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広島市は過小評価される街


全国の主要都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)の中で、広島は飛びぬけて地味な存在です。


例えば、生活ドットコムの「住みたい街ランキング」だと広島市は全国28位。他の大都市と比べて圧倒的に順位が低いです。

ブランド総合研究所が発表する「地域ブランド調査2020」においても、広島市だけが唯一全国50位圏外となっています。


しかし広島市と言えば、人口119万人を擁する中国地方の中枢都市。

南は瀬戸内海に面し、市内には緑と運河が多く、景観に優れる街です。

城下町・軍都としての歴史を持ち、お好み焼きやもみじ饅頭などの名物もあるのに、他大都市と比べて何がそんなに劣るのでしょうか。

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(広島市中心部の八丁堀。ここだけ見れば大都会の様相だが…?)


ローカルな大都市?

全国で開催されるイベントやコンサートでも、広島市はすっ飛ばされることが多いです。実際に統計は出ていないものの、同じ100万都市である札幌市・仙台市・福岡市と比べて明らかに広島市はイベントの数が少ないです。


広島冷遇の理由の1つとして挙げられるのが、その閉鎖性。

地理的に広島市は三方を山に囲まれ、閉鎖的な地形であり、他県から集客できるほどの求心力はありません。

東京資本の企業を受け入れなければならなかった札幌市・仙台市・福岡市と比較して、広島市は軍都としての歴史から重工業が発達しているぶん経済的にも保守的で地元志向が強いので、外から見た評価が低いのかもしれません。

事実、東京企業は好んで仙台市に進出しますが、広島市に対してはそこまでではありません。平成17年の統計(※)では、仙台市に置かれる支所の数は1039社、福岡市は1146社に対し、広島市は928社に留まります。これは古いデータですから、現在はさらに差が付いている可能性はあります。

※出典:平成18年度 事業所・企業統計調査(総務省統計局)


ヒントは東京からの遠さ

広島空港01

もうひとつ、広島市が圧倒的に負けている要素があります。

それは、広島空港のあまりの利便性の悪さ。

広島空港は三原市に所在し、そこから広島市中心部まで路線バスで1時間もかかります。しかも鉄道でのアクセスはありません。東京都民からすると「ハァ?😱」ってなるほどの不便さです。

東京からの所要時間で言うと、広島市よりも福岡市のほうが早く着く計算。

この「東京からのアクセスの悪さ」が、東京から見た広島市の評価が低い2つ目の理由であり、広島市の競争力の足を引っ張っています。


とはいえ、東京から見た評価がなんじゃい!っていう考え方もありでしょう。どこだろうと住めば都。

地元志向が強いのは、地元に不満を抱く市民が少ないことの裏返しであり、外からの評価なんてどうでもいいことなのかもしれません。

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