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オトタケ、お風呂で溺れる  キタムラの「冷製」マネジャー日記 #225

こんにちは。オトタケの右腕ことキタムラです。1週間のオトタケのスケジュールについて、ごくごく軽い毒を交えながら、つれづれなるままに書いております。今週もおつきあいのほど、よろしくお願いします。

さて、前週の日記ではオトタケがすったもんだありながら、なんとかイタリアへ飛んでいきました。それによって得た私の夏休み期間中、この日記のネタがないということで、昔に書いた記事を使い回すことでお茶を濁す作戦。今回、新たな試みとして、X(旧Twitter)でアンケートを取ってみたわけでありますが、結果はご覧の通り。

500人を超える方々が投票してくれました。ありがとうございます。
義足プロジェクトや参議院議員選挙といった社会的な活動ではなく、およそ4分の3の方がオトタケがどう見ても幸せそうでないタイトルをご所望の様子。皆様とは仲良くやれそうである。

ということで、今回の無料公開は「オトタケ、お風呂で溺れる」です。

この記事は2020年4月30日に公開されたものです。ほんの少しだけ修正を加えてお届けします。

新型コロナウイルスの感染予防のため、活動が制限されている。オトタケとの接触8割減は達成できたものの、そのために「日記」が書けなくなって久しい。ここのところずっと思い出のエピソードを書いているが、ネタも底をついてきたと嘆いていた。

すると、オトタケからラインが来た。

【マネジャー日記・ネタ候補】
・キタムラのLGBT観🏳️‍🌈
・キタムラから見た映画『最強のふたり』
・オトタケと飛行機に乗る
・オトタケがホテルの温泉で溺れる

律儀にもオトタケ自らネタを提案してきたのである。よいマネジャーだ。
どれを採用しようかと考えながら、オトタケのインスタグラムを見ていたら、なんと、入浴シーンを上げているではないか。これは明らかにハラスメントである。ここでリンクなど貼ってやるはずもない。こういうことは本当にやめてほしい。……ということで、今回は「オトタケがホテルの温泉で溺れる」を採用することにした。

あれは2010年の寒い季節、講演で東北地方某所に泊まりの出張で出かけた時の話である。ホテルには、ありがたいことに温泉がついていた。講演会を終えてホテルに帰ってきたワタシは、オトタケを寝かしつけてから一人でゆっくり温泉に入ろうと考えていた。

ところが、オトタケも大浴場に行きたいと言い出したのである。オトタケは通常、大浴場には行きたがらないのだが、とても寒い夜だったので、大きな湯船に浸かりたいと思ったのだろう。ワタシは聞こえないように舌打ちをし、渋々オトタケを連れて大浴場に向かった。

大浴場は貸し切り状態で、我々以外にお客さんはいなかった。ガランとした大浴場の洗い場で、オトタケの身体をテキトーに洗い流し、自分も身体を洗う。その間にオトタケは湯船のほうへ一人で向かっていった。

私はシャンプーをしている最中に、よからぬ想像をしてしまった。他のお客さんもいないし、私が目を離している間にオトタケが溺れたら助けるものはいない。シャンプーを洗い流して顔を上げたとき、オトタケが溺れていたらどうしよう・・・。






絶対笑う。


そんなアホなことを考えながら、湯船を見やる。なんのことはない、オトタケはご機嫌に鼻歌を歌っている。人の気も知らないで呑気なもんだ。冷水でもブッかけてやろうか。

そんなこんなで、オトタケと湯船に浸かる。贅沢に湯船の端と端に陣取って、他愛もない話を始めた。ちょうどオトタケが書いた初めての小説『だいじょうぶ3組』の映画化が決まったタイミングだったので、「キャストは誰になるんだろう」なんていう話だった。ちなみにこの小説、あの堀江貴文氏が涙したという傑作なので、ステイホームのお供にぜひ。

あーでもないこーでもないと言いながら露天風呂へ。ワタシの後をヒョコヒョコついて来るオトタケ。かわいいヤツよのう。冷たい外気に触れながら、湯船につかり、温度差を楽しむ。オトタケは少しのぼせてきたようで、湯船の中まで続く手すりに両腕を引っ掛けて、体をブラブラさせ始めた。

ちょうどここに「さるぼぼ」があるので、これで再現してみよう。

オトタケはこんな感じで、鉄棒のようにブーランブーランぶら下がっていた。

話が盛り上がり、オトタケが演じる教師の恋人役にはどんな女優さんがいいかと、キャッキャウフフしていたその時、

「あっ!」

腕を滑らせたオトタケが、湯船に落ちた。
水しぶきを上げ、仰向けで轟沈した。
完全に沈んだ。
……おや、水中で1回転。
クルッとうつ伏せになるや、プカプカッと浮いてきた。


突然のことに言葉を失い、動けなくなるキタムラ。そして、次の瞬間……。





爆笑した。


腹がよじれるほど笑った。露天風呂だから、外までワタシの笑い声が響き渡った。落ちたところまでは耐えられたが、水中でクルッと回ったとこで無理だった。オトタケが溺れ死ぬ前に、先にこっちが笑い死にするかと思ったぐらいだ。

さて、ひとしきり笑ったところで、、、
どうしようか、この全裸で浮いているオッサン。

さっきから微動だにしない。それもまたウケる。

とりあえずそのまま観察し続けた。まったく動かないが、溺れている感じではない。息を止めて浮いているようだ。いちおう安全を確認したワタシは、いちばん深いところまでオトタケの体を押してみた。それでもオトタケは反応しない。ここまで、水没から30秒ほど。そろそろ潮時と踏んだワタシは、オトタケをかかえ上げた。

「ぶはー」

無事生還した。なぜかオトタケも爆笑している。

乙「いや、笑い声めっちゃ聞こえてたし」
右「なんで手足をジタバタさせるとかしなかったんですかwww」
乙「落ちた瞬間、自力で起き上がるのはあきらめた。だから、なるべく体力を温存しようと思って。さすがに助けてくれるだろうと思ったし」
右「自分一人では仰向けになれないんですか?」
乙「体の構造上ムリだった」

冷静である。冷静マネジャーもびっくりの冷静さだ。そのおかげでワタシは楽しませてもらったわけで、あそこでジタバタされるとすぐ助けなくてはならなくなる。わかってるじゃないか、オトタケさん!

またこんな機会を作ってくれるなら、大浴場も大歓迎。次に溺れたときはどんなふうに遊んでやろうか……などと考える、不謹慎極まりない右腕であった。

ちなみに、映画化された『だいじょうぶ3組』でのオトタケのお相手役ですが、原作には存在したキャラクターなのに、なぜか映画では消されておりました。その代わり(?)、補助教員役の国分太一さんの恋人役として榮倉奈々さんが出演しています。

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