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キタムラの「冷製」マネジャー日記 #216

こんにちは。「乙武の右腕」ことキタムラです。基本的に乙武の1週間のスケジュール紹介を中心に、思ったことを適当に書いていきます。たまに毒も吐きますが、温かい目で見守っていただければ幸いです。それではよろしくお願いします。

オトタケは地球の裏側で放浪の旅を続行中です。いつもながら、オトタケの旅行中は「マネジャー日記」のネタがなくなり、私は慣例として「スピンオフ日記」を書くことになります。ところが今回は、そのスピンオフのネタも思い浮かばず、あれこれ思い悩んでいたのですが、すでに公開したスピンオフ日記に加筆して無料公開するという裏ワザを思いつきました。

#30「オトタケとの出会い編」のリメイク版をお届けします。今から3年半以上前に書いた日記ですな。その後オトタケが始めたYouTubeチャンネル『乙武洋匡の情熱教室』には、オトタケ目線でこのテーマを扱った動画があるので、一緒にお楽しみいただければ幸いです。

 

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私がオトタケさんを一方的に認識したのは、やはり『五体不満足』がきっかけだった。高校生の頃、興奮気味な母親からこう言われた。

「この人の本、素晴らしいから読んでみ! おまけにイケメンなのよ」

手に取って表紙を見ると、手足のない兄ちゃんが不思議な車椅子に乗ってニッコリと笑っている。


「ふーん。ええわ」

私はその本をポイッと投げた。当時からオトタケさんに対する興味のなさは天下一品である。

それから数年後。あれは忘れもしない2000年代前半(←忘れた)のある晴れた夜のこと。京都で大学生活を送っていたキタムラ青年は、父が経営する料理屋の駐車場に車を停めると、友人とともに意気揚々と夜の街に向かって歩きだした。すると、父の店の向かいでお茶屋さんを営む叔母から呼び止められた。

「ちょうどええとこに来た。今、乙武さんが来てはるんやけど、お連れさんがベロベロでどうしよもないねん。電動車椅子やとタクシーも乗れへんし、ホテルまで送ってあげてくれへん?」

「別にええよ」

というわけで、ホテルまでの20分ほどの道のりを、私の友人とオトタケさんとオトタケさんのお連れさん(ベロベロ)と。4人で歩くことになった。他愛のない話をしながらホテルにたどり着き、別れ際に連絡先を聞かれた。「俺よく京都来るから、今度メシでも食おう」と言われ、連絡先を交換して解散した。

翌日、大学でこのことを友人に話した。

私「そういえば昨日、オトタケさんがうちの店に来て、なんか知らんけど連絡先まで交換した。今度メシでも食おうってさ」

友「そんなん社交辞令やろ? かかってこーへんって」

私「まあそうやろうな」

その時、携帯が震えた。画面を見ると「乙武洋匡さん」と表示されている。

友「マジで……?」

オトタケさんによると、昨日別れた後、ベロベロだったお連れさんがオトタケさんを抱え上げた時にぎっくり腰になってしまい、救急車で運ばれて病院にいるとのことだった。ところが困ったことにオトタケさん、一人ではトイレにも行けないし風呂にも入れない。介助する人間が必要だ。そこで、昨日連絡先を交換した私に白羽の矢が立ったということだった。なんか面白そうだったので、私は二つ返事でOKした。

その日から3日間、私は事情を説明してアルバイトを休み、オトタケさんと四六時中一緒にいることになった。「今度メシでも食おう」は、翌日いきなりやってきたのである。オトタケさんは「できないことはこちらからお願いするから気を使わないでね」と言って、私の緊張をほぐしてくれた。トイレやお風呂以外はなんでも器用にこなし、なんなら障害者だということを忘れさせるほどのバイタリティを備えていた。さわやかなオーラがあった。地方都市の大学生からすると、オトタケさんとオトタケさんが住む世界はやけに輝いて見えた。(ちなみに、私の中でのオトタケさんのカッコよさはここをピークに右肩下がりである)

3日間行動をともにするうちに冗談を言いあえるようにまでなり、その年の暮れには2人で海外旅行に行くほどのなかよしになっていた。

 

これが私とオトタケさんとの出会いです。もしあの日夜の街に繰り出そうとしなければ、もしオトタケさんの友人がベロベロにならなければ、そしてぎっくり腰にならなければ。数々の偶然のうち一つでも欠けていたら、私は今ここにいなかったはず。

その後も、私が東京に行けば食事に連れていってくれたり、オトタケさんが京都に来た時は一緒に観光したりと、友人関係を築いていきました。そして2010年の春、またしてもある偶然からオトタケさんと一緒に働くことになるのですが、それはまた別の機会に。

 

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いかがでしたでしょうか? オトタケがその1週間に何をしていたのかを書くのが「キタムラの「冷製」マネジャー日記」の基本スタンスですが、オトタケの休暇中だけでなく、コロナ禍で仕事がなくなった時も、スピンオフ企画と称して思い出話や時事ネタを書いてきました。むしろその時の方が読まれているみたいで、オトタケ曰く「スピンオフがとってもよい」といういうことなので、以下にリストアップしておきます。

 

#30 オトタケとの出会い
#35 この仕事に就いたきっかけ 前編
#36 この仕事に就いたきっかけ 後編
#49 2019年振り返り
#52 フィリピン珍道中 前編
#53 フィリピン珍道中 後編
#62 オトタケ詐欺にあう 前編
#63 オトタケ詐欺にあう 後編
#65 ワイドナトラブル
#66 オトタケ温泉で溺れる
#67 飛行機の乗り方
#68 キタムラが観た映画『最強のふたり』
#69 マネジャーのお仕事
#70 キタムラ的LGBT論
#71 キタムラ的誹謗中傷論
#72 キタムラが選ぶオトタケYouTubeのムカつくポイント
#75 歴代都知事とオトタケ
#82 カラオケバトル悲喜こもごも
#100 極私的名場面 10~6位
#101 極私的名場面 5~1位
#106 クラブハウス狂騒曲
#107 森喜朗元五輪組織委員会会長の失言と裏側
#111 オトタケとキタムラの3.11
#135 重度訪問介護資格ゲット 前編
#136 重度訪問介護資格ゲット 後編
#155 YouTube隠れ名場面
#175 義足プロジェクト 集大成国立競技場編 前編
#176 義足プロジェクト 集大成国立競技場編 後編
#181 参議院議員選挙総括 前編
#182 参議院議員選挙総括 後編
#188 参議院議員選挙裏話 前編
#189 参議院議員選挙裏話 後編

 

1話ずつ購入できますので、ご興味がある方はぜひ読んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。記事の感想など、SNSでシェアしていただけると、とっても嬉しいです。

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