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「広報PR観点」を因数分解してPRの意思決定を仕組み化した話

PRパーソンのみなさん、社内から「これってPR的にどう?」「広報観点で判断してほしい」と相談がきたことはありませんか?他職種のみなさん、この相談にどんな期待を寄せていますか?

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、医療プラットフォームを提供しているUbie株式会社でAffection PRなどを担当している、おかはるか(haru)です。PRパーソンのあしたの一歩をつくるコミュニティ #PRLT の代表でもあります。

さて、みんなが言う「広報PR観点」ってなんなんでしょう。それが明瞭化されたら広報はひとり/数人しかいないから……なんて理由を使うことがなくなると思いませんか?

今回は、ことしUbieのPRチームでさまざまなケースにおける判断・意思決定軸を仕組み化したプロジェクトを振り返ります。

本記事は #PRLTアドベントカレンダー2023 および #Ubieアドベントカレンダー 8日目にエントリーしています。

持続可能な「死なない」PRをつくりたい

10人/100人/1000人の会社で、いわゆる「ひとり広報」を経験してきたわたしにとって、脱属人化は永遠の課題でした。せっかくチームで働くからには二度と同じような状況を生みたくない。そんな思いでUbieにはもともと「PR Ops」というPRのオペレーションスペシャリスト的ポジションで入社しています。

※メンバーの入れ替えもあり、現在はオペレーションと情報開発という区切りを超えて一気通貫でPRを担っています

現在のUbie PRチームは正社員2名、週3程度で稼働してくれている業務委託アシスタント1名の計3名で構成されています(社内のガバナンス上はPA、デザイナー、ブランディング担当とともに「ブランドコミュニケーションサークル」に所属)。

Ubieはホラクラシーを導入しているため、正社員メンバーにとって「PR」は担っている役割のひとつにすぎません。実は、わたしはリソースの7割近くをカルチャー刷新・浸透、全社OKR/KGI運用、ホラクラシー運用改善など全社HR系に充てています。

加えて、いわゆるPR担当として対応するプレスリリース作成・配信、取材対応、メディアへの企画提案等の定常業務より全社OKR推進のほうが圧倒的に重要度が高く、「PRチーム」は1人月強ほどで稼働しているのが実態です

おまけに年末から自分が産休・育休に入ることが確定……このままではチームが死んでしまう。業務改善が切っても切り離せないタイミングに差し掛かりました。

広報PRの「意思決定フローチャート」をつくってみた

現状のチーム工数を洗い出し、生産性向上観点では「問い合わせ対応のスリム化」が最もリターンがあるのでは、という結論に至りました。

会社が創業6年目にもなると、インバウンド対応もそれなりに増えてきます。社内も事業や組織が多角化し、さまざまな粒度で相談や依頼をもらうことが格段に増えました。

何より、医療ドメインはステークホルダーが複雑に絡み合うため、ROIの見極めに失敗した際の影響範囲は決して小さくありません。そのため正社員メンバーが都度人的コストをかけて意思決定してきましたが、スケールした世界線での都度対応には限界があります

そこでつくったのが、「PR意思決定フローチャート」。いわゆる「PR観点」を因数分解し、プレスリリース作成、取材や調査、寄稿等の問い合わせや相談がきた際にだれでも適切なROIが判断できるものです。

「取材対応」のフローチャート。どう判断するかは会社やフェーズによるので、これだけ判断要素が多いんだな〜ということが伝われば…!
フローチャートの分岐点ごとの詳細。ここで判断基準を明記しています

これは、正社員PRメンバーの corin とともに毎週1時間のもくもく会を2ヶ月強やり続けて完成させました。

まずは何に対してどんな観点で意思決定しているかや、推進するにあたって抑えているポイントをひたすら洗い出しました。取材対応のときってここは必ず聞いてるよね、とか、こんなパターンあったからこうしたいよね、とか……。

これが思いのほか時間を要し、脳内を棚卸してみるとこんなにも広報PRの意思決定には複雑に要素が絡み合っているんだな〜、と自分たちも驚くほどでした。(みなさんもやるなら早めに着手することを強くおすすめします!)

フローができたらアシスタントにインプットし、徐々に判断後のフロント対応のみならず「意思決定する」という作業自体も移譲していきました。

「Giant Leap」するPRへ

意思決定を仕組み化したことで見えてきた効果が3つあります。

① 依頼主と適切な関係性を構築しやすい

判断結果によっては、やむを得ずお断りするケースや、「こういった内容でなんとか……」と方向転換をご提案させていただくこともありますよね。こうしたちょっぴり気まずい場合でも、理由を明確にでき、かつ、自分たちが得たいもの・得るべきものからブレることがないため、依頼主と合理的だがなめらかなコミュニケーションを取り続けやすくなりました。

② 推進スピードの向上

社内外からの問い合わせはアシスタントが論点をふまえて判断から対応までしてくれるので、「これ、どうする?」にかける時間が減りました。今までは問い合わせごとにSlackのスレッドで10件くらいやりとりしていた内容が、1-2往復で完結しています。

③ アシスタントの会社・事業理解向上

非正規社員は持っている情報量が異なるため、業務を切り出すにも背景等を都度丁寧に説明する必要がありました。でも、思い切って意思決定を移譲しだすと自身で背景情報をどんどん吸収してくれるので、1聞いて10の出力を出せる最強アシスタントに!(ほんとうに頼もしい……!)

これで、PRチームでなくとも(仮にPRチーム全員が突然いなくなっても)会社が適切な広報PRの意思決定をし続けることが可能となりました。とはいえ、社内における「PRの分かり手」は自分たちです。スキルと生産性の向上に終わりはありません。状況やフェーズを見て適切にアップデートし続ける必要はもちろんあります。

あわせて今年進めたことは下記です。

  • <チームの生産性向上>
    これを機に契約形態が理由でアシスタントにお任せできていなかった専門業務をどんどん移譲してみる

  • <チームの出力向上>
    リソースが割けずにいたメディアリストの作り替えやプレスリリース前後のフロー再構築など、情報デリバリーの仕組み改善

  • <チームの視座向上>
    マーケティングやブランディングに長けた「ブランドコミュニケーションリード」の採用(絶賛頑張り中!)

採用といえば、本日より「事業広報Lead」のポジションも新規オープンしました!PRのスペシャリストを迎えてつよつよPR実現したい!!

ことしのチーム力強化プロジェクトによってPRレベルを底上げすることが、弊社のアイデンティティである「Giant Leap(非連続な未来の実装)」へと実を結んでいくはず。

Ubieのみんな、来年以降のPRチームに期待してね!

FYI:昨年のPRチームの脱属人化に向けた取り組みはこちら。ここで「次は意思決定の可視化や!」と宣言してましたね。

We’re Hiring!

Ubieでは一緒に働きたいメンバーをまだまだ募集しています!
https://recruit.ubie.life/
興味を持っていただけた方はカジュアル面談もご用意しています。お気軽にご登録お待ちしています!(わたしにご連絡いただく形でもOKです)
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【Ubieが提供するサービス一覧】
▽生活者向け 症状検索エンジン「ユビー」
日本版:https://ubie.app/
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