『シラノ・ド・ベルジュラック』と戯曲と #学美 と #テーマ別web展 と『ミセス・ノイズィ』と小説と

 12月に入って、仕事がcovid以前と同様の忙しさになりつつある。おかげで毎日20時やら21時まで働いたり。covid以前とはまたちがう理由での多忙化ではあるだろうけれど。

 『白鴉』32号に載せる作品の直しがそろそろ終えたい。31号でできていた頁デザインがなぜかできなくなっていたり、やはりInDesignを勉強するべきかと何度めかに思うものの、古すぎてtumblrのみならずfacebookにまで撥ねられるようになった私のPCなので、まずこちらをどうにかするべきだろう。誰か私にPCを買ってください。それにしても今回も40枚弱程度に落ちつきそう。たぶん例会に出したときよりはましな作品になっているのではないかと。

 『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』を観て、そういえば『シラノ・ド・ベルジュラック』読んでないなと古典新訳文庫を買い、ちょっと前に買っていた『賢者ナータン』を読もうと思って読み、そういえば『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』にチェーホフ出てたな、と『ワーニャ伯父さん/三人姉妹』を読んでいるうち、『チェーホフ・ユモレスカ』って何巻出てたっけ、と調べたら2巻で完結していると判明。ならあと2巻だけ買えばいいわけだ、とちくま文庫のシェイクスピア全集は22巻まで読んでいて、ギリシャ悲劇は1巻のみ読んでいると確認しつつ、もうちょっと来年は戯曲も読むようにしたいところ、とか書いて32号に載せた作品を読まれるとまるで私が戯曲を書こうとしているかのような感じになってしまいますが、大阪文学学校に戯曲科ができたら復学考えてもいいな、ていうか戯曲科ないくせになにが「文学」学校やねん、くそが、先にラノベ科とか創りやがって、ついでにラップ科とか創ってみやがれ、程度には考えてます。なんでないんでしょうね。ふしぎ。そして『シラノ・ド・ベルジュラック』はいつ読むんでしょうね。

 戯曲といえば私の所属する『白鴉』は玄月氏が『文學界』に転載されてのちに芥川賞候補になるきっかけとなった作品が「舞台役者の孤独」であったり、OBのS儀氏がずっと語り継がれていた作品が劇団を扱った「女たちのジハード」であったりと、わりと舞台関係出てきてたな。

 何年か前から足を運んでいる学美こと在日朝鮮学生美術展だが、このたびweb展が開催されたのでここでご紹介しておきたい。10月の記事で紹介した作品もいくつかあるけれど、フォントを自作していたり短篇ドキュメンタリーを制作していたり、あの「コロナオール」の作者はどうやらwebsiteまでデザインしていたり(その昔、タグ手打ちでwebsite作ってみたりしていた人間としてはその苦労が偲ばれる)、打ち込みらしき曲と歌声を披露していた「声」が今回youtubeで発表されており、そこに歌詞が載っていたりと、多彩で楽しいのでみなさまどうぞ観てください

 評判がよく、なんとなく面白そうだと思って観に行った『ミセス・ノイズィ』が期待以上によかった。かつて奈良で起きたあの報道がモチーフとなっていて、小説を書いている人間が観ると背すじを伸ばさずにはいられなくなる内容。とくに私のように私小説に近い(池澤親子に嘲弄される)作品を書く人間には恐ろしくてしょうがない展開となっています。とにかく話の運びが巧かったですね。主人公が新人文学賞獲ってどれくらいのキャリアなのかがちょっとわかりづらかったですが。「文藝界」とかちょっとした小ネタもいい感じでした。あの出版社はたぶん幻○舎やな、とか。あと、あのキャバ嬢が、そこそこ本好きでわりと自然に本質をついた評をしてくるあたり、やり過ぎてないバランス感覚がさすがでしたね。あれ、下手な男が書くと妙に文学に詳しすぎたりしそうですしね。ロマン求めすぎてね。夜職女性に対して妙に文学的知性求めがち問題。思いあたるところのある人は多いのではないでしょうか。パンフレット買ってなかったのですが、西森路代氏が書いていると知ったので明日にでも買いに行く予定です。


さいきん読み終えた本
『ハインリッヒ・フォン・クライスト──「政治的なるもの」をめぐる文学』(インスクリプト)
ゴットホルト・エフライム・レッシング『賢者ナータン』(光文社古典新訳文庫)
宇野邦一『予定不調和──境界の小説』(河出書房新社)

さいきん観た映画
『Mank/マンク』(デヴィッド・フィンチャー)シネマート心斎橋
『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』(アレクシス・ミシャリク)テアトル梅田
『ミセス・ノイズィ』(天野千尋)大阪ステーションシティシネマ
『燃ゆる女の肖像』(セリーヌ・シアマ)大阪ステーションシティシネマ

過去のブログ記事
略歴と作品


投げ銭はかならず創作の糧にさせていただきます。よろしくお願いします。