セキをしても……

おそらく人生で一番と思われる、ひどい風邪をひいてしまている。
1ヶ月以上セキが止まらず、とうとう肋骨付近に痛みが出るようになってしまった。
病院に行き検査をしてもらったところ、「咳喘息」と診断され、肋骨の痛みは肺に水が溜まっているからだそう。

セキがひどすぎて喘息って!
セキをしすぎて肺に水が貯まるって!
そんなことがあるのだなぁ、と変に感心をしてしまう。

もらった薬を飲み、ステロイと吸入をしているけれど、ちっとも治らない。いつ止むのかわからないセキと痛みに飽きてきたけれど、受け入れるしかないのだろうな。諦め。


体調が悪いときに読む内容ではないと思いつつ、島尾敏雄の代表作『死の棘』のヒロイン、ミホの人物像に迫るノンフィクション『狂う人 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(梯久美子/新潮文庫)を読んでいる。

戦争末期の加計呂麻島で、特攻に行くはずだった敏夫と、島の有力者の娘ミホの運命的な出会いと死を前提とした恋は、終戦によって愛憎と狂気にと執着に満ちたものへなっていく。
まだ途中までしか読み終えていないが、教養も家柄も申し分ない二人が、そこにあった死がなくなったことにより少しずつ狂っていく様子が生々しい。敏夫に書かれる対象だったミホが本当に伝えたかったこととはなんだったのか。
読み手の精神も削り取られるような作品なので、やっぱり体調が悪いときに読む本ではないな、と思いつつページを捲る手を止めることができないでいる。
じっくりと読み進めていくころには、セキは止まっているだろうか。

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