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「第二、第三の桜田大臣」を生まないために私たちがすべきこと。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.mu/h_ototake/m/m9d2115c70116

「ついに」とか「やっと」という言葉がふさわしいのかもしれない。桜田義孝東京オリンピック・パラリンピック担当大臣が、辞任することとなった。

これまでの失言・問題発言は、枚挙にいとまがない。 

・(大臣就任会見で)「東京パランピック、パラピック、パラピック競技大会、東京パラリンピック競技大会担当大臣の桜田義孝でございます」
 → 自分が何を任されるのかわかっていない。

・(サイバーセキュリティ戦略副本部長だが)「自分でパソコンを打つことはありません」
 → なぜ引き受けたのか。

・(USBメモリについて質問を受け)「使う場合は穴を入れるらしいが、細かいことは私はよくわからない」
 → 「穴があったら入りたい」でしょう。

・(大会予算の国の負担分は「1,500億円」だが)「1,500円」
 → ずいぶんと安上がり。

・(立憲民主党・蓮舫議員を)「れんぽう」
 → そんな議員はいない。

・(防衛大綱について問われ)「防衛に関することは国防省だ」
 → そんな省庁はない。

・(宮城県石巻市(いしのまきし)」を)「いしまきし」×3回
 → そんな自治体はない。

・(競泳・池江璃花子選手の白血病について)「がっかりしている」
  → これはマスコミの切り取り報道がひどい。

・(五輪憲章は)「話には聞いたことがあるが、自分では読んでいない」
 → 免許証なしに車を運転するような話。

・(東日本大震災当時の状況について)「国道や東北自動車道が健全に動いたからよかった」
 → 当時、寝てたのか。

・(高橋比奈子議員のパーティーで)「復興以上に大事なのは高橋さん」
 → 高橋担当大臣だったのか。

 なかには池江選手に関する発言のように、マスコミの誘導尋問にまんまとハメられた感のあるケースもあれば、桜田氏の無知を世に晒そうという野党の底意地の悪い質問に狙い打ちされた感も否めない。

 が。

 それにしても、ひどすぎやしないだろうか。ちなみに、上記の発言はすべて大臣在任中のわずか半年間によるものだ。これでは辞任して当然。遅きに失したとも言える。

 さて、この件に関するメディアの報道を眺めていると、どうしても違和感を覚えずにはいられない。あくまで桜田氏の発言に対する怒りを前提にしているものの、どこかで彼のことを笑い者にしているようにも見えてしまう。

 いや、本当は怒ってなどいないのかもしれない。こんなに“コンテンツとしてオイシイ”道化師が表舞台から去ってしまうことに、メディアとしては、どこか寂しささえ覚えているのではないかと勘ぐってしまいたくもなる。

 だが、本来、メディアがすべきなのは、桜田氏個人の発言をあげつらい、人格否定とも取られかねない批判を浴びせ続けることだろうか。もちろん、初出のタイミングではその発言が適切なものだったのか、その是非を問うことは必要だろう。だが、いつまでもその発言にこだわるよりも、「第二、第三の桜田氏」を生まないために、私たちがどんなことに注視していく必要があるのかといった報道に切り替えていくことのほうが、よほど価値があると考えている。

 大事なポイントは、二つあると思っている。

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