【専門家に聞いた】プロ野球選手に「茶髪、長髪、ヒゲの禁止」は違法か、適法か。

先週は、元プロ野球選手・清原和博さんの発言が炎上していました。北海道日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志さんの会見を見て、「ちょっとイラッとしました」とコメントしていたのです。「イラッ」の理由は、その服装。規格外に襟の大きな白シャツにワインレッドのスーツというド派手なスタイルに対して、「プロ野球の監督になったら、ある程度はちゃんとすると思ったんですよ」「プロ野球のOBたちって、絶対に口に出さないと思うんですけども、みんな嫌な気分になってるのは間違いないと思いますよ」と苦言を呈していました。

本来なら、「規律に厳しい、うるさ方OBのコメント」といった程度の受け止められ方で済みそうなものですが、今回の清原さんの発言に対しては「どの口が言ってるんだ」「特大ブーメランが突き刺さっている」と批判が殺到し、炎上状態になっています。というのも、清原さんは現役時代からピアスを身につけたり、刺青を彫ったり、またOBになってからも上下真っ白のド派手なスーツに身を包んで球場に現れたりと、「身だしなみ」という意味では決して品行方正なタイプだったとは言いがたいだけに、完全な「おまいう」状態となってしまっているのです。

さて、件の発言は、清原さんが運営するYouTubeチャンネル『清ちゃんスポーツ』でのものでしたが、じつはこの動画には続きがあるんです。新庄監督と同じタイミングで、来季から中日ドラゴンズの指揮を執ることになった立浪和義新監督についても言及しているのです。

立浪新監督は、就任にあたって次のような方針を打ち出して話題になりました。

「今の時代にあまり規制をかけることは良くないことかもしれないが、やっぱりスポーツマン選手はスポーツマンらしく、ファンのみなさんも見ているし、髪形にしても、そういったことも含めてキチッとした形でスタートしようかなと思っています」

実際に、秋季練習に向けては「茶髪、長髪、ヒゲの禁止」が選手やスタッフに通達され、ヒゲがトレードマークだった阿部寿樹選手までもが、ヒゲをきれいに剃り落としてグラウンドに姿を現しました。

立浪選手のこうした方針にについて、清原さんは「何で立浪監督がそういことをやらなきゃいけないのか。そこから綱を締め直さないと中日を再建できないと考えたから。強かったら立浪監督もそういうことをしないと思う」と肯定的なコメントを送っていました。もちろん、PL学園時代の後輩という特別な感情もあるのかもしれませんが、過去のみずからの振る舞いや出で立ちはさておき、現在の清原さんは身なりをきちんとすることに重きを置いていることが窺えるコメントです。

しかし、世間の声は真っ二つ。

「いつの時代の話だ」「身なりを気にすると野球が上手くなるのか」といった否定的な意見もあれば、「近年の低迷を考えれば、何かを変えなければと思うのは当然」「自由に振る舞いたければ、まず成績を残してから」といった肯定的な意見もありました。

こうなると、もはや価値観の問題で、「どちらが正解か」という議論は不毛であるように感じますが、私としては少し違った角度からこの問題を見てみたいと思っています。プロ野球選手に「茶髪、長髪、ヒゲの禁止」といった外見についての規定を設けることは、法的には問題がないのでしょうか?

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