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【全文無料公開】この仕事を始めるキッカケ編                キタムラの「冷製」マネジャー日記 #223


こんにちは。「乙武の右腕」ことキタムラです。基本的に乙武の1週間のスケジュール紹介を中心に、思ったことを適当に書いていきます。たまに毒も吐きますが、温かい目で見守っていただければ幸いです。それではよろしくお願いします。

さーて、地獄の苦しみである日記の締め切りで何書こうかなー、スケジュールどんな感じだったかなーとカレンダーを見返すと世の中はお盆休みでありました。真っ白な仕事のスケジュールを眺めながら絶望しております。頼りのひろゆき氏もフランスに帰国し、ネタも皆無。写真も特にない。さて困った。

そんなときはスピンオフ作品の無料公開と相場が決まっております。確か、前回の無料記事がこの仕事を始めるキッカケのお話ですね。前編だけ公開して後編を購入してもらおうという魂胆だったはず。

まだ見てないかたはこちらで無償で読めますので時間が余ってしょうがない方はこちらからどうぞ!

ということでここはひとつ、後編も無料公開とさせていただきましょうか。多少時間が経っておりますので、ところどころ加筆修正してお届けいたします。

題して、「見たこともない景色、ここが地獄か!編」ですが、まずは時間のない方のために前編のあらすじをどうぞ。

[あらすじ]
魚介類アレルギーを発症し、志半ばで和食料理人としての道を閉ざされたキタムラ。そこに蜘蛛の糸を垂らすように現れたオトタケと旅行会社の社長。オトタケのマネジャーかシアトルでカレー屋社長かという、本来ならけっして迷わないはずの二択。なにをトチ狂ったのか、キタムラはオトタケを選んでしまいます。ここから「オトタケの右腕」としての生活が始まったのですが……。


「見たこともない景色、ここが地獄か!編」


今からちょうど14年前、見たこともない景色を夢に描いて東京へ向かう決心をした男がおりました。その名はキタムラ。オトタケの右腕になるべく上京の準備にいそしみます。
「いちおうパソコンとか使えるようになっといて!」と言われたので、友人の教室に通うことにしました。おもな業務はスケジュール管理、現場までの運転、打ち合わせへの参加とのことでしたが、慣れない仕事をきちんとこなせるのかビクビクしているところに、オトタケから電話が入ります。
乙「なんか緊張してるみたいだけど、俺も教員を終えて少しはゆっくりしたいから、しばらくは丸の内のオープンカフェとかで原稿書いたりするよ。キタムラ君もけっこう時間があると思うから適当に資格とか取ってていいよ。とにかく楽しくやろう」
私「はえ~、いいですね。丸の内ってあのテレビでよく見るオシャレな街並みのところでしょ? めっちゃ楽しそう。来春が待ちきれないっす」
この会話は今でも覚えています。なんといい上司に恵まれたのだろうかと思いました。これで私の上京物語はバラ色に違いないと、壮大なフラグが立ちました。


そして迎えた2010年4月1日。
              
着慣れないスーツを着込んで、ある人との面会が初仕事でした。その人は誰もが知る大物政治家です。何の話かなと思ったら、オトタケの手を握り(ないけど)、涙を流しながら「わが党のために立ち上がってくれないか(立ち上がる足がないけど)」と。初出勤でいきなりこんなシーンを見せつけられ面食らう「右腕(見習い)」は、これがTOKYOか~と感心いたしました。
夜は夜で、当時、講談社のレジェンド編集者、小沢一郎さんから神楽坂で美味しいゴハンをご馳走になって、なんかキレイなおねーさんが隣に座ってくれるお店まで連れていってくれました。初日がこんな感じだったので、これはこれでなんか見たこともない景色ではあったのですね。これがTOKYOか~! てな具合に。

これから訪れる刺激的な毎日を予感させるには充分すぎるほどの初日を終えたキタムラだったのですが、残念ながらこのような日はもう訪れませんでした。4月1日が、たまたま例外的に刺激的な日だったのです。
ところで、オトタケが私の上京前に言っていた「しばらくはゆっくりしたいので、キタムラ君は資格でも取って」的な話、あれはまったくのウソでした。オトタケは原稿を事務所でしか書かないし、元料理人としての腕を買われてか食事を作らされるから時間も取れないし、何よりスケジュールをテトリスのように朝から晩まで埋めていくワーカホリックな奴だったのです。丸の内は? オープンカフェは? 資格は? そんな暇は一切ありませんでした。家庭料理の腕だけがメキメキと上達していきます。完全に騙された。こんなことならシアトルでカレー屋さんをしておけばよかった。
しかし私もまだまだ修行中の身、あれこれ文句言うのはよくないと、そういう思いは心の奥にしまい込み、いつかどこかでブログとかで、2000字くらいの毒を吐くんだと誓ったのでありました。


――いかがでしたでしょうか? 『キタムラの「冷製」マネジャー日記』のスピンオフ企画。オトタケとキタムラ、マネジャーになってからも、なんだかんだ14年目を迎えているので、それなりにウマが合っているということなのでしょうか? 
じつは私、オトタケの歴代マネジャーとしてはぶっちぎりで最長記録を更新し続けております。そして、あのとき誓った夢を叶え、つれづれなるままに毒を吐くことを仕事とするようになりました。ちなみに資格に関しては、まだ1つも取れておりません。(その後、重度訪問介護の資格をゲットしたよ。その時のお話はまたしても記事に書いているから是非読んでみてください。)

念願?の資格ゲット前編

念願?の資格ゲット後編

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