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今更ながら「この世界の片隅に」をはじめて観たら、記憶の蓋が開いた。

先程、Amazonプライムビデオで片渕須直監督の「この世界の片隅に」を今更ながら初視聴。
公開当時話題になっていたのに全然観ずに今日まで来ちゃった。12月に「この世界の(さらにいくつのもの)片隅に」が公開されるようで、メイキング映像を観たら無性にオリジナル版が気になって観てみようとなりました。

ストーリーはそんなに難しい話ではなくて、戦時中の広島に住んでいるすずさんが、縁に恵まれ、北條さんちへ嫁ぐことになった。学生の頃に偶然出会った旦那さんへ嫁ぐけど、今の言葉で言えばドジっ子のすずさんが、ドジっ子でも一生懸命で絵が上手で周りを温かく笑顔にしてしまう。そんな人柄のすずさんの日常を感じながら、戦時下の人々の暮らしを垣間見る映画です。
すずさんの声をやられたのんさんの素朴さや天然さが本当にすずさんに命を宿してますね。きっと声優マニアの方からしたら下手って言われてしまうかもしれないですが、どうでも良くなってしまうくらい良い。すずさんはのんさんだなぁ。
すずさんの人生もとても大変なのだけれど、戦時中なだけあって、全く不幸が起こらない人なんていないし、身内が死んでない人なんておそらくいない。びっくりしたのは、すずさんのお父さんもお母さんも亡くなった事にすずさんが涙ひとつも流さなかったこと。嫁いだ先の義理のお姉さんの子供が亡くなった時や、お義父さんが寝た時に死んだと勘違いしてた時、戦争の悲しさに泣いた時。
もし自分がすずさんだったら?戦争に怖がりもしないし、人が死ぬ事にも麻痺してるのか割と冷静に見えた。いや、冷静に居ようと無理やり心を持っていっていたんだよね。怖いはずだよね。戦時中を特別視するのはやめておこう。

もっとも食らったのは最後のシーン。戦災孤児が、すずさん達が食べようとしたおにぎりを拾ってすずさん達に返すところ。あの子の優しさに胸を打たれました。いやいや、もうとにかくこれからずっと幸せでいてくれ!この映画に出てきたすべての人よ、ずっと幸せでいてくれと願わざるを得ない。

エンドクレジットシーンは、となりのトトロオマージュかな?

それで思い出したのは母方の祖母。私の祖母はすずさんのように戦争をおそらく体験してます。でもあまり戦争の話は聞かなかったです。遠いところに住んでいたし。でも、年に一回会えば食事の所作や、生活の行儀などは祖母が教えてくれたように思います。ご飯を食べ終われば「お粗末さんでした。」といい、洗い物をして、終わればテレビを観てた。なんて事ないものを思い出して、じんわりきてしまいました。
天国では、ゆっくりしていますか?

読者の皆さんはこの映画を観て、どなたか思い出す人はいますか?

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