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「二枚目の名刺」を持つと何が起こるのか、いま身をもって体験している。

ここ数年、「二枚目の名刺」の重要性が叫ばれるようになった。

「二枚目の名刺」と言うとピンと来ない方もいるかもしれないが、いわゆる副業のことだ。ただ“副業”と言ってしまうと、あくまで報酬を伴う仕事に限定されてしまうので、NPOや地域コミュニティに無報酬で携わることも含まれるように「二枚目の名刺」という言い方が広まった。

私自身はこれまでも「二名目の名刺」という概念に賛同し、推奨する立場をとってきたが、まさか自分がそうした働き方をすることになるとは思ってもみなかった。そう、以前にもお伝えしたが、私は今年2月から本田圭佑さんが立ち上げたサッカーチーム「ONE TOKYO」でGM(ゼネラル・マネジャー)を務めている。

コロナの影響でしばらく延期となっていたリーグ戦(東京都社会人リーグ4部)も、先日無事に開幕を迎え、われらがONE TOKYOは初戦7−0というスコアで勝利を収めた。滑り出しは順調である。

しかし、こう書いていると、みなさんはこんな疑問を抱くかもしれない。

「そもそも乙武さんは二枚目どころか、これまでもたくさんの“名刺”を持って活動してきたのでは?」

たしかにONE TOKYOでGMに就任する以前から、肩書きだけはたくさんあった。本を執筆しているという意味では「作家」だったり、昨年4月からは『AbemaPrime』で「MC」を務めていたり、最近では「YouTuber」でもあったりする。ただ、自分のなかでそれらはすべて一体化していて、どれも『五体不満足』を書いた“乙武さん”の延長上にある活動だった。自分自身もそう捉えてきたし、またみなさんからもそう見えていたと思う。

ところが、今回のONE TOKYOにおけるGM職は、自分のなかでもかなり位置づけが違っている。そもそも一銭も受け取っていないし、事務所にも事後報告で、あくまでプライベートにおける活動として参加している。少なくとも“仕事”という感覚はない。そうした意味からも、やはり今回の活動は私のなかで「二枚目の名刺」という表現がしっくり来る。

では、そんな「二枚目の名刺」を持つと、いったいどんなことが起こるのか。就任から5ヶ月近くが経った現時点で感じていることを、率直に綴ってみようと思う。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.mu/h_ototake/m/m9d2115c70116 

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