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撮ったきり、見返さない写真

古民家のランチにて。いろんなお惣菜がちょっとずつ盛られているプレートが出てくる。わぁ綺麗と言いながら、とりあえずスマホで写真を撮る。スマホを置いた瞬間に、撮ったことを忘れると。撮ったきり、写真は見返さない。

なぜ人は見返さないのについ写真を撮るのか。キオクに残らないかもしれないから、キロクしたくなる。人間のキオクは曖昧なもので、瞬間瞬間に感情は移ろいでいて、すぐに忘れる。昨日、食べた朝ご飯も思い出すことに時間がかかる。

人のキオクというのは曖昧なものだが、でも感動したキオクは脳の収納箱の奥底に入れられていて、日々の言動にも良くも悪くも影響を及ぼすものある。たとえば祖母に具体的に何をしてもらったのか思い出せないが、優しくしてもらったキオクだけが、残り香のようにある。

キロクがキオクを合成することもあるし、キロクがキオクを思い出させるセーブポイントになることにもなる。

RPGゲームのセーブもとった瞬間に、次の目的地にいくので忘れている。ただいざ戻りたいもきに必要になってくる。セーブしていないと、元には戻れないこともある。

RPGゲームのマザー2でもこまめに写真を撮る場面がでてくる。感情のセーブしているみたいだ。それなら感情が動いたときに、写真を撮ればよい。