ゆり

暮らしを大切にするライフコーチ(コーチング実績400h以上)。 珈琲と本、クラシック音…

ゆり

暮らしを大切にするライフコーチ(コーチング実績400h以上)。 珈琲と本、クラシック音楽が好き。 習慣化アプリ「みんチャレ」の会社でCS、事業企画をやっています。

マガジン

  • 暮らしと感情

    東京と離島で二拠点生活中の人間が、暮らしとその中で生まれる感情について近眼気味に綴るマガジンです。週に3度は更新予定。役に立つことは書きません。

  • コーチングよもやま話

    コーチングにかんする記事がてんこもりのマガジン。 かれこれ5年ほど「コーチングする側」でも「される側」でもトライアンドエラーを繰り返してきた筆者、そのエピソードをお読みいただけます。コーチングに興味のあるすべての方のお役に立てると思います。週に一度は更新予定です。

  • 食がくれるもの

    一年間にありつける食事はわずか1095回。その一つたりとも無駄にすまいと日々美味しいものを求めるわたしの、食に対する愛強めなマガジンです。不定期更新。

  • toi toi toi|あなたの日々に捧げる「問い」

    日常に、ちょっとした風穴をあけるためのマガジンです。 セルフコーチングをかんたんに、楽しく行うことを目的に作りました。 「部屋が散らかっているあなたへ」「人間関係を良くしたいあなたへ」…… それぞれの記事には、宛先があります。ご自分に合った記事が見つかるはずです。 短いコラムと一緒に、いくつかの問いをプレゼント。 週に3本のペースで更新予定です。

最近の記事

  • 固定された記事

リンゴの美味しい食べ方を、わたしは忘れたくなくて

日曜日の朝。まだ人気のない神保町の街を、とぼとぼと歩く。 目指すのは、大通り沿いにある、一棟の雑居ビル。 エレベーターに乗り込み、「3」のボタンを押す。 降りた先には、「無用之用」と書かれた看板が立てかけられていた。 木箱に入った無数の古本たちが、わたしを出迎える。 ぽつねんと入り口付近に佇むわたしに、いつもの店主さんが無言で会釈をする。 わたしは深々とお辞儀を返し、それから、本の海の中を彷徨い出した。 ・・・・・ 友人からその知らせが入ったのは、土曜の夕方のことだ

    • ドールのホルン

      ホルン、という楽器をあなたは知っているだろうか。まるくてカタツムリみたいな形をしており、お腹のところで抱えてやわらかく吹くと「ほーん」という音が出る金管楽器だ。そしてわたしはホルンを見ると、たいてい腸を思い出す。そう、消化器官の腸。お腹の中で絡まりもせず見事に収まっているあのくだは、全部引き伸ばすと6メートルの長さにもなるらしい。ホルンもそれと同じようなもので、あんなにちんまりとまとまっているのに管の長さは全長4メートルなのだという。 中学生の頃、オーケストラ部の体験入部で

      • 家にいる日々

        本当に、家の外に出る機会が減った。 仕方のないことだとは思う。平日は水曜しか出社をせず、それ以外はリモートワーク。その時点で1週間の半分以上は家にいることになる。そのうえ土日も、誰かに誘われない限りは終日家にいる。 家で何をやっているかというと、別に映えないようなことばかりだ。9時くらいに起きたら、家に何も食料のないことを確認して、他の人だったらゴミ捨てくらいしかできないような格好のまま、歩いて10分のパン屋までバゲットを買いに行く。もうすっかり顔を覚えられているのに、み

        • 習慣から暮らしを変える会社・エーテンラボに入社しました

          2023年9月にエーテンラボ株式会社にカスタマーサクセスとして入社し、はや4ヶ月が経過しました。 のっけのカジュアル面談から心を掴まれ、最後にはほぼ直感で入社したエーテンラボ。おかげさまで、今のところ入社後の大きなギャップもなく楽しく働けています。 せっかくの機会ですので、これまでのわたしの話、そして現職であるエーテンラボという会社について簡単にお話しします。というのも、今弊社は絶賛採用強化中だから。ヘルスケア、ウェルビーイング領域に高い関心のある方、これを読んで少しでも

        • 固定された記事

        リンゴの美味しい食べ方を、わたしは忘れたくなくて

        マガジン

        • 暮らしと感情
          34本
        • コーチングよもやま話
          15本
        • 食がくれるもの
          6本
        • toi toi toi|あなたの日々に捧げる「問い」
          3本

        記事

          20代のわたしとコーチング

          わたしは1995年1月生まれの28歳だ。 自分の生まれ年について話すとき、これまでなら「95年です」と言っていたのが、最近はそれだけだと済まなくなってきた。特に同じ20代の人と話すとき、「94年の代?」と聞かれることが多い。ぐぬ、と思いながら、そうです94年の代で、95年の早生まれです……と答える。 若くありたい、サバを読みたい、のような気持ちはあまりない。むしろ大人になるって素晴らしい!と、割と人生を進めることに対して(方向性の決まった話ではなく)前のめりになっている。

          20代のわたしとコーチング

          ユーラシア大陸、その何処かの上空にて

          妹とパリに向かっている。 彼女はディズニーが大好きな、いわゆるDオタで、どうしてもパリのディズニーランドに行きたいのだと言う。けれどお世辞にも治安が良いとは言えない場所に海外渡航経験の少ない女性一人で行くのは、ちょっと命知らずが過ぎる。そこで同行者として、わたしに白羽の矢が立った。 羽田空港に集合したとき、姉妹とも仕事終わりのままですっかりよれよれになっていた。妹に荷物預けの列に並んでもらい、その間にわたしが二人分のお茶を買ってくる。妹はジャスミンティー、わたしはルイボス

          ユーラシア大陸、その何処かの上空にて

          ちゃんとできないときのジャズ

          締め切り間近な仕事が終わらない。ご飯を作る気力がない。そんな「ちゃんとできない」局面で、わたしはたいていジャズを聴く。 ジャズは揺れたり、伸び縮みしたりする。ある程度楽譜が決まってはいるけれど、それでもクラシック音楽などに比べるとかなり演奏の自由度は高いと思う。 昔入っていたオーケストラで、指導者の一人が「あんな音価(音の長さ)に対する意識の無いようなものは音楽でない」と言っていた。わたしはその指導者の背中にむかってあかんべえするような生徒だったので、ジャズを聴くのは彼に

          ちゃんとできないときのジャズ

          SHElikesのライフコーチを卒業しました

          2023年9月30日をもって、丸二年半お世話になったSHElikesのライフコーチ職を卒業しました。 最初はシーメイト(SHElikes受講生さんの呼称)としてお世話になっていたSHElikes。受講生としては今年の初夏に場所を離れたので、本日が名実ともに区切りの日です。 思えば最初にコーチングの扉を叩いたのは大学生の頃。そのときは「仕組みはよく分からない、ただ素晴らしい魔法のようなもの」だったコーチングも、今はある程度自分のものとして扱ったり楽しんだりできるようになりまし

          SHElikesのライフコーチを卒業しました

          蛹のなかのメタモルフォーゼ

          過去の思い出が再生されるとき、そのシーンのほとんどには「わたし以外の登場人物」が現れる。

          有料
          300

          蛹のなかのメタモルフォーゼ

          島に帰る

          上五島から福岡に帰ってきた。ここから、成田行きの飛行機に乗る。 島に帰るとだいたいいつもそうなるのだが、人知の及ばないものから厳かに諭されたような、そんな気持ちでいっぱいになっている。 いつ滞在しても、島で過ごす最初の二、三日は、心の大部分を不安が占める。普段、ハードワークな動き方にあまりに慣れすぎているので、スマホやパソコンを手放して、海にちゃぷんと足をつけたり友人と連れ立って港町のスナックに行ったりする、そんな時間の使い方におどおどしてしまうのだ。 けれどだんだん身体

          島に帰る

          【募集中】自分だけの暮らしを立ち上げるために。ちいさなコミュニティ「LEBEN」をつくりました

          暮らしとコーチングをテーマにした、ちいさなコミュニティをつくりました。 名前は「LEBEN」。ドイツ語で、暮らし、という意味です。 自己紹介まずはかんたんに自己紹介をさせてください。 ライフコーチの、石岡佑梨(いしおかゆり)と言います。皆さんからは、ゆりさん、はちこさん、などと呼ばれています。東京の三鷹と長崎の五島列島のあいだで二拠点生活を始めた日から、もうじき三年になります。 二拠点生活が板につき、自分の暮らしとまっとうに向き合うようになってから、自身や他者の感情を健

          【募集中】自分だけの暮らしを立ち上げるために。ちいさなコミュニティ「LEBEN」をつくりました

          異邦の日々は続く

          「ゆりさんってご自愛が得意ですよね!」と褒められたことがある。そしてわたしは、その言葉になぜかムッとした。自分で自分のご機嫌をとる、ということへの懐疑心が決定的になったのは、この瞬間だと思う。 かつては巷のご自愛ブームに則り、形だけお香を焚いたりしたこともあった。セレクトショップで適当に買った金木犀のお香は、むわっとする甘ったるい匂いを残した。全然好みの香りじゃなかった。あのときの自分は、自分を愛するということが何たるか、本質的にわかっていなかったんじゃないだろうか。 自

          異邦の日々は続く

          SNS離れをしているときの、インプットの在り方について

          SNSをあまり見ない日々が、ここしばらく続いている。いっときTwitterやインスタを齧りつくように見ていたし発信もしていたのが、最近はメールやLINEを一日の決まった時間にチェックするとか、友人の音声配信を聴くとか、推してる作家さんの発信を見るとか、そのくらいになってきた。 わたしは何らかの教訓めいたものを完全に理解するまでに人の倍以上時間がかかる、という自覚がある。SNSもまた同様に、情報の受け取り方として必ずしもヘルシーな面ばかりではないといろいろ分かってはいても、い

          SNS離れをしているときの、インプットの在り方について

          120円のらくがき帳に、書きたいことだけを書く

          無印良品でらくがき帳を買った。 コーチングのメモをとったり思考をぶわーっと書き出したりするのに、あまりにもちょうど良いので気に入っている。 メモ帳ってもらうことも買うことも多いので、自分の暮らしに定着しきれなかった使いさしの紙の束が、机の上に死屍累々と積みあがっていた。苦節数年、ようやくしっくりくる一冊に出会えたような気がする。 良い点は主に三つ。 ・心置きなく使えるお値段 ・適度な大きさ ・「らくがき帳」というネーミング 120円とお安いので、がしがし使える。 小さす

          120円のらくがき帳に、書きたいことだけを書く

          スペシャルなわたしとラーメン

          「ラーメンは年に一度と決めているんです」と、とあるモデルさんが語っていた。 わたしは目の前に札束を積まれても無理だと思う。人生の大事なシーンに、ラーメンがあまりに登場しすぎる。 まだそんなにラーメンが好きでなかった当時、わたしは大学二年生で、オーケストラ部に入ってチェロを弾いていた。個人練と全体練を合わせると、活動は日曜以外ほぼ毎日。しかも授業もすっぽかさず、週に20コマ超の科目を真面目に受ける人間だったので、それはもう目が回るような忙しさだった。 そしてわたしは、忙し

          スペシャルなわたしとラーメン

          #ものがたり珈琲 にて、小説を執筆しました

          表題のとおり、珈琲と物語のペアリングを楽しめる「ものがたり珈琲」さんにて、四月度の小説を執筆しました。普段はエッセイを書くことがほとんどですが、今回は完全な創作です。(しばらく低浮上だったのは、主にこちらの執筆に打ち込んでいたからでした) ものがたり珈琲さんの面白さは、毎月異なるテーマを元に珈琲と物語を届けてくださるところ。しかも「ハレとケ」とか「恋と愛」みたいに、対になる二つのテーマそれぞれで楽しめるというのだから、なんとも素敵です。 ちなみに四月のテーマは「終わりと始

          #ものがたり珈琲 にて、小説を執筆しました