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サッカークラブのGMを務めていたら、教員時代と少しも変わらない自分がいて驚いた。(前編)

サッカークラブ「ONE TOKYO」で、初代GMに就任してから7ヶ月が経った。

記事にもあるように、元日本代表・本田圭佑さんが発起人、タレント・武井壮さんが監督を務める異色のチームだ。

新設チームのため、東京都社会人リーグ4部という最底辺からのスタートだが、このチームに可能性を感じてくれた実力ある選手たちが入団してくれたこともあり、現在はリーグ戦を順調に勝ち進んでいる。

ピッチ上のことは武井監督や轡田葵左(くつわだ・きさ)選手兼任コーチに任せ、私は専らチームの体制づくりという地味な裏方作業に徹しているのだが、先日ようやくスケジュールの調整がつき、リーグ戦の第3節を現地観戦する機会に恵まれた。

「東京都社会人リーグ」なのに、なぜか茨城県つくばみらい市のグラウンドで開催された試合は、「ONsenZE」との対戦。慶應SFC(湘南藤沢キャンパス)のサッカーサークル「FC.ONZE」のOBを中心に結成されているチームとのことだった。

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※写真は、この日の「ONE TOKYO」スターティングメンバー。

試合開始から相手を圧倒する頼もしい選手たちをピッチ脇で見守りながら、私は内心、「弱ったなあ……」と苦笑いを浮かべていた。というのも、試合後に私がMOM(Man of the match)、つまりはその試合のMVPを選定することになっていたのだ。

次々と得点が入る。守備では危なげないシーンが続く。声もよく出ていて、球際で手を抜いたプレーを見せる選手もいない。ピッチに立つ誰もが素晴らしい貢献をしていて、この中からたった一人を選出しろというのは、とても酷な話だと思ったのだ。

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結局、試合は14-0で勝利を収め、リーグ戦3連勝を飾ることができた。私はいよいよ困ってしまった。14-0という大勝のなかで、いったいどんな基準で「最も活躍した選手」を選べというのだ!

試合後、グラウンド脇でミーティングが始まった。後半から出場し、2得点を挙げた轡田コーチが口火を切る。

——では、まずは乙武さん。今日の試合のMOMとMIP(Most Impressive Player)の発表をお願いします!

「え、MOMだけじゃなくて、MIPも選ぶの!?」

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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.com/h_ototake/m/m9d2115c70116

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