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運命のような言葉は日常の中にある

【7日連続企画】

3月26日に集英社から出る
「普通っぽいのになぜか心に響いて離れない恋と仕事51の名言」

の発売記念企画として、こちらのnoteアカウントで、
試し読み企画をやりたいと思います。

(全文公開だと読みづらいと思うので、小分けに、7記事ほど…)

今日から一週間、毎日1つ、記事を
アップするのでよかったら見に来てください。

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はじめに

 仲よしのフードエッセイストさんが、幼少期から飲食店の名刺を集めていると聞いて、私は何か集めているものはあったっけ……と振り返ってみたのですが、そういえば物心ついた時から言葉の収集家でした。

 本や映画や雑誌から素敵なフレーズを見つけてノートに書きためる時間が楽しくて、日記帳は新聞・雑誌の切り抜きだらけ。記事を切り抜いて貼るだけではなく、手を使って書き写したほうが、言葉が自分の中に入ってくる気がして、あき時間には、好きな曲の歌詞や、好きな本のとびっきりの部分を、ノートに書きつけていた記憶があります。アラサーになった今もその習慣は続いていて、日常で出合った言葉は、すかさずメモします。

 言葉というのは一期一会で、その瞬間にだけ出合える。
 
 人との出会いと同じように、「この言葉に出合ったのは、運命」と思えるような言葉があればあるほど、人生は濃く、楽しくなると私は信じています。だからこそ、その大事な出合いを、自分の注意力不足で見逃してしまわないようにしっかりとアンテナを立てて記憶に残すようにしています。言葉というのは生き物だから、誰がどんな状況で使うかによって意味や心への入り具合が変わるもの。そして関係性の近い人の言葉はより強く心に入ってくるもの。だから、著名な作家が本に書いている名言よりも、身近な人の何気ないひと言のほうが、自分にとって大切なひと言になったり、人生を変えてくれたりするものです。

 この本は、私がこれまでの人生で出合ってきた何気ない、けれど私にとってはかけがえのない言葉を集めた一冊です。ひとつひとつを額縁に入れて飾るほどではなくても、心の中の大切な箱の中にしまっておいて、たまにジャラジャラと取り出して眺めたい……そんな言葉を、読者のみなさんとシェアできればと思っています。

 もともと『MORE』という女性誌で「名言博物館」というタイトルで連載していたエッセイを集めて、加筆・修正を加えました。書籍化にあたりタイトルを変えましたが、「名言博物館」というフレーズを思いついた時はとてもうれしく、気に入っていました。きっとあなたの人生にも「特別な言葉でもおしゃれな言い回しでもないけれど、自分の人生を変えてくれたひと言」があるのではないでしょうか。この本を読み終えた人が、自分の「名言博物館」におさめたい言葉を探したくなっているといいな、と思います。

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★発売記念イベント:3月29日 (金)・19時~

★予約受付中


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