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会社の「っぽさ」のつくり方

「この会社、スーツなんて着ないで私服で仕事したらいいのに」
「あの会社、WEBの見た目と実際の雰囲気が全っ然違うなぁ」

会社名、WEB、事業、事務所、社長、働くスタッフ、チラシ、etc …。

会社を構成するさまざまな要素が、全体の雰囲気として「ぴったり・しっくり」くる会社もあれば、「なんか惜しい」「非常に残念な」会社もあります。


今回は、その会社「っぽさ」って、どう形成されるのだろうかと考えてみたのでした。それはスタッフが着ている服ひとつも重要な要素だったりするのかもしれません。


ひと目見ただけで惚れてしまった不動産屋さん

一緒に仕事をしている、とある不動産屋さんがいます。

会った回数はまだ数える程度なのだけれど、非常に(勝手に)親近感を感じているし、仕事はもちろん、小説や音楽、街のことなどいつもいろんなことを教えてくれる近所のオニイチャンみたいな人です。


黒縁のメガネ、白いシャツ、スニーカー。肩の力が抜けた、けれど、知的で清潔感のある風貌。事務所の本棚には、太宰治や手塚治虫の本がこれでもかと並び、多肉植物は可愛いし、文鳥がマスコットキャラクターだし、いつもファイヤーキングのマグカップで美味しい紅茶を淹れてくれます。


はじめてお会いしたとき、事務所に入って3秒で「あ、この人と一緒におもしろい仕事したいな」とビビッときた。そして、すぐに仕事が始まったのでした。


いつも決まってお昼に会い、美味しいランチを食べながらアレヤコレヤと仕事の話をすることが楽しみ。彼が案内してくれるごはん屋さんはいつも雰囲気が良くて必ず美味しいんです。


不動産屋さんなのだけれど、賃料や間取り、立地だけで物件を紹介することをしません。周りにはどんなお店があるのか、晴れた日にはどんな風景が望めるのか、どんな生活ができるのか、住まいを通したライフスタイルの視点から物件をセレクトしています。


うまく言えないけれど、WEB、会社名、事務所、着ている服、カバン、本棚、音楽、メガネ、観葉植物、紹介してくれるごはん屋さん…どれをとってもすべてが「ぴったり・しっくり」していて、気持ち良いくらいに全体の雰囲気がマッチしているんです。


あ、この娘、可愛いだけじゃなくてゼッタイに性格もいいわ、ちゃんとお付き合いしたいな、って。まさに、ひと目見ただけ(確信を持って)惚れてしまったのでした。

それはきっと言葉を深く交わさなくても、前提条件の摺り合わせができた状態だったということ。こんな感覚って大事ですよね。


あした、なに着て生きていく?(宮崎あおい風)

人は見た目が9割なんてベストセラー本があったけれど、やっぱり見た目の印象ってあると思うんです。

東京で働いていたときは、当たり前のように毎日スーツを着て働いていたけれど、西粟倉村で生活し始めてからはスーツは一切着なくなりました。


西粟倉村のような田舎でスーツを着て働いているのは役場の一部の人くらいです。逆にスーツを着ていたら「今日はなんかあったんか?」と言われてしまいそうw なによりスーツやカバンは知らぬ間にカビてしまったのでした。これが山陰地方の中山間地の湿気の凄まじさよ。


営業に行ってお客さんと合う場合は、ジャケットを羽織るときもあれば、シャツに作業着のときもあります。

「今日はネクタイ締めた方がいいかもなぁ」と思いながらもなかなか気が進まないし、天気の悪い日に革靴を履くのも嫌。さすがにティーシャツは気が抜けすぎだし、うーん、ジーンズはギリセーフかな?みたいな。


相手に対して失礼な格好をしてはダメだけれど、背伸びせず、普段の雰囲気でお客さんに会いにも行けるといいなと思っています。結局、ビビってはジャケット+革靴だったら良いかなと無難に逃げている自分がいるのだけれど。


会社名、WEB、社長、働くスタッフ、工場の様子、着ている服、乗ってる車、etc……、さまざまな要素が合わさってできるのが会社の雰囲気だとすれば、ウチの会社っぽい格好ってなんだろうと模索する日々です。


ブランドに必要なのは「行き渡った統一表現」だ

ちょうど週末、とある勉強会でプロダクトデザイナーの方からお話を伺う機会がありました。あのキッコーマンの醤油瓶や、バファリンのパッケージ、山の手線・車両もデザインをしている日本の老舗デザインファームです。


ブランドや会社の世界観を演出するためのトータルデザインでは、明快なメッセージ + 行き渡った統一表現が必要とのことでした。


車を一台売るとしても、展示場での車の配置ひとつにもこだわりきる。もちろん、展示場のサインのフォントや色、大きさだって、ブランドのコンセプトからブレることはありません。

物語はモノひとつだけで完成することは決してなくて、物語=モノ+空間+情報で決まるんだと。なるほど。


フィリップ・コトラー先生も「ブランドを広告するのではなく、ブランドを体現せよ」って言うてました。

会社は人なりだとか、事業は人なりだとかいろんな名言があるけれど、会社の雰囲気やイメージもまた人なりってことなのでしょう。


ファーストコンタクトでイメージは形成される

・ひと目見ただけで性格の良さが分かってしまう女の子
・パッと見はめちゃめちゃ可愛いけど、デートで一緒にごはんを食べてみたら箸の使い方が下手くそでゲンナリしてしまう女の子
・大人しそうに見えて、脱いでみたらくっそエロい女の子

いや、女の子に例えるなよwってその方がイメージが湧くでしょう?

その会社(女の子)とのファーストコンタクトはどこかと言うとやっぱり見た目。


そして、会社とのタッチポイントはWEBだったり、働くスタッフであったり、事務所の入り口であったりするけれど、どれも印象を決める重要な要素。


はじめてお会いした営業スタッフさんのベルトがデカデカとD&Gなんてときにはうわ〜〜と感じてしまうし、はじめて伺った事務所の応接室にごついガラスの灰皿(刑事ドラマでの犯人の武器)があったときには、お、おう…とビビってしまうもの。


WEBでは日本の森林環境を…とのたまっている木材会社の社長がゴリゴリのピッカピカの高級ディーゼル外車に乗っていると、やっぱりナンダカナと感じてしまいます。いや、俺たちゃ木材でこんなにも儲けてるんだぜって意味では素晴らしいと思うのだけど。


一方で、会社に電話したときに担当者さんがいなくても、取り次ぎが好意的な会社は、訪問したときに事務所の雰囲気も良かったりするし、「◎◎社長と△△時にアポの予定で伺いました」と事務所入口でスタッフさんに伝えたときに「はい、伺っていますドウゾ」と社内共有がスムーズな会社はレスポンスが早かったりするものです。


会社の雰囲気やイメージを受け取るのは個人個人だから極めて主観的なのだけれど「あの会社って雰囲気良いよね」「ウチの会社と合ってると思うから相談してみよう」と思ってもらえた方がよいですよね。


制服の可愛さで進学先を決めるJCだっている

中学三年の頃、同級生の女の子が「△△高校の制服が可愛いからあの学校に通いたい」と言って進学先を決めたことがあったけれど、あの高校の可愛い制服を着ているワタシになりたいって潔くていいなと思ったのでした。


ベンチャー企業がオフィスの内容にしっかりと予算をつけてかっこいいオフィスをつくるのも「こんな会社で働いてみたい」「一緒に仕事してみたい」と思ってもらうためですよね。


うわ、見た目は大人しそうだけど脱いでみたらすっげえエロいwなんて燻し銀な会社も木材業界や建設業界には多くあります。

けれど、見た目良し・中身良しで雰囲気やイメージ通りに思ってもらえたとすれば、ブランドができているってことでしょう?


細身のシルエットの作業着に、重厚なチェンソー、最先端の高性能林業機械を乗りこなし、美しい山をつくるために命をかけて作業するフォレスター。

「山で働く姿がかっこいい」から働いてみたいと職業選択のきっかけにだって十二分になりうるわけです。

きつい・汚い・危険な3K産業と言われがちな林業・木材業界だってまだまだ変われるはずでしょ。


とか偉そうに言ってる前にまずは靴を磨かねばと思ったのでした。あ、木くずだらけの社用車も洗車せねば。俺の靴も社用車も会社の一部なんだから。

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