2016/10/01

http://news.mynavi.jp/column/svalley/678/

皆様は、人工知能に職を奪われることを心配するより先に、自分の感情が外部からスケスケに読み取られてしまうことを心配する方がよいと思う【生きておられぬおれカネゴン】。

今ぐらい機械学習が順調に発展を遂げていれば、もう数年しないうちに人間が抱く感情というものが表情と目線と仕草と声色から完璧に判定できるようになると思う。

どんなにひた隠しにしても、「怒ってないよ」と言っても、怒っていることがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしても、「バカになんかしてないよ」って言っても、相手を見下していることがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしても、「何も悪いことなんかしてませんよ」って言っても、後ろめたい秘密を抱えていることがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしても、「通りすがりの者でございます」という顔つきをしていても、ストーキングの果てにレイプするつもり満々なのがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしていても、「ホモはみんな死ね」などと勇ましげなつもりで叫んでいても、本当は当人こそが無意識に強く同性愛を志向していてそれを否定しようとしてムキになっていることがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしても、「絶対内緒にするから私にだけ話してよ」と言っても、後でみんなに触れて回るつもりなのがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしても、「お客様のためだけを考えております」などと嘯いても、ひととおり売りつけたところで高飛びする気満々であることがバレバレになってしまう。
どんなにひた隠しにしても、「あなたのためを思って言ってるのよ」と言っても、そんなことこれっぽっちも思ってなどいないのがバレバレになってしまう。
こだまでしょうか【いいえそこにはおれカネゴン】。

特に相手と直に対面し、何らかの質問をすることさえできれば、昔の嘘発見器など屁でもないほど、高い精度でそれが嘘かどうかが判定できてしまう。

それが嫌さに引きこもって日夜はてブに何か書いて暮らすとしても、その頃には文章だけからでも本人すら気付いていなかった感情を高い確度で読み取れるようになり、文章が表面的に書いている内容と本当の感情がまるで違うことがその場で永久にさらされることになってしまう。

議会、教壇、テレビ、映画、舞台、コンサートの場などにおいても、集まった客が手に手に持つスマホとその集合情報から、そこに写っている人物の気持ちがどんなふうに推移しているか、瞬時に全世界に公開されてしまう。

それに対抗するには、教壇やステージに立つ公の者も負けずにスマホで芸能レポーターや野次馬を撮り返して相手の感情の推移もバラしてやるしかない。

かくして、人類はあらゆる活動において自らの感情を隠すことが不可能となり、それに適応した21世紀生まれの子どもたちのみが繁栄し、本音を残らず外部に晒すことに慣れていない20世紀生まれは片っ端から恥ずかしくていたたまれなくなって消えてなくなりたくなり、皆崖におびただしい行列を作って勝手に片付いてくれるであろう【皮算手ぐすねおれカネゴン】。

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