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【イベントレポート】物流自動化・物流DXの未来を今に!~近未来を引き寄せる最先端チャレンジ事例・独自解説~

2021年3月23日(火)に「物流自動化・物流DXの未来と現在」をテーマにオンラインセミナーを開催し、物流事業者を中心に約100名の方にご参加いただきました。新型コロナウイルス対策や高齢化による労働人口の減少にはどう立ち向かえばいいのか……。現在日本が抱える課題の一つ「物流自動化・DXへの挑戦」。今回は、エルテックラボの菊田一郎氏によるプレゼンテーションの一部をお伝えします。

物流自動化・物流DXの未来を今に!~近未来を引き寄せる最先端チャレンジ事例・独自解説~
エルテックラボ 代表 菊田一郎氏

菊田氏は冒頭で、「コロナ禍の現代において物流自動化・DXへのチャレンジは各地で驀進(ばくしん)中」であるとしました。また、その挑戦はコロナ禍で掲げられている「非接触・非対面・3密回避」の理想的手段になるとも主張。同時に、日本の高齢化により今後さらに課題となるであろう「働き手不足」への「切り札」になるとも述べました。

続いて菊田氏は物流テック専門家としてリサーチした世界各国の新事例から、よりすぐりの「最先端 物流自動化・物流DX」チャレンジをピックアップ。近未来の世界を「今」に引き寄せるであろう挑戦の価値と意義について、独自の視点で解説しました。

①構内/物流センター・店舗内システム:最先端・物流ロボティクス事例

◇オルビス/流通サービス 東日本流通センター
概要:330台の小型AGV(自動搬送ロボット)を導入し、1オーダー1台の小型AGVを割り当ててピッキングから検品・梱包までの一連の搬送作業を自動化しました。
→作業員は約3割減、一件あたりの出荷コストは約2割減につながりました。

◇自動搬送ロボ・ピッキングロボの新潮流
~GreyOrange+AutoStore/OSARO

概要1:インド発のロボット開発会社「GreyOrange」の移動仕分けロボットと自動倉庫型ピッキングシステム「オートストア」が連動。プラスチックコンテナに配送品を入れる際の搬送工程を省き出荷することによって、効率性を高めた事例です。

概要2:アメリカのスタートアップ企業「OSARO」が、透明で光を反射したり変形しやすい物品のピッキングを、高価な3Dカメラでなく安価なセンサーで実現可能にしました。
→従来のロボットが苦手としてきた、照明条件の変化によるピッキングのスピードや精度のぶれを抑え、物品の安定的なピッキングが可能となりました。


②構外/ラストマイル自動配送車、ドローン、地下輸送:SCL統合管理・連携、見える化、フィジカルインターネット

◇自動配送車/米NuroがB2Cラストマイルデリバリーをカリフォルニア州で実用化へ
概要:2020年12月にアメリカのロボット会社「Nuro」が自動運転車での商用デリバリー初認可をカリフォルニア州から取得しました。
→アメリカの世界最大のスーパーマーケットチェーン「Walmart」や宅配ピザ大手「ドミノピザ」と配送実証を進めており、本年早期にもシステムの運用開始の可能性もあるそうです。

③サプライチェーン・ロジスティクスの近未来~社会的全体最適へ:自動運転車トレンド、驚きの未来プロジェクト

◇中国の「驀進」チャレンジ

概要:2020年6月、中国が独自開発の衛星測位システム(GNSS)「北斗」の55機目の最終衛星打ち上げに成功。地上固定局と連携した補正により誤差2m以内の精度での実用化も可能にしました。
→災害時のドローンによる精細な被害状況と位置の測定や、ゴミ収集車の走行位置のリアルタイム計測による適時ゴミ出しが可能となりました。

おわりに

菊田氏はこれらの事例を踏まえ、コロナ対応と合わせて「地球と働く人の環境保全」が今、最優先課題になっていることを強調しました。それはDXだけでなく、SDGsの幅広い開発目標の中でも、物流分野では、まず物流を「ディーセント・ワーク(人間的な尊厳ある仕事)」にすること、同時に「気候変動の抑止に向けた地球環境保全」の二つが最大のテーマであると主張。だが、それはESG投資を獲得するための「株主、投資家に選ばれるため」のポージングではなく、「世界を持続可能とするために、わが社は誰が何と言おうと、SDGs達成を目指す」といった心意気を持つことが大切であると強く訴えました。また、DXを経て「ESGレベルを高めるほど、儲かる組織」になれるよう、CXで「会社を根こそぎ変える」ことが、大きなビジネスチャンスにつながると主張しました。

最後に質疑応答も行われ、オンラインセミナーは終了。参加した約100名全員で「物流自動化・物流DXの未来と現在」について学びを深めるイベントとなりました。

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