5年くらいアンテナ建ててた人の回顧録
はじめまして、アンテナ建ててた人です。
北海道の某所にて妻と子どもたちと暮らす平凡な三十路です、多分。
人生右往左往しながら今まで生きてきまして、ここ5年ほどは
携帯電話とかのアンテナを建てて回るお仕事をしておりました。
私はこの仕事を「人と人をつなぐお仕事」と呼んでいました。
だってそうでしょう、今や携帯電話・スマホは「つながって当たり前」。
つながらなかったらそれこそお客様は怒ることだって多いんです。
いや、怒る怒らないの話ならまだいいんです。怒られればそれで。
そりゃもちろん、怒られたからには次こそ期待に応えるべく
可能な限り改善しますけど、とにかく挽回しにいくまでのことです。
もしも緊急事態やとても大切なタイミングで、何かを伝えたい相手に
連絡が取れなかったら、それがその人にとって人生をも左右するような
転機になってしまう可能性だってあると思うのです。
そんな、文字通りの「ライフライン」として無意識の信頼をいただく。
「つながって当たり前」とすら思うこともない。
だって、今あなたが「この空気は吸える」とか意識します?
そう、吸えて当たり前なんですよ。
同じように、携帯電話はつながって当たり前、とすら意識されない。
それを支えてきたのは、「エリア」と皆さんが呼んでいるものを
丁寧に編み上げてきた人たち。
時にビルが建ったりマンションが建ったりして生まれる「電波の影」を
可能な限り迅速に割り出し、再び光が差す…電波が届く場所に戻す。
そんな人たちと一緒に仕事をしてきた5年間。
自分にとってはそれこそ「当たり前」になってしまった知識たちですが
こうして文章に起こしていくことで誰かにとって、興味を満たすような
読み物になるのなら…ということで、徒然に書いていこうかと思います。
どうぞ、お付き合い下さいませ。
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