個室の話

水頭症になったので、頭にチューブを挿して常に水を抜いていた。(ドレナージ法)

その際、頭を動かしたらいけないので、ベッドに太いバンドのようなもので胴体を固定され、両手はベッドの枠に結び付けられていた。

私はほとんど寝ていたが、時々目を覚まし

「これどういうルールなの?」といって腕のバンドを外そうとしたり

「廊下にヘビが来てるから、ちょっと見てきて」といったり

支離滅裂な話ばかりしていた。

それでも恋人が見舞いに来るとちゃんと名前を呼んだので、恋人はとても安心したらしい。

ドレナージは二日くらい続き、終わってからもしばらくは個室に入っていた。

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