単純にただ、ズルいだけ。

 血気盛んな時期というのは、少年少女から男性女性になる通過点。誰しもが大なり小なり経験する、いわゆる“反抗期”。これは、人間が動物でいうところの成獣になるために必要なプロセス。
 親や身近な大人たちから距離を置くようになることで、自立精神の構築を促し、やがて独立する。“反抗期”がそのために必要な期間であることは自分の経験からしても大いに理解できるが、今巷で流布している「あの子」はおそらくダメだろう。

 おそらくわかっててやったこと。相手が絶対に手を出すことが許されない立場であり、アプリを使えば生データにモザイクをかけることもできる。証拠となる映像が取れれば目の上のタンコブを排除できる。そうすればこっちのもの。

 公判や公開的な場になれば、さぞや暴力を振るわれたカヨワイ未成年者像を演じることだろう。殴られたことによる精神的なショック?当該組織の長が本気でそう思っているなら、一度病院で診てもらったほうがいい。

 駆け引きや見かけ、体裁や建前抜きで言えば、この案件を見たほとんどの人がだいたい想像はついているはず。そのままそれを主張していいと思う。

 「気の毒でもないんだけど、お前が悪い。」

 未成年であること。相手が教職員であること。多少こちらが何かやらかしても少年法があること。動画を取らせていること。そういう虎の威がなければ自己主張ができない超臆病者であること。そしてそれが成功すると、そのぬるま湯からはなかなか抜け出せない。
 あの子は未成年だからなのか、思慮の深さが1cm程度しかないので想像もつかないだろうが、たとえばこの学校や所管教育委員会が何らかの懲戒処分を下したとする。免職処分ではなかったにしろ、もはや教壇に立つことができないと悟った先生が依願退職。実はすごく真面目で深刻に物事を捉える人で、自責の念のあまり先生が自ら命を絶った時、その人の子供や親族親戚が無念のあまり、我慢できない怒りの矛先はどこに向かうと思う?
 たとえばその先生が俺の親父だったとして、その事案で親父が自殺を敢行したとしたら、俺なら間違いなくお前を殺しに行く。
 お前さえそうしなければ、親父がこんなに早く死ぬこともなかったし、生活が狂うこともなかった。今ある不幸の全ての責任はお前にある。・・・の、パターン。

 次にご本人逆上型。教壇に立てなくなった先生が退職。無職になった。世間体を気にして一家離散になった。この不幸の全てはお前にあると判断した自暴自棄者は、かなりの確率で遺恨の念をお前やお前の家族に向ける。

 人々はこれを、“ブーメラン”と呼びます。

 要は、「まだまだケツが拭けない」ということ。自分が取った行動の成功を夢見ることが一概に悪とは言えないが、負の連鎖は必ず付き纏う。考えすぎだと思うかもしれないが、可能性が“0”ではない。その連鎖が最悪の事態を招いた場合、お前はどう責任を取るのかを聞きたい。
 たとえ自分の命だけは助かっても、自分の家族や、校内の情報によって知りえた自分の彼女とかがいた場合、お前は100%その人たちを自暴自棄、引いては死を覚悟した者が取る行動から守れるのか?ということ。

 面白半分で軽率に自分で蒔いた悪の種。すくすくと育って咲いた花から吐き出た毒に気付いた時はもう遅い。お前がその花の風上に立てる可能性は、0%だ。