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神様のてのひら

初めて訪れた出雲。
東京はまだねっとりした暑さが残っていたのに、そこは神聖なほどにヒンヤリして、空気が澄んだ美しい場所だった。

想いが通じなくて、苦しくて、もがいて、こじれて、逃げてきた。
遠のいた気持ちはどうにもならない。それを神様にすがりにきた。

ヒトは何故、祈るのだろう。
自分ではどうしようもない、何かを動かそうとするとき、みな神に祈る。
望んだ結果にならずとも、神の思し召しならと受け入れる、不思議だ。

鳥居をくぐり、出雲の神の前に立った時、わたしはひるんだ。
神に祈ることを、怖いと感じた。まるで裁かれるかのように、心の中をくまなく見透かされる緊張感。叶わないことへの諦めに似た安堵と、何ともできない自分への怒り。

きっと誰もがこうして、ままならぬ想いを神に託し、懸命にもがくのだ。
神のてのひらで踊らされるように。ただそれに気付かず、今日も夢中に願い、必死に生きる。わたしもおんなじ。



#旅する日本語
#大童

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はちこ

田舎が好きなのに都会で暮らす、のんびり屋さんのアラフォー🎀 読書と国宝とピアス集めが好きです。エンタメ会社で人事の仕事をしています。 仕事も暮らしものびのびがイチバン!!
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