『全裸監督』は、なぜこれほどまでに絶賛を浴びているのか。

お待たせいたしました。お待たせし過ぎたかもしれません。


なんだか流行り言葉のように使われるようになったこのフレーズ。かつてAV監督として一世を風靡した村西とおる監督の生涯にフィーチャーしたNetflixの作品『全裸監督』が大きな話題となっている。


TwitterやFacebookなど、SNSのタイムラインで友人たちが絶賛していた一方、「黒木香さんに許諾を得ていないのでは」「現在でも問題の多いAV業界の実態を世界に向けて発信するなど日本の恥」といった批判の声も聞こえてきた。

全8話もあるということで最初は躊躇していたが、やはりこれだけ話題になってくると、「なんとか時間をやりくりしてでも観ておきおたい」という気持ちが抑えきれなくなってくるもの。

先週、ようやく全8話をすべて観ることができた。結論から言うと、全8話もあるわりには、スルスルっと観ることができてしまった。

各話の終わり方が「え、この先どうなるの?」と思わせるつくりであることに加えて、オープニング曲やエンディングロールをクリックひとつでスキップできてしまう利便性も手伝って、あっという間に観終わってしまうのだ。

だが、内容は「スルスルっと」とはとても形容できるものではなく、脂身の多い牛肉に強烈にペッパーを効かせ、さらにその上からケチャップと生卵とシーザードレッシングをぶっかけたような濃厚さだった。

主演の山田孝之さんはじめとする俳優陣の素晴らしい演技だとか、セットや海外ロケなど予算がかけられているなど、ありきたりな感想は他の方にお任せして、ここではもう少し違う角度から、この作品の感想を書いてみようと思う。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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