図書館とデパ地下は似ている。

7月末まで下北沢で一人暮らしをしていたので、久しぶりに所沢の実家に帰りました。
感想としては「人が家にいると疲れるなあ」と。うーん、ひとりの方が絶対に楽です。

ただ、実家にいるメリットも感じました。一番大きいのは、本が置いてあることです。


実家のリビングには、家族各々が図書館で借りてきた読みかけの本が放っぽり出してあります。(みんな管理が悪い。)それが好きです。

置いてある本を読む訳ではありません。父の哲学書とか、こんなの読んで楽しいの?と未だに思うし。母の自己啓発本とか、胡散臭すぎて一生縁がないなと思うし。

ただ、本というモノのある場所が好きなのです。

本棚しかない父の書斎や、ブックカフェとか、古本屋とか、図書館。絶対に読みきれない本たちの中で、背表紙や目次を眺めているときがわくわくの頂点だと思います。


それは、デパ地下のわくわくに似ています。たくさんのたべものがあって、いい匂いがして、賑やかで、鮮やか。色とりどりのケーキを眺めているだけで幸せ、なぜならそれが絶対に美味しいものだと知っているから。

実際に食べることより、何を買うか選ぶときの方が楽しいし、何なら試食が一番美味しい気がします。


受験生時代、地元の図書館にこもって勉強していたことがあります。

受験が終わるまで本は読まないと決めていたのですが、どうしても我慢できず、「少しだけ」と自分に言い聞かせながら本を摘み食いしていました。目次だけ、あとがきだけ、最初の1ページだけ。それが本当に美味しかった。

気になった本は、休憩のたび数ページずつ読みました。たしか、そのときに選んだのは『ペンギン・ハイウェイ』。試食のお姉さんの前を行ったり来たりするように、密やかに図々しく読みました。


今日はPOPEYEの九月号を買いました。本屋特集です。

夏休みだし、素敵な「デパ地下」に行きたいなあと思っています。

#日記 #コラム #エッセイ

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