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短編百合小説シリーズ

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一話完結型の短編百合小説を随時追加していきます。
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記事一覧

【百合小説】金のジグザグ

 (※支援用に有料にしてありますが、本文は全て無料でお読みいただけます。)

 妖精さんみたい子だなあ、というのが私の第一印象だった。
 夏の陽射しに照らされた髪の毛はきらきらと金色に輝いていて、瞳は青にも灰色にも見える不思議な色合い。病的なまでに白い肌、ほんのりと浮いたそばかす……それらの要素は、全て彼女の神秘的な魅力を引き立たせるのに十分すぎるほどだった。
 じいっと見つめたまま呆けている私と

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【百合小説】幼馴染みだから、だけど。

(※支援用に有料にしてありますが、本文は全て無料でお読みいただけます。)

 私と萌乃ちゃんは、小さい頃からよく一緒にお風呂に入っていた。
 家がお隣さん同士ということもあって、昔から家族ぐるみの付き合いがあった。だから気軽にお互いの家に遊びに行けたし、そのまま相手の家に泊まり込んでしまうこともしばしばだった。そういう訳で、一緒にお風呂に入る機会も多かったのだ。
 萌乃ちゃんとは幼稚園も小学校も同

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【百合小説】保健室だより

(※支援用に有料にしてありますが、本文は全て無料でお読みいただけます。)

「あ、今日は浮気してないんですね」
 保健室の扉を開け、他の生徒が誰もいなかったので私は安心した。誰もいないことの方が多いけれど、やっぱり年頃の女子高生となれば心身の相談事や部活動中の怪我なんかで先客がいる場合もある。今日は『当たり』の日だ。
「もう、変な言い方しないでちょうだい。他の生徒の面倒を見るのも仕事のうちなんだか

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【百合小説】図書室のアンジュ

(※支援用に有料にしてありますが、本文は全て無料でお読みいただけます。)

 勉強の手を休め、ふと顔を上げた視線の先には、一時間前から図書カウンターの前で微動だにせず座り続けている女の子の姿があった。
 髪は真っ黒で腰近くまで伸びており、一本の枝毛さえ許さないような艶やかさを湛えていた。横から見ると顔の輪郭の美しさが際立っていて、ぷっくりと膨れた唇やきゅっとすぼまった顎のラインなんかはもう芸術と呼

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【百合小説】主人と従者

 (※支援用に有料にしてありますが、本文は全て無料でお読みいただけます。)

 そっと忍び込んだ立花様の部屋は、やっぱり立花様の匂いに満ち溢れていた。
 この広い屋敷の若い女主人でもある立花様は、普段自分の部屋にあまり人を入れたがらない。親しいご友人が来訪された際も、お客様を二階の私室に通すようなことはせず、大抵は一階の応接間で用事を済ませてしまう。自分の部屋の掃除さえ一人でやってしまうというのだ

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