そもそもうまくいかないような気がします。

マナーは人のためならず

 このような言葉があるかは知りませんが、僕はこれこそがマナーの本質じゃないかと思っています。自分の行動が相手にどう思われるかな、嫌がられることはないようにしよう・・・という風に自分で考えながら行動することが大事だと思うのです。

 特に対戦ゲームでは相手に気持ちよくなってもらうことは、想像以上に大事なことが多いですよね。相手が気を使ってくれているなと感じれば、こちらもしっかりそれにお返しをしようと思うだろうし、イラつくような態度であれば、それなりのお返しが来るでしょう。

 その時の相手にはその気持ちが通じないかもしれません。でもそこで「こっちはこんなに気を使っているのに・・・」と考えてしまったら、それはマナーを勘違いしているんだと思います。おそらくこちらの何かが間違っているか、相手は感じているけれどうまくそれを表現できていないだけなんだと思うんです。

 そうやって常に自分のマナーだけを省みていれば、相手に対してイラつくことはなくなると思います。相手に自分流のマナーを押し付けようとするから、相手がおかしいと感じてしまう。マナーは自分の中だけにあるものなのです。

 もちろん大方のコンセンサスが取れているマナーは存在しますが、その場でそれが適用されるべきかというのは場合によるし、考えても仕方がないように思います。

気になるマナー違反

 福ちゃんのアンケートではいわゆるマナー違反と思われる行動をあげて、皆さんが気になったものをあげてもらっています。

 もちろんこれは皆さんがよく見かけたマナー違反を知り、運営として参加者の皆さんに注意を喚起していく参考にしようというものです。ただそれだけではなく、どのような行動を皆さんが嫌だと思うのかということを知るために行っているものでもあります。

無言プレイ
 これは上に挙げた緊張とか性格とかで、つい無言になってしまう人というのは一定の割合でいると思うんですよね。もちろん厨二病でそのような自分を格好いいと勘違いしている例もあるとは思いますが・・・。

 ただこれに関しては、技や特性の宣言などルールになっていますので、どんなに内気な人もこれは頑張って欲しい。ゲームの進行に支障をきたす場合があり、自分にとって不利になることが多々あると思います。本当は相手の目を見てはっきり宣言するのがいいのですが(相手が了解しているかを確認するためにも)、厳しい人はとにかく自分なりに宣言するようにしてもらいたい。

 そして相手の無言プレイが気になった場合は、さりげなく注意を促すこともオトナプレイヤーは意識していきたいですね。注意されないとそれでいいと勘違いしてしまう可能性ありますし、そもそも悪いことに気づいていないかもしれません。

遅いプレイ
 これは本当に難しいです。意図的な遅延についてはジャッジを増やしたり、目を光らせることで対処できますが、ただただ考えが長くなる人というのはいるので、その場合はやはりさりげなく指摘するか、自分の時間をできるだけ早く終わらせるように気をつけるしかありませんね。

 福ちゃんに参加されている方は少しずつ早くなっているし、引き分け両負けというルールもだいぶ浸透してきていると感じています。ただどうしても遅くなる方はいらっしゃいます。上級者の方は公式大会でそういう人に当たった時の練習だと思って前向きに対処していただけると助かります。実際うまく急かしたり、自分のプレイングスピードを上げることで対処できることも多いので。

シャカパチ
 これはまあ僕は鼻くそをほじくる癖のようなものと思っています。見た目格好悪いけど、それを止められないのなら仕方ないよねって。こう考えると必死にシャカパチしている相手を見てもあんまり気にならなくなります。集中できないくらいうるさい場合はジャッジ呼んでください。

カードの扱い
 これが気になる気持ちはよくわかります。でも相手がとても急いでいるとか、すごく緊張しているのかもしれません。そうでなさそうなら、さりげなく注意することは可能だと思います。自分が相手のカードを触る場合はできるだけ丁寧にして見本を示すのもありでしょう。傷がつきそうなほど酷い時はジャッジを呼んでください。

巻き戻し
 これはルールの問題なので、巻き戻しが無理な時はしっかり伝えましょう。伝え方は大事だと思います。特にあまり大会になれていない方の場合、よく理由がわからない方もいらっしゃる可能性がありますので。もめそうになったらジャッジを呼んでください。

挨拶や態度など
 にこやかに対戦できる人とそうでない人がいらっしゃると思います。真剣勝負だから歯は見せないという人もいるかもしれません。もしくは悔しくて言葉が出ないとか、涙をこらえているのかもしれません。これは自分が一番かっこいいと考えるスタイルで対戦していくしかないと思います。同じスタイルで盛り上がればそれに越したことはありませんが、この人とはスタイルが違うんだなということを認めれば、あまり気にならないんじゃないかと思います。

まとめ

 世の中にはいろんな人がいるということ、そして他人を操ることは(簡単に)できはしないのだから自分のできることやるしかない、ということをオトナとしてしっかり認識することが大事だなと考えています。

 もちろんこれも僕個人の考えなので押し付けるつもりはありませんが、割と楽に生きていく役には立っているかなと思ってます。

 また自主大会の運営としては、できるだけ多くの方に対戦を気持ちよく楽しんでもらいたいので、一般的なマナーについては意識していただけるよう注意はしていくつもりです。どうしても納得のいかない不愉快なことあればDMやアンケートの自由記述欄などでお伝えいただければと思います。


 よかったらみなさんの考えも聞かせていただければ幸いです。


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