見出し画像

もしも私がジャニーズ所属のタレントだったら、どう動くだろう。

このツイートをしたのが10日(日)。その後の1週間で、まさにその通りの展開となった。

こうして並べてみると、まだほとんどの企業が対応を決めかねているなか、

「取引を継続すれば、私たちが人権侵害に寛容ということになる」
「人権を損なってまで必要な売り上げは、1円たりともありません」

と強烈なメッセージを発信して、自社の理念を掲げてみせたアサヒGの姿勢はもっと評価されてしかるべきだと思うし、一度は示した社の方針を、世間の反応によってあっさりと覆した花王やモスバーガーは、「自分のアタマで考えることができない企業」とのレッテルを貼られてしまっても仕方がないだろう。

とはいえ、私自身はビジネスの専門家ではないし、この件についてはすでに多くの方が意見を述べたり、解説したりしているので、私はまた別の視点から語ってみようと思う。

「もし、私がジャニーズ所属のタレントだったらどうする?」

いや、四肢のない47歳のおじさんが「もしジャニーズだったら」と仮定の話をすること自体がおこがましいのは百も承知なのだが、ここはあくまで頭の体操としてお許しいただきたい。

「所属タレントに罪はない」という意見も散見されるものの、やはり「いまジャニーズを起用することはリスクでしかない」とメディアや広告業界から敬遠され始めてしまっているなか、もし私自身が所属タレントだったらどんな動きをするだろうか。

「もしも私がジャニーズ所属だったら」を考えるにあたって、まずは「タレントに罪はない」という言説ときちんと向き合っていかなければならない。

たしかに「タレントに罪はない」のはその通りだ。それはもう少し言葉を補うと、「だから事務所及び創業者の不祥事とタレントは切り離すべきだ」という主張になるのだろう。だが、その際にどうしても引っかかるのは、「そのタレントが現在の価値を築くことができたのは、事務所の力に依るところが大きかったのではないだろうか」という点である。

たとえば演技力に優れた俳優やセンス抜群のお笑い芸人などであれば、多くの人に「この人はどの事務所に所属していても売れていたのではないか」と思わせるのかもしれないが、こと男性アイドルという職業(ポジション)においては、どうしてもジャニーズ事務所所属であることは非常に大きな意味を持つ。裏を返せば、ジャニーズ所属でなければ、おそらく現在の人気や評価を得ることは難しかったのではないかと想像できる。

そうして事務所のおかげで「いまの自分」が築かれたのだという自覚があれば、おそらく私の性格上、「事務所の不祥事と、タレントである私は無関係です!」と開き直ることは難しそうだし、他の事務所への移籍ということも不義理に感じられてしまいそうだ。

ならば、選択肢はひとつしかない。

              ------✂------

ここから先は有料公開となります。

個別の記事を数百円ずつご購入いただくよりも、定期購読マガジン(月額1,000円)をご購読いただくほうが圧倒的にお得となります。

月の途中からご購読いただいても、当該月の記事はすべて読めるようになっているので、安心してご登録ください。

記事の更新はみなさんからのサポートに支えられています。ぜひ、この機にご登録をお願いします!

「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.com/h_ototake/m/m9d2115c70116

ここから先は

1,582字

¥ 300

みなさんからサポートをいただけると、「ああ、伝わったんだな」「書いてよかったな」と、しみじみ感じます。いつも本当にありがとうございます。