2020/11/02

以前から、systemという言葉を日本語(=大和言葉)でどうやって的確に説明したらよいのか何となく考え続けていたのだけど、取りあえず自分なりの一次解をメモしてみる【次はないとはおれカネゴン】

system(システム、機構、系、体制など)という語が使われるところ:

・コンピューター内のソフトウェアや周辺機器などを用いて構築するもの(operating system、会計システム、セキュリティシステム)
・組織や社会の仕組み(税制、法律、行政、司法、立法その他)
・人体内や生物の体内で、組織より上位の生命維持のための機構(循環器系、リンパ系、神経系、消化器系) -- 人間が作ったものではない
・宇宙規模の機構(太陽系、銀河系) -- 人間が作ったものではない

本気で調べるならsystemという語の由来や発展史まで押さえるべきだと思うけど、カネゴンの一次結論としてはこうなりました:

常に変化し続けているのに、全体として変わらない(または変わらないことを目指している)もの

体言止めにこそできなかったけど、この「動いているのに変わらないもの」こそsystemの大和言葉にふさわしいということはカネゴンの中でだけ確かです【虚空に向かっておれカネゴン】

北杜夫っぽく表せば「ウゴキツカワラズ」とでも言おうか【オシツオサレツおれカネゴン】

そしてこの「動いているのに変わらないもの」は、それがsystemであるかどうかを判定するのにも役に立つと信じている【乏しい脳でおれカネゴン】

では「河川」はシステムだろうか

川は常に水が流れていて同じ水は一瞬たりとも流れていない
にもかかわらず川でありつつける
よって川はsystemと呼んでいいと思う

「海」はシステムだろうか
海も川と同様の理由で、systemと呼んでいいと思う
つか全体が水循環系だったりするし

では「火山の噴火」や「地震」はシステムだろうか
人間が観察するタイムスケールだと、噴火や地震はときどき忘れた頃に動くけど、そこに予測を立てることがとても困難
なのでsystemと呼ぶにはちと無理がある

たぶん「マントル対流」はsystemと呼んで差し支えない気がする

systemと呼びづらいものとして他に今思い付いたのは「β崩壊」のような放射性物質の挙動

崩壊の頻度を確率で表現することはできるけど、それが1秒先か1年先かはわかりようがなかったりするので

ここまで書いてやっとカネゴンが気づいたのは、systemには「今後どうなるかの予測が立つ/立てやすい」という重要な特性があるということ

「動いているのに変わらない」を満たしていても、予測が立てにくい事象はsystemと呼びづらいということも付け加えておく

systemはどっちにしろ人間都合の言葉なので、たぶん問題はなさそう【あってもなくてもおれカネゴン】

もっと言うと、systemというと必ず登場する「秩序」(order)は予測を立てやすくする要素に過ぎず、systemに必ずないと困るというほどでもなさそうな気がしないでもない

もうひとつカネゴンがやっと気づいたのは、それをsystemと呼ぶかどうかは時間の幅や空間の幅も大いに影響しているらしいこと

たとえばコンピューターシステムは、数か月や数年という単位で自分自身を維持し、挙動の予測が立つことが期待されるけど、1000年単位、あるいは逆に数ナノsec単位となると期待どおりになるとは言いにくそうではある

極端に言えば、最も変わりにくそうな太陽系ですら数億年後にどうなっているかの予測はかなり虚しくなりそうではある

しかも太陽系の行く末には三体問題・多体問題という強敵が立ちはだかっているし、人間がメンテし続けるには相当無理があったりする【貴様の仕事はおれカネゴン】

そしてsystemの最も困難な問題は、systemが動くことそれ自体によってsystemそれ自体が変化し、systemが生まれたままの姿でいられなくなってしまうこと

サーバーにはログがたまるし、社会システムは長く運用されると必ず最適化という名の腐敗が始まるし、河川の蛇行はいつしか激しくなって三日月湖になったり暗渠になったりするし、地球の外部コアがいつ回転方向を逆転させるかもわかったものではないし

何より、生命は「それが生きていた」ことそのものが原因で死に至るし
あらゆる生命の死因は「生きていたこと」だし

ついでながら、systemと呼ばれそうにないものの代表としてカネゴンは「結晶」をリストアップしておきたい

結晶は少なくとも分子レベルでは動きがない
動いてないものは死にようもない代わりに生きようもない
したがって結晶はsystemの部品になることはあってもsystemとは呼びにくい

systemと呼びにくいものとして他に何があるのか、しばらく考えることにする【万年中途のおれカネゴン】

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