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キタムラの「冷製」マネジャー日記 #218

こんにちは。「乙武の右腕」ことキタムラです。基本的に乙武の1週間のスケジュール紹介を中心に、思ったことを適当に書いていきます。たまに毒も吐きますが、温かい目で見守っていただければ幸いです。それではよろしくお願いします。

さて、今回はスピンオフ企画です。なにか新しいテーマに沿って書くか、それとも過去作品を無料公開するか、迷った挙句、今回も過去の日記に少しだけ手を加えて無料公開することにしました。決してサボっているわけではありません。最近オトタケのマガジンを読み始めた方の中には、まだ読んでいない方も多いと思うので、私のことを知ってほしいだけなんです。信じてください。よろしくお願いします。

と、いうわけで今回のサボり企画は「この仕事を始めたきっかけ」編です。

 

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あれは、オトタケが小学校の教員をしていた2008年初夏の出来事でした。私は家業の料理屋さんの跡目を継ぐべく精進しておりました。修行先の京都の和食店で、せっせと京都の初夏の風物詩「鱧(はも)」をかっさばいていた時のこと、全身のかゆみと左手の腫れに気づいたのです。

しばらくすると、左手はグーができないほどに腫れてきました。もともと甲殻類アレルギーを持っていたのですが、あまりのことに見かねたお店の大将から、「病院行って来い」と言われ、病院で検査を受けたのです。そして後日、医師から衝撃の事実を告げられました。

 

医「あなた、魚介類アレルギーですよ」

私「へ? エビとカニだけでなく?」

医「はい、タイとかマグロとか鮭とかイカとかタコとか。海の生き物ぜんぶです」

私「あの~僕、いちおう板前なんですけど……」

医「あ~(笑)」

私「(なにわろてんねん)触るのもだめですかね?」

医「左手が腫れてるのは触ってるからじゃないですかね? 右手は包丁だし」

私「そうですか……」

医「あ、海藻は大丈夫です(ニッコリ)」

私「(なにわろてんねん)そうですか……」

トボトボと病院から店に戻ると、大将や女将さんが心配そうに待っていました。

大「どやった?」

私「魚介類アレルギーだそうです」

大・女「あー(笑)」

私「(なにわろてんねん)スンマセン。とりあえず抗アレルギーの薬もらったんで試してみます」

魚介類を扱う仕事をするうえで、致命的なこの病状。薬を飲みながら仕事を続けたのですが、副作用にも悩まされ、しばらくは魚介を扱わない仕事をすることになりました。

一方、その頃のオトタケは、「人生で一番しんどい時期だった」(本人談)教員生活の真っ只中。たまの休みに京都に来ては、私と会ってメシ食ったりしてました。

私「どうっすか? 小学校の先生は?」

乙「せっかく京都に来てるんだから、学校の話はしないでくれない?」

私「へー、大変なんですね~。ところで僕、魚介類アレルギーを発症してしまって、仕事どうしようか悩んでるんスよ。」

乙「え? マジ(笑)? ムリじゃん!」

私「なにわろてんねん。どいつもこいつも笑いやがって! まあええけど」

ってな感じで、私は料理人としての道をあきらめざるをえなくなってしまったのです。オトタケも教員の仕事に壁を感じているみたいだったし、おたがい悩み多き時代だったんですねえ。

それから1年後の2009年秋、オトタケから電話が入ります。

乙「久しぶり~。仕事ってどうしてんの? じつは今のマネジャーが教員になることになって、来年の3月で辞めるんだ。もしよかったら、俺んとこで働いてくれないかな?」

私「ほう、なるほど。じつは1件お話をいただいていておりまして、シアトルで飲食店やってくれないかと言われてるんです。社長として。今月シアトルに行ってくるので、返事はその後でもいいですかね?」

乙「そうなのか……。シアトルじゃあ分が悪いな。めっちゃ魅力的じゃん」

私「そうなんですよ~」

その当時、働いていたお店のお客さんで旅行会社を営んでる社長さんが、私をシアトルに派遣してカレー屋さんを任せようとしていました。その後、実際にシアトルに赴いたときには、社長さんのご友人や関係者にカレーをはじめとする料理を振る舞ったり、セーフコ・フィールドでメジャーリーグの試合を観戦したりと、それはそれは素晴らしい1週間を過ごしました。

野球に興味のない方にはさっぱりかもしれませんが、シアトル・マリナーズのイチロー選手とニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手の日本人対決の試合を観戦したときには、ヤンキースの伝説の守護神、マリアノ・リベラからイチローが放ったサヨナラホームランを目撃するという、ファン垂涎の貴重な体験もさせていただきました。

 

帰国後、私はオトタケサンに電話をかけました。

私「こないだの返事ですが、乙武サンのところでお世話になります」

乙「え? いいの? てっきりシアトル行くもんだと思ってた。俺だったらそうするし」

私「いやー、僕、東京好きなんですよね~」

乙「…………」

こうして、翌春からの就職先が決まったのです。こんな感じで書いてますけど、オトタケといると、見たこともないようなステキな景色が見られると思ったんですね。シアトルについては、丁重にお断りしました。ありがたいことに、社長さんとは今でも交流が続いています。

 

というわけで、オトタケのもとで働きだしてちょうど13年が経ちました。ただ、このお話には続きがございます。詳しくは後編の「見たこともない景色、ここが地獄か!編」をご覧ください。決して最初から後編を読んでほしくてに無料公開したわけではありません。

ただただ、私のことを知ってほしいだけなんです。信じてください。よろしくお願いします。

 

 

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いかがでしたでしょうか? オトタケがその1週間に何をしていたのかを書くのが「キタムラの「冷製」マネジャー日記」の基本スタンスですが、オトタケの休暇中だけでなく、コロナ禍で仕事がなくなった時も、スピンオフ企画と称して思い出話や時事ネタを書いてきました。むしろその時の方が読まれているみたいで、オトタケ曰く「スピンオフがとってもよい」といういうことなので、以下にリストアップしておきます。

 

#49 2019年振り返り
#52 フィリピン珍道中 前編
#53 フィリピン珍道中 後編
#62 オトタケ詐欺にあう 前編
#63 オトタケ詐欺にあう 後編
#65 ワイドナトラブル
#66 オトタケ温泉で溺れる
#67 飛行機の乗り方
#68 キタムラが観た映画『最強のふたり』
#69 マネジャーのお仕事
#70 キタムラ的LGBT論
#71 キタムラ的誹謗中傷論
#72 キタムラが選ぶオトタケYouTubeのムカつくポイント
#75 歴代都知事とオトタケ
#82 カラオケバトル悲喜こもごも
#100 極私的名場面 10~6位(無料)
#101 極私的名場面 5~1位
#106 クラブハウス狂騒曲
#107 森喜朗元五輪組織委員会会長の失言と裏側
#111 オトタケとキタムラの3.11
#135 重度訪問介護資格ゲット 前編
#136 重度訪問介護資格ゲット 後編
#155 YouTube隠れ名場面
#175 義足プロジェクト 集大成国立競技場編 前編
#176 義足プロジェクト 集大成国立競技場編 後編
#181 参議院議員選挙総括 前編
#182 参議院議員選挙総括 後編
#188 参議院議員選挙裏話 前編
#189 参議院議員選挙裏話 後編

1話ずつ購入できますので、ご興味がある方はぜひ読んでみてください。

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